国語辞典編集者である神永 暁 氏のHP「日本語、どうでしょう?」によれば、本来、桜の花を観賞する行為のことは「桜狩り」というのだそうで、その用法は「紅葉狩り」という行為、つまり、山野に分け入って紅葉(もみじ)を愛でる行為に対して呼ばれることで現在でも残っている、という。平安の世から使われていたものらしい。
山野に分け入って紅葉を愛でる桜、といえば山桜や枝垂れ桜の類だったのだろう。やがて平地でも桜が植えられ、その桜の花の下で「宴」をはって遊興する「お花見」という楽しみ方が一般化した。その桜が「ソメイヨシノ」。江戸時代も末期のことらしい。
日本全国すべて挿し木と同じ方法で増えてきた「クローン」株なので、ほぼ同時期に一斉に咲く。
「桜」という言葉の由来というか語源だが、諸説入り乱れる中、竹取物語のかぐや姫のモデルにもなったといわれる木花咲耶姫(このはなさくやひめ)から「さくら」に転じたとする説が、夢があってよろしぃんじゃないか、と。
桜の種類や品種の名前まとめ!によれば、桜は日本だけでなく、中国や台湾などアジア各地に生息する樹木であり、日本国内だけでも固有種や交配種を含めて600以上もの品種が確認されている、とのこと。もともとの原種は11種確認されている、と「さくら図鑑」に記されている。
それによると、桜の原種の一つであるオオシマザクラにヤマザクラ、エドヒガン、カスミザクラ、マメザクラなどを掛け合わせて開発された「里桜(サトザクラ)」の中の1つが、黄色い「鬱金桜(ウコンザクラ)」や、緑色の「御衣黄(ギョイコウ)」とのこと、である。