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悟るカメラ

猫や風景などなど

東京大空襲の痕跡

2010-09-10 | カメラ日記

浅草から向島にかかる言問橋という橋がある。
今までにこの橋を渡った事は、何度かあったのだが橋の親柱に1945年3月10日の東京大空襲の痕跡が残っていると知ったのはつい最近の事だった。
一度は、この目で見ておかなければと残暑の戻ってきた中、浅草に行き、隅田川のほとりを言問橋に向かって歩く。
道行く人々の視線は、当然ながら対岸に建設中の東京スカイツリーを向いていて思い思いの写真を撮っている。

言問橋に着き、向島方面に歩を進めると黒く煤けた親柱が目に入ってくる。
これが見ておきたかった東京大空襲の痕跡である。

上段は、改修されているようだが二段目から黒ずんでいる親柱。
この黒ズミ、空襲で焼け死んでいった人々の脂の跡だといわれている。

大空襲の際に浅草方面から逃げる人々と向島方面から逃げてきた大勢の人々が橋の上で合流し身動きがとれなくなってしまい火災による高温の旋風により焼け死に、火災の旋風を避けるために隅田川に飛び込んだ人々も3月の冷たい川の水により凍死したという地獄のような光景。

その光景を見ていたであろう親柱の向こう側には現代の象徴であるスカイツリーが聳え立つ。



空襲で亡くなった人々が仮埋葬された墨田公園には東京大空襲戦災犠牲者追悼碑と言問橋の縁石が保存されていた。

言問橋を離れようとすると高校生の一団が先生に連れられて東京大空襲の話を聞かされていた。