Chaotic-Love

【純情エゴイスト】が 好きな 遊び人
猫屋敷 かりん の 趣味 Blog です。

貰っちゃいましたー!! 嬉しいですー!!!

2008年08月08日 | 【 頂きもの・たからもの 】
.COM for TABLE の 晴和様から ステキな小説を頂きました!
連番22222を踏んでリクエストした「つもりん」話です♪

それでは、お楽しみ下さい!
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颯爽と部屋を出るあいつの後姿に悪魔を見た。







       台風の中心







「あ、先輩起きました?」

目を覚ますとそこは病院の医局の仮眠室だった。
痛む後頭部を触ればタンコブができている。
そうだ、思い出した。俺は上條さんに思いきり後頭部をブン殴られたんだ。
いや、正確にはカバンをぶつけられたんだったか。あれ?踵落としだったか。やばい、記憶が無い。
どっちにしろなかなか攻撃的な人だったな。
俺の印象としてはどっちかつーともっと大人っぽい人だと思ってたんだけど。
野分もよくあんな雄雄しい男と付き合えるな。俺ならやっぱりかわいい系の女の子のほうがいい。

「先輩?まだぼんやりしてるんですか?」
「お前な、もうちょっと優しい言葉はかけらんねーのか。」
「先輩が悪いんですよ。ヒロさんをからかうからです。」

恋人をからかわれたのがよっぽど嫌だったらしい。
普段の野分ならもう少し言い方が柔らかいはずだ。
語調同様いつもより少し荒っぽく頭に当てられたのはかちかちに冷やされた氷枕だった。

病院なんだからさ、もうちょっといい氷枕用意してくれときゃいいのに。つーかお前もせめてタオルにくるむとか。
文句を言おうと後ろを振り向こうとしたら動けないように押さえられた。
心なしかさっきより強い力で氷枕を当てられている気がする。
耳の後ろで氷枕がゴリッと言う音が聞こえる。

「の、野分?痛いんだけど――」


――先輩。アレは俺のなので二度とちょっかい出さないでくださいね。


そっと耳元で囁かられた声は女の子なら腰が抜けそうな程甘い声だった。
けれど俺には地獄からの誘いにしか聞こえない。別の意味で腰が抜けそうだ。
氷枕についていた水滴が首筋を伝って背中を流れる。
氷の薄い部分が圧力に耐え切れずにペキンと音を立てて折れた。
その音が骨が折れたときの音と酷似していて、一瞬頭蓋骨にひびでも入れられたんじゃないだろうかと不安になる。

「わ、分かってるって。あれはちょっとした冗談つーか。は、反省してるし、二度としないって!」
「分かってるんならいいです」

でも、次は無いですから。気をつけてくださいね。
にっこりと笑って付け加えられた言葉はおおよそ普段のこいつからは想像できない言葉だった。
前言撤回。やっぱあの上條って人はすげぇ。
暴力的なんじゃなくて、あれぐらいじゃないとこいつの手綱は握れねぇんだ。

タオル取ってきますね、と医局を出て行く野分の後姿はいつもと同じ。
頼りになる若手小児科医。
けれど、今の俺には確かに悪魔が見える。






               next-台風の中心にいる人、巻き込まれる人

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やばい、ハマったら終わりだ。






      台風の中心にいる人、巻き込まれる人






「ゲッ!!」

客が来ているからと内線で呼ばれてロビーに行ってみるとそこには上條さんがいた。

「げ?」
「い、いや何でも」

一瞬上条さんの額に確かに青筋が見えた。この人の実力は前回文字通り体感している。
もうあんな思いは二度とゴメンだ。
上条さんから本人から受けたダメージはもちろん、あの後の野分を俺は一生忘れない。

「?さっきから何キョロキョロしてるんだ」
「いや、もしこんなトコあんたの彼氏に見つかろうもんなら俺は明日の朝日拝めなくなるんで」

言ってる意味が分からん、とばかりに首をかしげる上条さんは本当に愛されてると思う。
大切にされてるから本性知らないんだ。
アンタの彼氏はマジでやばいんですって。俺、このあいだ殺されかけたんですって、と言ってやりたい。

