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えんじゃけん

山武市100年後芸術祭

今日は山武市100年後芸術祭に行ってきました。
明日で終わりということで、今日しか行けない!と思い行ってきました。

まずは、成東駅前観光交流センターに行きました。
ここで、パスポートを買うことができます。

パンフレットより

遠くの火山が長い月日をかけて
鉱物を含んだ岩を作り
その山の岩が川に流されて少しずつ
小さくなって海に溜まっていき、
砂が長い大地に動きの中で砂岩になり、
それがまた波に削られて砂となり・・・。
そのような大きな地球の循環を
感じられる痕跡が山武市には点在しています。

大きな大地の動きや堆積は
様々な地層となって表出し、
そこに人間の営み、
人間と自然の共振関係が生まれ、
その歴史がまた新しい歴史という地層を
紡いでいきました。
「山武市百年後芸術祭」は、
アーティストの作品と、
すでにそこにある自然物や
アーティファクトをつなぎ、
現在地から大地と文化の痕跡を見つめることで、
これからできる地層を想像する機会に
なることを目指しています。

今回は、山武市を四エリアに分けて、鑑賞できるようになっていました。

JR成東駅周辺エリア

6.砂場になった公園
藤生恭平
成東駅前観光交流センター

これは、蓮沼海浜の森の一部が海から流れた砂で覆われていることより、砂場になった公園という発想に至り、木版画の版木を砂場に埋めてレイアウトを固定し、風や波で変わり続ける浜の砂や点を版木にモチーフとしてその土地を版として、版画を刷ったもので、これは版画なんだそうです。
一瞬何かの地図かなと思いました。
山武市観光交流会館の天井から垂れ下がっていおり、かなり大きなものでした。

0.from the other side
保良 雄
九十九里海岸で行われたパフォーマンスの様子がモニターに流れていました。
その下に柴原地区の岩塊の映像がありました。

10.伊藤左千夫の歌碑
誰なんだ?と思っていましたが、今回の芸術祭をまわることで、わかっていきました。
山武市を代表する歌人で、「牛乳改良社」を開業して、牛乳搾取業を始め、その傍ら短歌を学び、37歳のときに正岡子規の門に入ったそうです。
1906年に「野菊の墓」を発表し、小説家としても評価を得た人なんだそうです。


3.親近感の起源
SIDE CORE
消防機倉庫の壁に描かれています。


4.100年の蠱毒
MANTLE(伊坂柊+中村壮志)
消防機倉庫の中で展開される映像が作品です。
シャッターの穴より覗いてみます。
これ、芸術祭の一環だと知らない人が、これを覗いている人を見たら不審者状態ですよね。
覗いていてちょっと恥ずかしかったです。




■柴原エリア

16.Untitled
加藤泉
蓮光院のお堂中に作品があります。


九十九里の砂浜に大きな絵を描き、それが波によって消されていく様子が映像で流れていました。

柴原地区岩塊です。↓
観光交流センターで流れていた映像と同じものです。

近寄って撮影してみました。
すごく大きくてびっくりしました。
金剛地層が部分的に固結して砂岩層になっているそうです。

12.コエロギネの解剖学
小林清乃
利武さんの元牛舎を使っての作品です。
私的には、ここが1番印象に残っています。


牛舎に入ると、音声が流れています。
なんの音声かというと、日本の酪農の歴史、そして乳牛の生涯について女性の方が語っているもの。
それが40〜50分近くで終わるんだけど、ちょうど始まったばかりだったので、牛舎内に用意されていた椅子に座ってずっと聴いていました。
大好きな牛乳・・・
しかし、このアナウンスを聞いて、ものすごく切ない気持ちになりました。
乳牛ってそんなに過酷な環境で搾取されているのかと思いました。

乳を出すために人工的に受精され、そして赤ちゃんが生まれたらすぐに引き離され、搾取するための機械を乳頭につけられ、それが6ヶ月ほど続き、また妊娠させられ6ヶ月で出産、また子と離され、また6ヶ月搾取・・・。それが4、5年繰り返され、乳の品質の下がった牛は食肉として市場に出されるのだそう。
アナウンスのバックには搾取されている音、二拍子のリズムが流れています。
話を聞けば聞くだけ、その機械的に流れる二拍子がなんとも切なく聞こえてきます。

