頑張ろうかな!

趣味が多すぎて、どれも関連性がなく困っています。

THE CHASE P68~隠れ蓑

2006-05-12 23:05:11 | 語学
※絵はチューリップの群れです。ヨーロッパ旅行の広告を参考にしました。
 適当にアレンジして墨の濃淡であっさり仕上げたつもりでしたが、押印まで
 完成していません。またチューリップの季節に挑戦しましょう。
 
☆番号札をかけていた審判員が正男をチラッと見て「ようやく間に
合ったんだね、もうすぐ出発だよ。」と言った。少しして番号札が
正男の背中にかけられた。
走者達が位置について出発の号砲を待っていた。
正男は身を隠せる、集団の中央の方へ移動した。
彼はレースに参加する意志ははなかった。
彼が欲したことの全ては、彼の叔父が居なくなるまで群集の中に
居させてもらうことだった。
しかし、出発の合図をする係りがピストルを空に掲げたとき、
その一団体の方に向かってくる黒いリムジンを正男は見たのだ。
ヨーイドンのピストルの鋭い音がして、正男は他の人と並んで、
走り出した、見つからないように真ん中に位置しながら。
リムジンが走者のグループを通り過ぎるとき、正男は頭を低くして
背中を丸めた。リムジンはゆっくり通り過ぎた。
正男は長い夜を過ごして疲れていたがいつ彼の叔父がもどってくる
かもしれないのでレースから抜けることには恐れをなしていた。
彼の唯一の安全はカムフラージュとして他の走者を利用することにあった。
そこで正男はもっと長く走ることにした。
彼は楽な大股のステップ走法を取った。
そうする内に彼が若く体が丈夫だったため、彼は間もなくレースのリズムにのれた。
彼は他の競技者を見回した。彼らの内幾人かは彼より年上だったが、他は彼と同世代だった。
彼はレースについて考えてみた、毎年企画されているのかとか、
目的は何かとか、終りに何があるのかとか。
これらのことは重要でないことを彼は知っていた。
重要なことは彼が走者の一人である限り、彼は安全であった。
他の走者が彼を保護していたのだ。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (ワイワイ)
2006-05-12 17:47:58
チューリップ素敵です。



墨の濃淡がとってもいいですね。



参考になります。
Unknown (インコ)
2006-05-13 16:01:31
いつも優しく見守って下さって、

ありがとうございます



墨画のお仲間達は、もっと濃淡の差があった方がよいとか、私らしさがないとか申しますですよ。花や木などを活き活きと書くのは

難しいでーす!

これからも、よろしく
Unknown (austim)
2022-04-04 10:16:41
はじめまして。
偶然ブログを拝見し、シリーズ物のThe chaseの話にすっかり魅了され、
昨晩一気にここまで読み進めてしまいました。

(またところどころに散見する絵やお写真に大変癒されております)

差し支えなければぜひ続きをお願い申し上げます。

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