チャイルドラインぎふ

「チャイルドライン」は18歳までの子どもがかける専用電話です。
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2011年度 チャイルドラインの電話実施報告(速報)

2012-07-22 00:37:51 | チャイルドラインぎふ
2011年度 チャイルドラインの電話実施報告(速報)
[ 10:58 ] [ 報告 ]
2011年度に全国のチャイルドラインで着信した電話の実施結果について、
速報をまとめました。

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2011年度 電話実施結果 速報
(チャイルドライン・データベースにより集計)

<通話の概要>
データベースで集計された199,113件のうち、会話が成立した電話が70,487件で、全体の35.4%となった。

2011年度から統計の方法が変わったため、単純には比較できないが、
全体に対する会話成立の比率は2010年度よりも2.9%増加している。

また、会話成立時の平均通話時間は15分30秒で、2010年度よりも30秒長くなっている。

<かけ手の性別と年齢>※「会話成立」、「不成立」から
性別では男子が58,717件で53.5%、女子が44,386件で40.5%となった。

年齢別では、小学生が14,739件で15.5%、中学生が15,365件の16.2%、
高校生が32,591件の34.3%で、年齢不明も25,669件で27.0%だった。

内訳では男子は高校生が最も多く21,858件で23%、女子も高校生が最も多く10,733件で11.3%を占めた。
小学生では男子が5.2%に対し、女子は10.3%で2倍の差が開いた。

<事柄>
電話で話された事柄は、「人間関係」が12,741件で最も多かった。
その次に「雑談」が8,215件となり、あわせて会話成立の電話の30%を占めた。
続く性に関する電話もあわせて17%となった。
いじめや容姿・病気に関すること、恋愛、心に関する悩みがそれぞれ5%以上を占めた。
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上記データのグラフはPDFで見ることができます。
 

まちcomiリサーチ 寄付報告 1

2012-07-22 00:37:25 | チャイルドラインぎふ

みなさまの回答が、被災地の子どもたちの笑顔を守ります。<map id="Map" name="Map"> <area shape="rect" coords="1,-156,84,82" href="http://www.childline.or.jp/" alt="NPO法人チャイルドライン支援センター" target="_blank" /> </map>

NPO法人チャイルドライン支援センター

まちcomiは、「NPO法人チャイルドライン支援センター」が運営している、18歳までの子どもたちがかける電話「チャイルドライン」に賛同し、全国のまちcomi会員にご回答いただいたまちcomiリサーチ1回答につき1円を「チャイルドライン支援センター」に寄付します。

子どもたちが困惑していることや不安な気持ちを受け止め、自分らしく生きることをサポートするため、子どもたちの心の叫びを受け止める活動に役立てていただきます。

NPO法人チャイルドライン支援センター

寄付金額

金 26,065円

写真右:太田 久美様

(チャイルドライン支援センター 専務理事・事務局長)

写真左:佐藤 静香 まちcomi事務局

於:認定特定非営利活動法人 チャイルドライン支援センター事務局

この度は、ご寄付を賜りありがとうございました。

子どもたちは社会の状況が大きく影響する中で生活しています。貧困がメディアから伝えられるということは、貧困の中で悩む子どもたちがいます。就職難が伝えられると、やっぱり子どもたちは就職で困っています。チャイルドラインには日々子どもたちのSOSが届いています。

昨年一年間の着信数はおよそ21万件。子どもたちが安心してかけてこられるよう、フリーダイヤルで運営しています。

ご寄付はフリーダイヤルの運営に使用させていただきます。

今後もご支援いただきますよう、お願い申し上げます。

認定特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター

専務理事・事務局長 太田久美

2011年11月21日

みなさまの回答が、被災地の子どもたちの笑顔を守ります。<map id="Map" name="Map"> <area shape="rect" coords="1,-156,84,82" href="http://www.childline.or.jp/" alt="NPO法人チャイルドライン支援センター" target="_blank" /> </map>

NPO法人チャイルドライン支援センター

まちcomiは、「NPO法人チャイルドライン支援センター」が運営している、18歳までの子どもたちがかける電話「チャイルドライン」に賛同し、全国のまちcomi会員にご回答いただいたまちcomiリサーチ1回答につき1円を「チャイルドライン支援センター」に寄付します。

