
おいらがボウイのコピバンをやってた話は、もしかしたら意外だっただろうか?これまでもコピバンをやった話はいくつか書いたけど、コピーしたアーティストはまだまだたくさんある。大体がスタジオの中で音を出して終わりだったり、ライブを一回やって終わりだったり。でも数回のライブを重ねてレギュラーバンドっぽく活動することも度々…。
学校の仲間とクラッシュのコピバンを組んだときがそうだった。そのときの担当パートはドラム。今思い出すと、俺のドラムは相当ヘタッピだったはずなんだけど、メンバーや観客は結構盛り上がってくれて、うれしかったなぁ。
そのバンドでドラムに誘われた理由は、ただ単に「ドラムを叩ける奴がおいらしかいなかった」から。すでに10日後にはライブが控えていて、リーダーに「お願い!頼む!」といわれて、それから初めてクラッシュの曲を聞いて、必死にコピーしたことを思い出すね。で、必死に聞いたからなのかなんなのか、クラッシュのサウンドや雰囲気が自然に体に染み付いてくれて、気がついたら好きになっちゃってた。それがおいらとクラッシュの出会ったころだなぁ。で、メンバーをチョコチョコ変えながら、ライブハウスや学園祭など、4~5回ライブをやった。パンクは単純に気持ちよくなれるのがイイ。やるのも、聞くのも頭使わなくっていいし。ときどき、映画のBGMやCMソングに使われることもあって、不意にクラッシュの音が聞こえたりすると、思わず表情がゆるむ。そんな感じの好き具合。おいらのエフェクターボードには『ロンドンコーリング』のステッカー貼ってあるのだよ!
クラッシュはパンクの王道に数えられるストレートなバンドのイメージがあるかもしれないけど、スカやレゲエのリズムを取り入れたり実験的なサウンドがたまに登場する辺りが憎いね。またセックスピストルズが「カンケーねーぜ」「ぶち壊せ!」と叫ぶ一方で、クラッシュは政治的なメッセージを盛り込んで「俺たちは何と戦えばいいんだ?」と、熱く歌い上げている辺りも、グッとくるね。うん。
好きな曲は『ホワイトライオット』『ロンドンコーリング』『反アメリカ』『I Fought The Law』とかかな。他にも一杯あるけど、曲名しらねーや。…って、ファン失格だな。アルバムなら「白い暴動」かな。なんか一番イキオイがある気がするし。でも、まず1枚目に買うならベスト盤がいいね、多分。有名な曲が一杯入ってるから「これもクラッシュの曲だったのか!」なんて感動もあるかもね。
リーダーのジョー・ストラマーはもう死んじゃったけど、彼をリスペクトするアーティストは数多い。おいらも、それほどクラッシュに詳しい訳じゃないけど、その一人っていうことになるのかな。MICKEYには「キャプテンの作る曲って基本的にパンクっぽいですよね」ってこないだ言われたし…。ヘヴィなリフで曲を組み立てても、構成がパンクっぽくなっちゃうんだよね、自然とさ。コピーバンドを経験すると、やっぱりそのアーティストのイズムが体の中に残るものなんだ。
クラッシュは、音楽に行き詰まった時に自分の原点を見つめなおすべく聞く音楽って感じだろうか。っていうことで『♪ぼくパンクロックが好きだ!』。