最近,額を1枚買った。絵はマザーグース関連らしく,題は「ヘイ・ディドル・ディドル」。古書の挿絵(木版)を額装したもので,私にとっては高価なものだったが,絵(R.コルデコット作)が良い出来だったのと,私のチェロと同年代(19世紀末)らしいのでつい買ってしまった。特に猫がヴァイオリンを弾く姿が微笑ましいというのか痛ましいというのか何ともいえない表情なのが大いに気に入った。(写真は猫の部分のクローズアップ。詳しくはこちらでもご覧になれます)。
有名なマザーグースだが,私にはどれもピンとこないものばかり。おそらく,意味よりも音韻がおもしろいのだと思う。ご存じと思いますが,「猫とヴァイオリン」の原詩と一般的な訳(isis訳)はつぎのとおり。
Hey diddle diddle, / The cat and the fiddle, / The cow jumped over the moon! / The little dog laughed / To see such sport, / And the dish run away with spoon!
ヘイ,ディドル,ディドル/猫とフィドル/牝牛が月を飛び越えた/子犬がそれを見て大笑い/お皿とスプーンが逃げ出した
これだけでは何が何だか分からない。まったく脈絡がない。そこにいろいろな解釈が生まれて楽しいのだろうが,言葉も風習も違う日本では壁は厚い。いっそのこと意訳(よく言えば翻案)してしまおう。
ひとつとせ,
猫がヴァイオリン,ギーギー弾けば
牛はびっくり,お月さんまたぐ
それ見た子犬が,ワンワン吠えりゃ,
お箸と小皿が逃げていく
日本語では韻を踏むのは難しいので五七~七五調を基本に数を合わせた(それでも2行目から語尾をa,u,a,uと,一応合わせた)。材料もぐっと和風に。
(想像例)
ここは,セロ弾きのゴーシュの家から1Kmほど離れた小さな牧場の猫の家。ある月夜の晩,遠くから聞こえてくるセロの音に触発されたのか,月に浮かれたのか,猫がヴァイオリンを弾き出した。そのひどい音に耐えかねて牛は逃げ回り,月を映した小川を飛び越える。それを見た牧童犬がワンワン吠えたてる。猫はますます調子に乗って家中を曲弾き。おかげで戸棚の箸や皿が落ちたり転がったり。遠くにセロの音。イーハトーブの夜は深い...
こんな光景を想像するのだが(爆)。ま,無理にリアリティを追求することもないでしょう。isis版ナンセンス劇場にお付き合いいただきありがとうございました。
有名なマザーグースだが,私にはどれもピンとこないものばかり。おそらく,意味よりも音韻がおもしろいのだと思う。ご存じと思いますが,「猫とヴァイオリン」の原詩と一般的な訳(isis訳)はつぎのとおり。
Hey diddle diddle, / The cat and the fiddle, / The cow jumped over the moon! / The little dog laughed / To see such sport, / And the dish run away with spoon!
ヘイ,ディドル,ディドル/猫とフィドル/牝牛が月を飛び越えた/子犬がそれを見て大笑い/お皿とスプーンが逃げ出した
これだけでは何が何だか分からない。まったく脈絡がない。そこにいろいろな解釈が生まれて楽しいのだろうが,言葉も風習も違う日本では壁は厚い。いっそのこと意訳(よく言えば翻案)してしまおう。
ひとつとせ,
猫がヴァイオリン,ギーギー弾けば
牛はびっくり,お月さんまたぐ
それ見た子犬が,ワンワン吠えりゃ,
お箸と小皿が逃げていく
日本語では韻を踏むのは難しいので五七~七五調を基本に数を合わせた(それでも2行目から語尾をa,u,a,uと,一応合わせた)。材料もぐっと和風に。
(想像例)
ここは,セロ弾きのゴーシュの家から1Kmほど離れた小さな牧場の猫の家。ある月夜の晩,遠くから聞こえてくるセロの音に触発されたのか,月に浮かれたのか,猫がヴァイオリンを弾き出した。そのひどい音に耐えかねて牛は逃げ回り,月を映した小川を飛び越える。それを見た牧童犬がワンワン吠えたてる。猫はますます調子に乗って家中を曲弾き。おかげで戸棚の箸や皿が落ちたり転がったり。遠くにセロの音。イーハトーブの夜は深い...
こんな光景を想像するのだが(爆)。ま,無理にリアリティを追求することもないでしょう。isis版ナンセンス劇場にお付き合いいただきありがとうございました。