最初はわからなかった白と黒の画像の意味がわかりました。
これ、乳を表しているんだなぁと。↓

解説の中に臓器を人間に提供するための豚の研究が進んでいるという話が載っており、そのうち、臓器提供のための家畜が栄えるだろうというようなことが書いてありました。
それを聞いて、「約束のネバーランド」を思い出しました。
このアニメでは、人間が家畜として出てくるんですよね・・・。
それがショッキングな話なんだけど、でも、牛だって、人間のように情緒があるのだからそれを考えるとどうなんだろうと思った。
この作品は、これから先、動物と人の関わりはどうしていけばいいかを問うてくるものです。
今の地球って人間がしてきたことで、色々と課題があるのだなぁと思いました。
ネットなどをみていると、最終的に食べるとしても、せめて親子関係を築けるようにして、生きている間は幸せを感じさせてあげるべきだというものがありました。
後は、牛乳や牛肉を食さず、豆乳やそのほかの食品で補うことで、不幸な乳牛が減るという考えもありました。
また、作品の中で、乳牛のことを「乳母」という表現を使っていたのですが、今、改めて考えると、その「乳母」は使い物にならなくなると、食肉として出荷されるので、最終的には乳母を私たち人間は食べているんですよね・・・。

このような問題って、ペットショップの過剰な繁殖やイルカショーのイルカの捕獲の問題とかと通じるものがありますよね。
今飼っているももも、ペットショップで買ったんだけど、まだまだお母さんや兄弟と一緒にいたかったかもしれませんね・・・。
人のわがまま、勝手で動物が犠牲になっていることはたくさんあります。
どのような関わりが1番いいんでしょうね・・・。

この牛舎の奥の小屋にも作品がありました。
撮影はNGということで写真はありません。
母親の出産、そしてすぐに引き摺られながら離される子牛の様子が撮影されていました。
今、思えば、その離れの小屋は子牛を置いておくための小屋だったのかなぁ。
小屋の中に長椅子が用意されており、そこに座って映像を見るような形になっていました。

2.私の辰場所はかつては海岸線だった
井上修志
高宮さんの隣の畑にある作品です。
かつて岩塊があっただろう場所を掘った作品。
この岩塊を基準に人間の営みや環境との接点についてそこに在る風景を通して現在の立つ場所から考えたい思いで作った作品なんだそうです。




ここ周辺は水田や畑が多く、上の作品近くから先ほどの牛舎が見える。


■山武市歴史民俗資料館エリア
ここでは、資料館も無料で見ることができます。
ここで、伊藤左千夫のことが色々とわかるようになっています。
1階は埴輪などが展示されてあり、2階が伊藤左千夫のことがわかる資料が展示されていました。

13.Field of flowers
Zennyan
伊藤左千夫の生家の中に作品があります。


見えづらいですが、ゲームのコントーラーがあり、それを操作して人物を動かして野に咲く花に名前をつける作品なのですが・・・
私が下手なのか、コントローラーが調子悪いのか、うまく操作できませんでした。
伊藤左千夫さんの「野菊の墓」から発想を得たビデオゲームアートなんだそうです。


19.むかしはいま
庄司朝美
伊藤左千夫の茶室
この中は二つの絵が飾られていました。


今は亡き歌人で茶人の伊藤左千夫が亡霊として茶室を彷徨う姿を想像して描いたそうです。



11.伊藤左千夫の生家の歌碑

8.To To Fog
立石従寛
殿台公民館の中で流されていた映像が作品です。
2020年春に作家身辺で起きた悲劇のメモリアル作品です。
コロナ禍で亡くした身内を見舞いも火葬にも行けず、ある日突然行方不明になったような感覚で日々過ごすように。私たちは空間と時間の方向を五里霧中のように見失っているのではないか、霧の向こうに在る、戻れなくなったときに向かって、九十九里の浜で公/私、静/動、実/虚がおりまざる思いをダンスで表現している様子を映像で流していました。



この段階で15:00くらいでした。
最後のエリアに向かう前に、気になった成東・東金食中植物群落に立ち寄ってみました。
さらっと見るだけのつもりだったのですが、ガイドさんが案内してくれるシステムでした。
食中植物というと、すごく毒々しいイメージで群落という言葉から、ジャングルみたいなのを想像していたのですが、全然違っていて、とても小さな植物が原っぱの所々に生えているといった感じでした。

