毎日木っ端みじん

*** リバイブすれば怖くない ***

退学

2008-01-19 21:21:49 |  絵のこと
 長く在籍していた通信制大学に退学届けを出してきました。
 実技のスクーリング単位は全て取り終え、興味深い一般教養スクーリングも取得し終えたので、あとは提出実技とレポート科目だけとなっていたのですが、これがまったく進まずにいました。

 実技は「スルメ」の色鉛筆デッサン。なぜ「スルメ」なのか。スルメの何に興味を持てばいいのか、スルメを描くことで何を見出せばいいのか、スルメのどこがおもしろいのか。スルメと相対するべき理由が何一つ見つけられず、時間と気力をふりしぼって描く気にどうしてもなれませんでした。
 こう書くと、何のコントかと思えますね。ドリフのような、もっと不条理なアングラ芝居のような。リンゴやジャガイモや青ネギだとこうは思わなかったのが不思議です。リンゴとスルメの違いやいかに。
 学科レポートも、同じような状況でした。

 結局、自分が興味の持てないことはとことん拒否してしまったようです。
 これは、学ぶ姿勢とはとても言えません。新しい展望や世界が向こうに開けているかもしれないのに、とば口で扉をあけることすら拒否したのですから。

 開けて踏み出せばよかったのか、もう一歩。
 踏み出して半歩進んだ時点で、疑問と拒絶感に覆い尽くされたあの感覚を、越えてがんばって進めばよかったのか。

 もう退学届けは先方に届いたはずです。

 学んだことはたくさんありましたので無駄だったとはまったく思いません。

 区切りをつけたことで絵を描きたいなという気持ちがわいてきたことが皮肉です。


伊藤彦造、柳柊二画集

2008-01-07 20:17:34 |  絵のこと
 去年末から今年にかけて、何冊かの画集を購入しました。

 特に嬉しかったのが「柳柊二怪奇画帖」

柳柊二怪奇画帖
柳 柊二,大橋 博之
ラピュータ

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「伊藤彦造イラストレーション」

伊藤彦造イラストレーション 〔新装版〕
伊藤 彦造
河出書房新社

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でした。


 さすがに伊藤彦造氏はリアルタイムに数々の作品に触れたわけではありませんが、子ども向けの文学全集の挿画に度肝をぬかれ、図書館で全ページをコピーして私家版の画集を作ったものでした。高校生の頃だったかな。柳柊二氏は学習雑誌の挿画やコナンのカバー絵でその存在感に圧倒されていました。小学生の頃からだったと思います。

 日本の若い人向け本の挿絵は、もうすっかりマンガアニメ絵一色になってしまっていますが、こういう「画家」として研鑽をつんだ方が説得力ある絵を描いていた時期もあるのですね。
 跡を継ぐ方がほぼ途絶えているというのも残念なことです。

 気迫に満ちた作品の数々、絵を描かれる方でしたら一度ご覧になるのもいいのではないでしょうか。