昔よく円周率を覚えている子供とかがいたものですが、
導出の仕方はあまり注目されていませんでした。
小学校で「これはそういうもの」として覚えたものの一つです。
「何故?」とは一度も思わなかったですね。
教科書すら疑ってかかる捻くれた子供でない限り、普通はそうでしょう。
黒い箱を叩けばガラガラッと「3.14」が出てくる。
今考えれば、これはちょっとしたファンタジーです。
それまで習った算数からすれば、まさに「超展開」じゃないでしょうか。
わけの分からない定数をかけると、それが円周となり、円の面積となる。
当時この結果が正しいことを全く疑わなかったことが自分でも信じられないですね。
円周率は紀元前2000年ごろから現在に至るまで、
その時代の物好きな人が先人の知恵を発展させながら導出されてきた歴史があります。
驚くべきことには紀元前2000年ごろにすでに3 + 1⁄7が正しいらしいことに気づいていたことですね。
現在では数兆桁の精度で(そこまでする必要があるのか。。)計算されているそうです。
非常に簡単な原理をいうと、「半径1の円周を計算するにはどうするか」です。
まず半径1の円をコンパスか何かで描きます。
次にそれに内接する(各頂点が描いた円に内側から接する)
正六角形を描きます。
正六角形は正三角形が6つ集まったものであることはたぶん直感的に分かるでしょうから、
その正三角形の一つの辺が1であることにもすぐに気づきます。
つまり正三角形一つあたりの弦の長さ(円に接する2つの頂点の間の長さ)も1となります。
結局、正六角形の外側の長さが6であることが分かります。
同時にまた直感的な見立てですが、半径1の円の中に正六角形が収まっているわけですから、
6という長さはこの円周よりも短いだろうという予想ができます。
円周を正確に計算するには、内接する頂点の数をジャンジャン増やせばいいのです。
ここで「正確に」なので、正○○角形(辺の長さが一定)を内接させます。
正六角形なら正三角形が6つでしたが、頂点の数を増やしていくと
正三角形からどんどん長細い二等辺三角形になっていきます。
無限の頂点をもつ多角形を内接させるとその外側の長さが円周に限りなく近づくことになります。
重要なアイデアは長さが分かっている図形(ものさし)を隙間なく埋めていき、円周のカーブを表現することです。
だんだん話がずれてきましたが、カーブをピタッと表現する方法は算数では実現できません。
「カーブをピタッと」というのが非常にアナログな表現なんですね。
「限りなく近いものは表現できるんだけど」というのが今の算数の限界です。
ともかく教科書の「3.14」という中に様々な試行が詰まっていることに気づかされますね。
ニッポンへ行くの巻 - ユニコーン