「11月27日(月)」
「自転車屋の生き物歳時記」
「植物編」
「ウルシ」
昨日の播磨アルプストレッキングで
見事に真っ赤に紅葉した
ウルシを見つけました。
樹高3~10m以上になり、雌雄異株。
樹皮は灰白色。
葉は3~9対で、
卵形か楕円形の小葉をもつ奇数羽状複葉で、
紅葉する。
花は6月ごろ、
葉腋に黄緑色の小花を多数総状につける。
果実はゆがんだ扁平の核果で、
10月ごろ成熟して黄褐色となる。
アジアが原産。中国・朝鮮・日本で
漆を採取するため古くから広く栽培されていた。
日本には中国経由で渡来したという説がある。
しかし、
中国より古い時代の漆器が
日本の縄文時代の遺跡から発掘されており、
また自然木と考えられるウルシも
縄文時代より日本各地で出土していることから、
中国から持ち込まれたのではなく、
日本国内に元々自生していた可能性も考えられる。
また、採取法の違いなどから、
日本の漆器を独自のものとする説もある。
1984年(昭和59年)に
福井県若狭町の鳥浜貝塚で出土した木片を、
2011年(平成23年)に
東北大学が調査したところ、
およそ1万2600年前のものであることが
判っているが、
これがいまのところ最古のウルシである。
樹皮を傷つけて生漆を採る。
材は、耐湿性があり、
黄色で箱や挽き物細工にする。
果実は乾かした後、しぼって木蝋を採る。
若い新芽の部分は食べることができ、
味噌汁や天ぷらにすると美味しく食べられる。
ただし、
「食べた後に舌が少しピリピリし出した」
という報告もあるため、
食べない方が無難である。
本種をはじめ、
近縁種はアレルギー性接触性皮膚炎
(いわゆる「ウルシかぶれ」)を
起こしやすいことで有名である。
これは、
ウルシオールという物質によるものである。
人によっては、ウルシに触れなくとも、
近くを通っただけで
かぶれを起こすといわれている。
また、
山火事などでウルシなどの木が燃えた場合、
その煙を吸い込むと気管支や肺内部がかぶれて
呼吸困難となり、非常に危険である。
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