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落葉の積もる場所

- The way I was -
 

ホームドラマ

2010年11月01日 | WEBLOG
              

 







【 ちっぷ家の人々 】







    父・マサシ  36歳     警察官。 高校時代はヤンキー。 鉄拳親父。




    母・ヒロコ  32歳     専業主婦。 洋裁の内職で家計を助けている。




    長男・ちっぷ  9歳     小学生。 虚弱体質なのに学校ではイジメっ子。




    次男・デール  5歳     幼稚園児。 父と兄のW重圧に苦しんでいる。






































その日、 ちっぷ家は なんとなく幸せでした。































仕事を終えて帰宅した父の機嫌が、 すこぶるよかったこと。











そして、 夕食のおかずが 天ぷらだったこと。  (ちっぷ家では、 天ぷらは大ご馳走でした)













































その夜 テレビでは、バラエティ番組が流れていました。























    『赤揚げてゲーム』







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ある年齢以上の方ならご承知と存じますが、





左右の手に1本ずつ小旗(赤色と白色)を持ち、 







         「赤揚げて! 白揚げて! 赤下げないで、白下げて!」






というリズミカルな指示に従って、 旗を揚げたり下げたりする単純なゲームです。






























テレビの中の人たちは、 そのゲームで とても盛り上がっていました。













     




























珍しく機嫌のよかった父が、 それを見て、






即席で 赤旗と白旗を作り、 「家族でやってみよう」と言い出したのです。






































「赤揚げて 白揚げない!」   →   弟、白旗揚げる・・






            ワハハハハ・・・・




















「赤揚げない!」   →    母、赤旗揚げる・・ 










            ワハハハハハハハハハハ・・・・





















「赤揚げて 白揚げて 赤下げないで 白下げない!」   →   父、白旗下げる










            ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・














































いつも、厳父の醸し出す険しい空気の中で




ひっそりと夜を過ごしているちっぷ家にとっては、 画期的に楽しいひとときでした。
















みんなが笑顔に包まれて、 まるでテレビのホームドラマで観るような幸せな家族・・。




























































                   あの時までは・・。      











































































































                  あ ・ ・ ・












































突然、母の顔から笑みが消え、












                そして  ひと言、





















                「天ぷら…」 












       と言い残すや否や、 台所に走り去ったのです。    



















































慌てて 母の後を追う 父、 私、   弟、、          



















































































私たちが 台所で見たもの、、、













それは、 冗談のような勢いで  天井まで立ち昇る  でした。  












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毛布を天ぷら鍋にかぶせ、 腕に大やけどを負いながら 必死で消火する父。














父に罵られ、 頬を張られて 泣き崩れる母。


















ただただ右往左往している 幼き弟と私。。。






























































                地 獄 絵 図  で し た       










































































翌朝、 姿を消した母は 数日間、実家へ帰ってしまい、
















    そして、 「赤揚げてゲーム」 は、 ちっぷ家では禁句となり、

















    父お手製の 赤旗・白旗は、 私がそっと風呂焚き口の火の中へ投入しました。




























































































           ちっぷ家 家訓












           楽しさあれば 苦難あり