2月の義経に続き今月も初役の菊之助さん✨
グイグイ引き込まれていく台詞劇「御浜御殿」
様式美ここに極まれりという舞踊劇「関扉」
どちらも役者さんの熱量が伝わってきて大満足😊

元禄忠臣蔵 〜 御浜御殿
徳川綱豊卿 ・・・ 中 村 扇 雀 富森助右衛門 ・・・ 中 村 歌 昇 中臈お喜世 ・・・ 中 村 虎 之 介 新井勘解由 ・・・ 中 村 又 五 郎
「積恋雪関扉」
守関兵衛大伴黒主 ・・・ 尾 上 菊 之 助 良峯少将宗貞 ・・・ 中 村 萬 太 郎 小野小町姫/ 傾城墨染実ハ小町桜の精 中村 梅枝
歌舞伎は四季の美しさを舞台に取り入れることは多いが
綱豊卿と助右衛門の真剣勝負の台詞の応酬に
夢中になっているうち舞台上は日が暮れていく…
時間の移ろいまで感じることができた。
歌昇さんがたくさん見られて嬉しい〜
それにしても…
浅野家再興は決まったようものなのに
お家再興を認められると、仇討ちができない。
その感覚って…
こっそり吉良を暗殺しようとして綱豊卿に叱られ
命を奪えば良いってものじゃない
正々堂々と思慮深く復讐を果たすべきだと諭される。
その感覚もまた理解に苦しむけれど
当時の武士の理想からすると
お家再興しても、吉良に復讐できず
暗殺したところで、卑怯さやましさが残る。
それは耐えがたいという思いなんだろう。
そういう感覚の違いも興味深い。
「関扉」は桜が満開なのに雪が積もっているという
歌舞伎らしい耽美な世界。
1784の初演から、当時の型が忠実に守られて
現在まで受け継がれているというのが珍しいそうで
菊之助さん、梅枝さん、どちらも2役だけれど
やはり後半の大伴黒主と墨染の対決が
それはもう壮絶な美しさと迫力!
菊之助さんのあんなに低く力強い声は初めて聴いた。
貫禄のあるスケールの大きな芝居に感動
優美な女形を演じる人が
あんなに完璧な悪役になれるなんて凄い✨
梅枝さんも妖しい倒錯美が全開というか。
頭の先から爪先までも神経の行き届いた舞踊で
人間離れした精霊の美しさを見事に表現していた。
黒主との激しい争いも緊張感が途切れることなく
肉体的な負担は全くも感じさせない。
今後またこの2人で観たい!
と思わせる舞台だったけど
勘九郎さん、菊之助さんの組み合わせもいいな