子どもたちが困惑していることや不安な気持ちを受け止め、自分らしく生きることをサポートするため、子どもたちの心の叫びを受け止める活動に役立てていただきます。

NPO法人チャイルドライン支援センター

寄付金額

金 46,959円

写真右:太田 久美様

(チャイルドライン支援センター 専務理事・事務局長)

写真左:佐藤 静香 まちcomi事務局

於:認定特定非営利活動法人 チャイルドライン支援センター事務局

この度は、ご寄付を賜りありがとうございました。

子どもたちは困ったことがあったり悩んだとき、また誰かに話を聴いてほしいとき、チャイルドラインに電話をしてきます。自分の気持ちを分かってほしい、自分の主張をきいてほしい…これは子どもたちからのSOSなのです。

昨年一年間の着信数は23万件弱。子どもたちが安心してかけてこられるよう、フリーダイヤルで運営しています。

ご寄付はフリーダイヤルの運営に使用させていただきます。

今後もご支援いただきますよう、お願い申し上げます。

認定特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター

専務理事・事務局長 太田久美


無印良品 社会貢献を知ろう!1

2012-07-22 00:36:57 | チャイルドラインぎふ
 

募金券 寄付先団体の皆さんの活動を良品計画の社員との対談を通してお知らせします。第10回は、難しい環境で、孤独や居場所のなさを感じている子どもの声に耳を傾けたり、子どもが身近な人には相談しにくい悩みを聞く電話、チャイルドラインの活動に、日本で取り組むチャイルドライン支援センターさんにお話をおききしました。

人権デーについて

12月10日は国連の定める「人権デー」。1948年に世界人権宣言が採択された日です。また、日本では、12月10日を最終日とする1週間を「人権週間」と定めています。人権の定義や内容は多岐にわたりますが、近年になり、いじめや不登校、虐待などが、日本における子どもの人権問題として、より重くとらえられるようになっています。

プロフィール

チャイルドライン支援センター

チャイルドラインは、18歳までの子ども専用ダイヤルです。子どもたちのどんな話にも耳を傾け、受け止めます。活動の発祥地ヨーロッパでは、電話番号を知らない子どもがいないほど、浸透している国もあります。チャイルドライン支援センターは、日本全国のチャイルドラインをネットワーク化し、支援している非営利組織です。

チャイルドライン支援センターについて詳しくはこちら

  • 太田久美さん

    チャイルドライン支援センター
    専務理事・事務局長

    2001年埼玉県でチャイルドラインを開設。現在、認定特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター専務理事・事務局長。特定非営利活動法人さいたまチャイルドライン代表理事。

  • 高野裕之

    良品計画
    お客様室 お客様担当

    1992年良品計画に入社。店舗勤務は7店舗。本部では卸売、生活雑貨、業務改革店舗サポートなど複数部署でのスタッフ勤務を経て2009年2月から現職。3児の父親。

  • 赤峰貴子

    良品計画
    宣伝販促室 宣伝課長

    1990年良品計画に入社。物流部門にて業務改善と宅送システムの構築に参加。その後、ISO担当として品質マネジメントの構築、広報室にて社内報を内製化し、企画室環境広報担当課長を経て、2011年9月より現職。

居場所が見つからない子どもたち

受け手は子どもの声に耳をすまします

高野: 日本でチャイルドラインの活動をスタートされたのはいつですか。

太田さん: 1999年に、チャイルドライン支援センターを設立しました。現在は44の都道府県に76の団体があり、各地でチャイルドラインの活動を行っています。

高野: ヨーロッパが活動の発祥地なんですね。

太田さん: はい。北欧では1970年ごろに始まって、その後ヨーロッパ各地に広がりました。現在はアジアを含め、世界100ヵ国以上で活動が行われています。

赤峰: 最初は、子どもの相談にアドバイスをする電話を想像したのですが、そうではないんですね。

太田さん: チャイルドラインの最も大きな特徴が、「ただただ耳を傾ける」というところにあるんです。お説教はもとより、大人目線でアドバイスをするようなことはしません。私たちの役割は、子どもの居場所をつくることなんです。

赤峰: 逆に考えると、家庭や学校が子どもたちの居場所になっていないということなのでしょうか。そうだとするととても残念です。

太田さん: もちろんすべての子どもがそうなわけではありませんが、残念ながら・・・。中には深刻な悩みを打ち明ける子どももいるのですが、ごく普通の、雑談を求めている子も多いんです。話し相手がいないんですね。いいことがあっても、悪いことがあっても、日常的な会話をする相手がいなくて、電話をかけてくるんです。そういう子たちにとっては、学校も、家も居場所ではないことが多いですね。

高野: すでにちょっとショックを受けていますが、それは、家族との関係が悪いとか、家族が不在にしていることが多いとか、学校では友だちがいないとか・・・?

