「晴れときどき涙雨」(高田郁)
を読んだ。
副題は「高田郁のできるまで」。
著者が「漫画原作者 川富士立夏」
から「時代小説作家 高田郁」に
なるまでの間、女性漫画誌に連載
されていたエッセイ集だ。
その間、目の病気をし、交通事故
に遭い、後遺症に苦しみ、文筆業
をできなくなる前にやり遂げたい
こととして時代小説を書く決心を
する。芽が出るまでの間の不安な
心情や、支えとなった人との交流
等が綴らる。
その内容や文章は、ごく普通の人
っぽいものだ。等身大で、衒いの
ない、真面目な人なんやろなぁ、
と読みながら思った。
自分は何を書きたいのか。何の為
に書きたいのか。それを確固とし
て持ってる人なんや、とも思った。
売れるものを書く、売れたいから
書くわけではないようだ。だから
等身大で、衒いなくいられるのだ
ろう。
「みをつくし料理帖」シリーズや
「あきない世傳 金と銀」シリーズ
等を書いた人気作家。自分も好き
で、作品は殆ど全部読んでいる。
次の、新しい作品は何だろうか。
楽しみに待っている。