折々の想い

◇不定期更新による、のんびりエッセイです!

モグラたたきゲーム

2015年11月10日 | アイヌ文化・歴史

◇こうした民族差別問題に限らず、どんなに些細な問題でも、無知に起因する偏見・差別・権利侵害事象を見逃してはなりません。むかし先輩の同僚教員が、「ケースワークは、まるでモグラたたきゲームのようだ!」と嘆息気味に語っていたことを思い出します。だからといって、歩みを止めてはならないのです。その同僚教員も終生、そうした歩みをされました。立派な先輩教員でした。

◇「イメージなんだから、そんな細かい文言(もんごん)までチェックしたり、クレームをつけたりしなくても良いではないか・・」との顰蹙(ひんしゅく)のまなざしを向けられることを覚悟の上で、一つひとつの偏見・差別・権利侵害事象を、ポコッ&ポコッとばかりに、つぶしてゆかねばなりません。モグラが減るのかどうかは定かではありませんが、出てくる頻度は確実に減るからです。

◇アイヌ協会も、アイヌという名称を使用することにためらうような状況が長く続いたために、ウタリ協会と称してきました。ウタリとは「同胞」との意味です。ニュージーランドの先住民族はマオリ民族です。マオリとは「人間」という意味です。アイヌも同じく「人間」という意味です。

◇ニュージーランドの公用語をご存じですか? 英語とマオリ語と「手話」です。非核法により、永遠に原発に依存しない国家です。人権国家とはそうしたものです。

◇ニュージーランド国歌を聴いたことがありますか? 必ずマオリ語の歌詞を最初に歌うのです。下記の私のサイトから聴くことができます。

http://www.yamaki-web.com/aotearoa.html

◇言うまでもなく、北の大地はアイヌランドです。和人の一人として、今回の配慮に欠けた事象を申し訳なく思うと共に、さらなる共存共栄のために手を携えて歩みたいと強く思うのです。

新千歳空港の広告 日ハム撤去
11月10日 00時36分(NHKウエブニュース)

 プロ野球・日本ハムは、北海道の新千歳空港に掲げている「北海道は、開拓者の大地だ。」と書かれた広告について、先住民族であるアイヌ民族に対し「配慮に欠けていた」などとして、9日夜、撤去しました。この広告は、日本ハムがことし6月から新千歳空港のロビーに掲げていた垂れ幕型の広告の1つで、栗山監督の写真とともに「北海道は、開拓者の大地だ。」と書かれています。これについてアイヌ民族の団体「北海道アイヌ協会」が、8日球団に対し、「広告の表現からは先住民族としてのアイヌ民族の存在が読み取れず配慮が足りない」などと電話で伝えたということです。これを受け日本ハムは対応を検討していましたが、9日この広告を撤去することを決め、夜8時すぎに作業員が撤去作業を行いました。日本ハムが発表した文書では指摘を受けた表現について「プロ野球界において常に先進的な取り組みをし、新たな領域を切り開くチームであり続ける意図を込めた」と釈明しています。そのうえで「アイヌ民族に対して配慮に欠けたことはお詫びすべきだ。今後も歴史認識を深め、敬意をもって発展的な関係構築に努める」などとしています。