子どもたちの人間関係が緊張している?

太田さん: いろんなケースがありますが、例えば最近、特に女の子に顕著にみられる傾向として、人間関係の緊張があります。友だちとの他愛もない会話なはずでも、話したことを相手がどう取ったか、ずっと悩んでしまうんですね。それで電話をかけてくる子が多くなりました。いわゆる気の置けない仲間がいないというか、気楽な関係を築けない。身近な人との人間関係が緊張しているんです。

赤峰: 確かに、女の子同士の雑談に、そこまで慎重になってしまっては、気が休まりませんね。

太田さん: そうなんです。結局、自分に自信が持てないから、自分の一言一言が間違っているのではないかと気にするんでしょうね。これは男女ともに言えることですが、自分に自信がなく、自己肯定ができない、自尊心がない、そんな子が増えたと感じています。

高野: 理由は、いじめとか、なのでしょうか。

太田さん: そういう場合もあります。いじめの場合はもう、精神を病んでしまうくらいの問題で、一生の生きづらさにつながります。けれど、いじめはなくても、生きづらさを感じている子は多いんです。子どもの人間関係の悩みというと、学校での友だち関係と思いがちですが、最近の傾向としては家庭でのそれもまた目立ちます。

赤峰: 思春期になると、親が疎ましくなったりしますし、親に話したくない事柄も多いと思いますが、そういうことではなく、でしょうか。

太田さん: 親に対しては怒りを出せないから、チャイルドラインの電話で怒鳴ったりする子どももいますね。親が自分を受け止めてくれる相手ではないと感じているんです。おっしゃるように、思春期で親を疎ましく思ったりするのは、特段不自然なことではありません。親は自分の味方なんだと、どこかで信じることができていれば問題はないのです。でも、「親は自分に興味がない」と訴える子どもも少なくないのが実情です。

子どもの社会を理解して、見守る

高野: 私にも小学5年生を筆頭に、3人の子どもがいます。3人の子育てをしていて思うのは、子どもは年齢が幼いほど親の側にいますし、家庭がその子にとっての世界の大部分です。でも大きくなるにつれて、親の知らない世界が増えてくる。学校があり、友だちがいて、小学生だって彼らなりの社会が形成されているわけです。そのことを理解し、尊重する努力をしないとだめだと思いますね。

赤峰: 私もそう思います。大人だから、親だから、なんでもわかるだなんてことはないし、ましてや思うようにコントロールできるわけはありません。傍観するという意味ではなく、見守ることも必要ですよね。

太田さん: おっしゃるとおりですね。学校は子どもの生活圏です。子どもにしてみれば、子どもの社会のデリケートさみたいなものを理解せずに、いきなり親が介入してきたりすると、立場を失いますし、自分の築いてきた世界を荒らされたと感じてしまいます。親が子どもに無関心であって良いわけはありませんが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」、過干渉は同じように問題です。

高野: モンスターペアレントという言葉も、教育の現場で使われだして久しいですもんね。学校に怒鳴り込んだり・・・あれは完全に子どもの世界を荒らしていますよね。

太田さん: 親の関わり方は、ポイントポイントでいいんです。学校の行事には少しでも顔を出したり、何かあれば先生とお話ししたり、子どものお友だちに声をかけたり。「私はここにいる」「子どものことに関わっていきます」というメッセージは、子どもにも自ずと伝わりますから。

赤峰: 実は私も3人の子どもの母親です。子どもには、皆と協調していくことの大事さと、自分を持つことの大事さを両方教えていかなければと、体験を通して感じています。確かに、今の子どもたちの社会はデリケートで、クラスの中でも、ちょっとした個性みたいなものを吸収できず、はじき出してしまうようなところがあると思うのです。はじき出されるのは怖いことですし、辛いことです。でも、自分を殺して無理に周りに合わせてばかりもまた辛いんですよね。