これは食虫植物ではないのですが、トキソウと言って山で見られたらラッキーってくらい珍しい花なんだそうです。
それがいくつも咲いていました。
1週間前だと一面ピンクに見えるくらい花が咲いていたそうです。
湿原なので、湿性植物や中生植物が数多く自生しており、春〜秋にかけて多くの花々が見られるんだそうです。


真ん中のモジャモジャしているのが食虫植物です。↓
細い糸みたいのがたくさん出ていて、それが粘り気を持っています。
モンシロチョウを捕まえることもあるんだそうですよ。
大きさは10センチくらいでしょうか。
イシモチソウというそうです。


赤っぽいのがセンモウゴケといい、これも食虫植物です。↓


地下水が枯渇してきていて、ここの湿地帯が乾燥しつつあるそうです。
また、乾燥した土地に生える植物も増えてきていて、その管理に苦労しているとのことでした。
手を加えなければ、この貴重な湿地帯の生態は崩れ、食虫植物はここから姿を消してしまうとのことでした。

これはノアザミです。
花の先に白いのがついているんだけど、これは花粉なんだそうです。
咲いたばかりのノアザミは虫などはとまって刺激があると、白い花粉を写真のようにボワボワと出すんだそうですよ。
知りませんでした。
解説が面白かったのですが、30分ほど、ここで過ごしてしまいました。
急いで最終エリアに向かいます。
最後のエリアは1〜2時間が目安となってましたので。

■九十九里浜エリア
案内板も可愛いです↓

途中の道の感じもいい感じです。



22. 百年の間
大塚きょうへい

蓮沼海浜の森にあります。
ちょっと分かりにくいので、近くにガイドさんがいて場所を教えてくれました。


3つ建物があって、その中の真ん中の建物に入りました。
時間があれば全部の部屋を見てもよかったのだけど時間が迫っていたので、真ん中だけ。


部屋の中に置かれているものもきっと何か意味があるんだろうなぁ。




15. 100年の蠱毒
MANTLE

南浜海浜公園




7.砂場になった公園
藤生恭平
南浜海浜公園

成東駅前観光交流センターにあった版画のもとの砂場です。
これを版画しようとする発想がすごいですよね。




21.!
光岡幸一
南浜海浜公園







18.Letter to you
橘田優子
南浜海水浴場










9.To The Fog
立石従寛


17.Untitle
加藤泉
この海岸で、蓮光院の中で流されていた動画の絵が描かれました。

5.風のふくまま
折原智江
南浜海水浴場




4.親近感の起源
SIDE CORE





20.漁師と量子の一日
塩原有佳
南浜海水浴場






何かが這った後。
これもアートに見えてしまう。


看板↓

海岸へと続く道。
なんだかアートに見えてきます。


昼ごはんも食べるまもなくまわり、ちょうど17時前に見終わることができました。
近くに美味しい店を検索すると、「うおたみ」というお店が出てきました。
ナビを設定して向かったけど、横目にえ?!ここでは食べれそうにないぞ・・・と思って通り過ぎてしまいました。
しかし、もう一度検索すると、やはりここで良いみたいだし、営業中担っているし・・・ということで引き返しました。
そして駐車場に車をとめ、表に行く。
魚屋さん?と思いつつ、前を通り過ぎ右手奥に行ってみるとありました、入り口。


卸しもしているし、食堂もしているようです。
これは期待できる!


たくさんメニューがあって、どうしようと思いましたが、1番最初に載っていたうおたみ定食にしました。
すると想像以上のものが運ばれてきました。

たくさんの刺身で大満足。
味も美味しかったです。
他のメニューも気になってしまいました。
17時ごろは、すぐに入ることができました。
お昼は結構混むみたいですよ。

後で知りましたが、嵐の相葉さんが番組で立ち寄ったお店らしく、相葉定食なるものがあったそうです。
私は気づきませんでした。
しかし、会計する近くの壁一面にサイン色紙がぎっしりと貼られてあり、有名なんだなぁと思いました。
どなたの色紙があったのかは確認してできてないですけど。
また、機会があれば行きたいです。

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