「で、あの、用って何ですか。俺結構忙しいんですけど」

というか野分に見つかりたくないんで早くしてください、と心の中で急かすと
おもむろに紙袋を差し出される。いや、押し付けられる。

「はい?」
「はいじゃねぇ、受け取れ」
「いや、何ですかコレ」
「前の侘びというか、その、怪我をさせて悪かった」

へぇ、一応気にしてくれていたらしい。
野分のインパクトが強すぎて痛みなんかすぐに吹き飛んだけど、この人はずっと気に病んでいたんだろうか。
悪いことをした。こんな風にされるとさすがの俺でも反省せざるをえない。

「いや、俺のほうこそスンマセンでした」

多分この人はあの時俺を殴る権利があった。いや、権利とかそんな問題じゃないかもしれないけど。
けど、俺はこの人の心をぐちゃぐちゃにかき乱したんだ。アレぐらいの罰は必要だったのかもしれない。

「だから、これは受け取れないです。あれは俺が悪かったんで」
「いや、これは俺の気持ちの問題だから受け取ってほしい」

ホント、男前な人だ。やばい、カッコイイな。そりゃ野分も惚れるわ。

「じゃあ、ありがたく頂きます。あの、ホントすんませんでした」
「じゃあこれでチャラってことで」
「や、ちょっと待ってください。時間あるならなんか飲みません?奢ります」
「は?忙しいんだろ?」
「いや、あれは言葉のあやつーか。これじゃあ俺の気が済まないんでコーヒーぐらい奢らせてください」

何を、言ってるんだろうか。気が付けば席を立つ上條さんの腕を掴んでいた。
やばい、この手を離さないとやばい気がする。じゃないと俺は何を言い出すか分からない。

「あの、上條さん――」

「ヒロさん」
「おー、野分」

あぁ、通りでやばい気がした訳だよ。俺の野生の本能凄いな。
俺の気持ち的な意味じゃなくて、生命的な意味でやばいわ。

「どうされたんです?俺の職場に来るなんて珍しいですね」
「まぁ、ちょっとな。ってかお前何持ってんだ?」
「これですか?実は持ってたペンが何故か急にへし折れてしまって」

なんてあからさまな警告。
“それ以上ヒロさんに馴れ馴れしく近づくな”ってか。
どうでもいいけどホント真っ二つだな。あのペンが俺の末路か。

「じゃ、じゃあ俺はこの辺で失礼します」
「あ、ああ――」
「俺いま休憩なのでコーヒーでもどうですか。先輩も」
「い、いや俺はいいって。そろそろ戻んねーと」
「そうですか、残念です」

これ以上いたら本当に明日の朝日が拝めなくなるかもしれない。
野分の目はマジだ。
それに俺も色んな意味でやばい。


「何考えてんだよ、俺」

これは多分恋とかそんな淡い感情じゃない。
とっちかつーと憧れとか、そういう感じ。そうに決まってる。
じゃなきゃおかしいだろ。相手は男で、しかも彼氏付き。
これはきっとただの憧れだ。



「あぁ、だから言ったのに。」
「何を?」
「何でもないです。ヒロさんコーヒーだけでいいですか?何か食べます?」
「いや、いらん」



―――――あとがき―――――
いやー……、なんとお詫びしてよいものやら。
まず第一に遅くなってまったことですね。
おいおい、誰だよ7月初旬にはあげるって言ってたのはよぉ。
と怒られても仕方ありません。ほんとうに申し訳ないです。
次にリクエストに全然副えてないです。
それはもうビックリするほどに。
「津森→ヒロさん←野分」
リクエストと副えてるのは登場人物ぐらいのもんだ。
ああああ、本当に申し訳ないです。
「こんなんリクエストしたんとちゃうわー」とちゃぶ台ひっくり返してやってください。
い、一応前編がシリアスで、後編がギャグ、のつもりで。ギャグの難しさを体感いたしました。

かりんさんへ。
期日が大幅に遅れたこと、リクエストに全く副えていないこと、本当にすみません。
こんなのでよければ貰ってやってください。



*********************

晴和様、素敵なお話を本当にありがとうございました!
つもりんの野生のカンと野分の地獄の直感……こういうの大好きですwww
2話も作って頂けて、私は本当に幸せ者です。
これからも遊びに行きますので、どうぞよろしくお願いします!!


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