昨日、「愛を読む人」を見に行きました。月曜に行くと150ポイントつくので、実質850
円で映画が見られるのですごくお得。
ネタバレになります。
15歳の少年と21歳年上の女とのひと夏の恋、っていうと甘酸っぱいストーリィを感じさせ
ますが、実は重い映画です。
ケイトウィンスレット演ずるハンナは文盲な為、少年に本を読んでもらう事に無常の喜びを感じま
す。しかし文盲がゆえに電車の車掌から昇格して事務職にするという辞令に逃げ出
しナチの看守になり、戦後裁判にかけられた時、筆跡鑑定で字が書けないということ
が人に知られるよりも20年の刑務所暮らしを選んでしまうのです。
少年は学生時代にこの裁判を偶然に傍聴し、ハンナが文盲だったと言えば、罪が軽くな
るのに本人が隠したい事実をいう事も出来ず、20年間ただひたすらに朗読したテープ
を送り続けるのです。彼女は刑務所の中で字を覚え、分厚い小説を読むまでになり
ました。28年ぶりに二人は刑務所の食堂で会います。
出所する日、迎えに行った男がみたのは自殺したハンナの遺体でした。
私は何故自殺したのかずっと考えていました。本も読めるし、字も書けるように
なった。しかし、だからこそハンナにはもう何もないのと同じだったのではないでしょ
うか。
字が読めるハンナにもう録音テープはいらないでしょう。彼女は字が読めるようになり、
自立し、テープを聞くことで愛は続いていたのに字を読めるようになりだすうちに彼
女の愛は薄れていったのではないかと思いました。
看守が「身じまいはきちんとしていたのに、ここ数年身なりにかまわなくなった」
という一言が彼女の心情の変化をあらわしています。
彼女にはもう彼は必要ではなくなったんです。出所後手を差し伸べてくれた彼に
対して自殺という手段で終わりにしたんです。
それとも目の前にいる男性がこの28年の間、自分に関わったがゆえに十分に苦悩さ
せてしまった様子を一目で見抜き、もうこの人を自由にさせてあげようと思ったの
でしょうか。
彼も悔いと唯一度の恋のために沈鬱な半生を送ってきました。「彼女は文盲なんで
す」とかばう事も出来ず、ただひたすらテープを送り続ける事で愛を貫こうとしたか
つての少年。彼の前にいるのは老いさらばえた彼の知らない老女でした。
彼女が彼に残した一言の遺言は「ありがとう」だけでした。
ウーン、この「ありがとう」はなんて重い「ありがとう」なんでしょうか。
円で映画が見られるのですごくお得。
ネタバレになります。
15歳の少年と21歳年上の女とのひと夏の恋、っていうと甘酸っぱいストーリィを感じさせ
ますが、実は重い映画です。
ケイトウィンスレット演ずるハンナは文盲な為、少年に本を読んでもらう事に無常の喜びを感じま
す。しかし文盲がゆえに電車の車掌から昇格して事務職にするという辞令に逃げ出
しナチの看守になり、戦後裁判にかけられた時、筆跡鑑定で字が書けないということ
が人に知られるよりも20年の刑務所暮らしを選んでしまうのです。
少年は学生時代にこの裁判を偶然に傍聴し、ハンナが文盲だったと言えば、罪が軽くな
るのに本人が隠したい事実をいう事も出来ず、20年間ただひたすらに朗読したテープ
を送り続けるのです。彼女は刑務所の中で字を覚え、分厚い小説を読むまでになり
ました。28年ぶりに二人は刑務所の食堂で会います。
出所する日、迎えに行った男がみたのは自殺したハンナの遺体でした。
私は何故自殺したのかずっと考えていました。本も読めるし、字も書けるように
なった。しかし、だからこそハンナにはもう何もないのと同じだったのではないでしょ
うか。
字が読めるハンナにもう録音テープはいらないでしょう。彼女は字が読めるようになり、
自立し、テープを聞くことで愛は続いていたのに字を読めるようになりだすうちに彼
女の愛は薄れていったのではないかと思いました。
看守が「身じまいはきちんとしていたのに、ここ数年身なりにかまわなくなった」
という一言が彼女の心情の変化をあらわしています。
彼女にはもう彼は必要ではなくなったんです。出所後手を差し伸べてくれた彼に
対して自殺という手段で終わりにしたんです。
それとも目の前にいる男性がこの28年の間、自分に関わったがゆえに十分に苦悩さ
せてしまった様子を一目で見抜き、もうこの人を自由にさせてあげようと思ったの
でしょうか。
彼も悔いと唯一度の恋のために沈鬱な半生を送ってきました。「彼女は文盲なんで
す」とかばう事も出来ず、ただひたすらテープを送り続ける事で愛を貫こうとしたか
つての少年。彼の前にいるのは老いさらばえた彼の知らない老女でした。
彼女が彼に残した一言の遺言は「ありがとう」だけでした。
ウーン、この「ありがとう」はなんて重い「ありがとう」なんでしょうか。