匂い

外を見ていると

夕餉の匂いがしていた

ある歌手の歌の中に

チョコレイト工場の匂いがする　と

出てくるのだが

思い出すのは

前に住んでいた辺りには

食パンの工場の匂いがしていた

今の私はうつ状態になり

夕餉の支度ができなくなった

外を見ていても

なんの匂いもしてこなくなった

匂いとは　人生の楽しみのひとつなんだと

こうなってみてはじめて知った

いつどうなるのか　どこへ向かっていくのか

私にはわからないのだが

いつか　失った匂いが

取り戻せると信じたい

今の私は何もいらない

ただただ

元生きていた私に

戻っていきたいだけ

それだけなんだけどなあ

……………

少しずつ料理をする『リハビリ』をしています。今日は、冷やし中華を作りました。

とはいえ、麺を茹でて材料を切ったのはパートナーのほうで、タレを作っただけの私なのでした。

味も美味しいのかよくわからず、ずいぶんと迷惑な冷やし中華になったかもしれません。

おひとり様

たまにひとりで外食

長時間いるから申し訳なくて

パンケーキを頼んだ

あんなに頼みたいと思っていたのに

おかしなことに

食べ終えたら罪悪感

実は私は

遠出するとき（新幹線移動とか）以外は

たいていふたりで行動しているのだ

だからなのか

ひとりっきりはむずがゆい

チョコレートソースが残った

空っぽのパンケーキの皿

見ていると淋しくなってきた

早く下げてほしいな

心の中でひとりごちた

今度こそふたりで来よう

きっとひとりの二倍は美味しそうだけど

そのとき　食欲があれば　ね

……………

昨日は市役所に用事があって、近くのファミレスで時間を待っていました。

市役所、うちから遠いんだなあ。

待っている間、詩を書いていました。長編の？詩も書いたので、機会があったらまた見てください。

私はNPOの理事という特殊な仕事をしていますが、ちょっぴりだけノマドワーカーの気分を味わいました。

楽しくて、家でやるよりステキでした。また、ノマドワーカーしよう。ふたりでは無理かなあ？

がらくた

大事なものを

心にいくつ持っているんだろう

まるでがらくたのように

散らばった足元

拾い上げてみると

ひとつひとつはそんなにいいものには思えないのに

どうして

それがなくなると

泣きそうになるんだ

大事なものって

本当は　きっと

どうでもいいもの

足元にあるものを

けとばしながら

けとばしながら

きっとそれが

生きていくということなんだろう

片付かないままに

がらくたを抱きしめる

それが私のやり方だから

レモンパイ

愛しているのに

そう呟く人に私はききたい

それは誰のための愛？

愛しているかのように

ポーズをとろうというひとがいる

誰のためのポーズ？

何のためのポーズ？

愛はそこにあるの？

愛はどこにあるの？

自らの中で

自らに問いかける

愛はどこにどうあったとしても

まるで小さいパイを分け合うように

奪い合うものではない

自らのものだとパイをとったとき

あったはずの愛は失われてしまう

愛がほしければ

欠片だけでいい

そして大きなひと切れを

人に差し出す勇気を持たなければ

愛はきっとそこにあるはずだから

心に歌を

ステージの上で

朗々と歌いはじめた

後ろには楽器ひとつだけ

飾りけのない歌を

歌うあなたは輝いていた

ありがとう

私は心の中に小さな花を飼っていて

育てるのが下手なので

よく枯らしてしまいそうになる

その花の養分は

農薬でも肥料でも何でもなく

きっと何でもない歌なのだ

私は昨日

つぼみが花開くのを感じた

小さな　小さな　小さな花

誰も知らないことだけれど

花がなければ

心が花と一緒になくなってしまう

だから歌が必要なのだ

枯らさないよう

時々は

歌を心に持とう

そしていつか

美しい大きな花を心に咲かせるのだ

……………

昨日のライブを見て、リスペクトとして作った詩です。アーティストの方には一応、ホームページのURLの書いてある名刺を渡してあるので、私の気持ちを感じてくれれば幸いです。

以前、私は年に何本もライブを楽しんでいました。映画も芝居も大好きで、そういうものを見なくなってから、心の花が枯れかけているような気がします。

また、あのコントラバスと個性的な歌声に浸りに行きたいです。Yちゃん、誘ってや〜！