太田さん: まさにそうなんです。子どもの社会にも、昔はリーダーがいましたが、今はリーダー的な子どもこそが「出る杭(くい)」になって、ともすればいじめの標的になってしまいます。積極的な子、頑張っている子が、「いい子ぶって」とか「張り切ってうざい」という具合にはじき出されてしまうんですね。それに、昔は、孤立した子にこっそりとでも声をかける誰かがいたものです。今は、自分も標的になるのを恐れて、誰かが孤立しても助けようとはしません。みんなに同調していた方が安心でしょうが、自分の個性を開放しづらく、それはそれでストレスなんですよ。そんな中で、「親は自分を認めてくれている」という安心感は大きいですね。


無印良品 社会貢献を知ろう!2

2012-07-22 00:36:37 | チャイルドラインぎふ

「今がすべて」が、子どもの世界観

赤峰: 子どもって、「これは人生の中で一時のことなんだ」と考えることができませんよね。大人になって振り返れば、ほんの一瞬のことだけど、そうは思えない。辛いことだと思います。

太田さん: 子どもにとっては、今がすべてですよね。今の世界、今の人間関係がすべて。そこでうまくいかないと、「自分なんか嫌いだ」、最悪の場合、「生きていても仕方がない」と言いますからね。

赤峰: 私は、娘が人間関係で辛い状況におちいった時、「これは一時のことだし、ここ以外の世界もある。あなたは間違ってないし、今の状況だけに合わせて自分を曲げることはない」と言ったことがあります。実際、卒業して進学した学校では、それまでのことがうそのようにうまくいきました。

高野: そう考えると子どもって大変ですよね。大人だと、合わない人とは付き合わないとか、どうしても職場が合わなければ転職しようとか、趣味で別の世界を持ってストレス解消するとか、対応できなくはないですからね。子どもは与えられた環境を自力で変えることが極めて難しい。学校と家庭が世界のすべてなのに、そこでうまくいかないと、逃げ場がないですよね。

赤峰: 本当ですね。逃げ場がなくて、自分を開放もできずに思春期を迎えて、ネットだけが自分の居場所と思うようになって引きこもって・・・とか、今の世の中、怖いですよね。実社会を知らないのに、社会に対する不信感ばかりが膨らみやすい気がします。

太田さん: 引きこもりもですが、夜の街に出て、そこを居場所だと思う子もいます。夜の街には、やさしく声をかけてくれるお兄さんやお姉さんがいて、そこでは自分が認められたように思ってしまう。とても危険なことです。

貧しくて悩む子ども、豊かでも悩む子ども

高野: 辛いお話に追い打ちをかけるようですが、ここ数年、子どもの貧困が問題になっていますね。気になっているのですが、その影響はお感じになりますか。

太田さん: 3年ほど前から、貧困を背景にした悩みの電話がかかってくるようになりました。「うちは貧乏だから」と、子どものころから"負け組"を意識しています。

赤峰: 母子家庭はとくに貧困の割合が高いですし、両親がいても、収入の関係で母親が夜の仕事をしていたりすると、子どもと向き合う余裕が、時間的にも精神的にもなくなってしまいますよね。

高野: 親としては、経済的な理由で、子どものやりたいことを諦めさせるのは非常に辛いことですが、ひとり親家庭だと、その思いで必死で働くことで、子どもとの距離が開いてしまう。どうしたら良いのでしょうか。

太田さん: 本当なら、地域のつながりがあるといいんですよね。昔はありましたから。家庭が貧しくても、周りの大人が集まれば、知恵で解決できることもあるんですよ。進学を諦めなくても、奨学金を申し込んでみよう、とか。チャイルドラインじゃないですが、周りの大人が話を聞いてあげるだけでも、子どもにとっては救いになるんです。

赤峰: そうですよね。意外と見落としがちなポイントですが、地域で、母親同士、父親同士が仲が良いと、子ども同士の関係もうまくいきやすいですよ。

高野: 確かにそうですね。親として意識したい点のひとつですね。

太田さん: 格差社会と言われる中で、子どもの貧困問題は本当に深刻です。貧困が、学力や、健康に影響することは否めません。ただし、子どもの問題に関して言えば、貧困が諸悪の根源で、裕福になりさえすれば問題が解決するなどということは決してありません。溢れんばかりのモノを与えられて何不自由ないようでも、挫折感を味わっている子どもだってたくさんいるのですから。

