「教室を生きのびる政治学」。
著者は政治学者の岡田憲治。
読むのに時間がかかった。
中高生向けの話し言葉を多用した
文章だが、それが原因ではない。
むしろ解り易い。
この本は「政治学を使って生きのび
るための方策を教える本」なのか、
それとも「教室を題材にして政治学
を教える本」なのか。途中まで
判らなかったのだ。
最後まで読むと、著者は前者を
めざして書いたらしいと判る。
政治学だけで全て解決しないから
著者の狙いは無理筋なのだが。
そのチャレンジはかなりうまく
できたのではないかと思う。
書いてあることはほぼ賛同できる。
そして、それらは著者と同じ年齢
の自分が経験してきたからこそ、
そうだと思える内容なのだ。
人はみな弱くて協力して生きる。
心が通じずとも損得で協力できる。
学友とは"ゆるい関係"でもいい。
話合いは共通点と相違点の共有だ。
対立しても妥協する工夫はできる。
等々。
もしもあの頃に知ってたら、
も少し上手に生きれたかもなぁ。