高野: ありったけの教材を買ってもらい、数々の習い事を身に着けさせ、名門の学習塾に入れてもらえば、子どもは子どもなりに、親が自分にお金をかけていることを理解しますからね。親の期待に応えようと頑張るのに結果が出ないと挫けますよ。

赤峰: 挫けますね。中学で偏差値が高くて、高校で進学校に入ったら、みんなが優秀なのでそれまでのように抜きん出ることができなかった、というだけでも受け止め方によっては挫折ですよ。親は、子どもが優秀であればあるほど、大きな夢をかけてしまうでしょう。プレッシャーですよ。

高野: やはり根本的には、親や大人たちの子どもへの関わり方の問題ですよね。それにしてもいろいろと考えさせられます。

必要なのは自己肯定感

太田さん: 結局、人が生きる上での強さを支えるものは、自己肯定感だと思うんですね。自己肯定感というのは、積み重ねで育ちますから、子どものした良いことには、ほめたり、お礼を言ってほしい。悪いことをしても、どうしてしたのか、どんな気持ちでしたのか、その理由を知ろうとしてほしい。子どものSOSを逃さないようにだけは気をつけてもらいたいですし、「どんなあなたでも、決して見捨てない」という気持ちを伝えてほしいです。

赤峰: 今日は子どもの人権についてがテーマですが、つくづく、大人が何とかしないと守れないと思いますね。

高野: チャイルドラインのホームページで、子どもの権利条約について、子どもに向けた記述を見ました。子どもの権利を簡単に言えば、「元気で暮らせて、おいしくごはんが食べられることや、遊んだり、休んだり、わからないことを教えてもらうこと。誰かにいやな思いをさせられたりしないこと、自分の考えていることを言えること」というようなことが書いてありました。当たり前のことのようですが、その環境づくりをするのはやはり大人ですもんね。

太田さん: そうですね。そしてその中心になるのは、やはり親なんだと思います。学校の先生は一人で何十人という子どもをみています。子どもは辛いとき、自分だけをみてほしいし、自分をわかってほしい。その子ととことん向き合う役目を果たせるのは、どう考えても親ですよね。その上で、それができない事情がその家庭にあるとわかっているのであれば、そのときは、ほかの大人に出て行ってほしい。そういう社会でなくてはいけません。我が子だけの幸せを願っていくと、我が子の幸せも守れなくなります。なぜなら、どんな親でも、四六時中、一生子どもと共にいてあげることなんてできないですからね。子どもも必ず、親以外の誰かと関わり合い、関係を育みながら生きていくんです。自分さえ良ければ、自分の子どもさえ良ければ、という論理は必ず破たんします。

赤峰: なんというか、とても勉強になりました。地域社会のこと、それから、子どもをほめてあげることの大切さは、私にも思い当ることがあるので、改めて、胸に刻みます。

太田さん: ほめることの大切さに、ひとつ付け加えますと、日本の男性は苦手なようですが、奥さんをほめることも大事なんですよ!まずはお母さんが自己肯定できなくては。お母さんが輝いていると、必ず子どもに良い影響がありますからね。お母さんに限らず、子育てしているお父さんも同じですけれど。

高野: それは確かに・・・。心がけます!

対談を終えて

高野: 私はこれまで、チャイルドラインの活動を知りませんでした。今は、より多くの人たち、子どもたちに、活動を知ってもらいたいと願っています。チャイルドラインの電話が、居場所となり、拠り所となることで、救われる子どもがいるというのが現実がある以上、私たち大人が、この活動を支えていかなければなりませんね。一方で、そんなチャイルドラインの役目を、家庭や学校はもちろん、地域で担える社会をつくっていけないものかと、強く感じる時間でもありました。

赤峰: 最後に、「子どもやお母さんを、ほめることが大事」というお話が出ましたね。私の場合、それをしてくれたのは、お姑さんです。彼女は長年保育士をやっていたので、子育てのプロとも言えますが、とてもほめ上手なんです。うわべのお世辞ではなく、存在を肯定してくれて、その気にさせてくれます。まさに、「自己肯定感」ですよね。私の場合は大人になってからでしたが、彼女に出会って人生が変わりました。自分もそういう存在になりたいと、今日は改めて感じました。