苦痛感や不安などが押し寄せてくる。それでも前に
進もうとするが、その先に何か素晴らしいものがある。
そのものを見たいために、僕はこんな山奥まで入り
こんできたんだ。汗も流れて意識ももうろうとしてきた。
汗を拭いてもなだれ込んでくる。目の前がポーとかすれ。
汗が目の中に入り込んで、痛い。手で拭いたり、こする。
30分もすると目の前の景色がまばゆいほど光ってくる。
山の頂の近所までくると。
僕だって、山を登ったんだと達成感を抱いてします。
山登りの連中は一つの目的しかないんだ。
その中でツライことも汗も流れて、お互いを助あいながら
山の頂にすすんでいく。「僕は分かるんだ。」
山の男は一つのキズナで結ばれているんだ。これは一種、
大水に流されいると、人を助け手と手でむすばれているんだ。
一握の手を放れると生死がどうなるか分からない。
山を登る同志は、心のきずなで結ばれているんだ。
すれ違えばあいさつもする。こまっていれば助もする。
こんな気持ちは山に登った者でなけりゃ分からない。
楽しいことも苦しい時に、お互いに分かちあって。
楽しいことを共に喜んだ。
山の頂上に上がってしまうと、歓喜をあげて叫んだ。
人間が本当に嬉しいことは恥も外聞も投げすてて
ぼくに大好きなものがある。
「やったぞ」と叫んだ。
山登りをするのは本当に好きなんだ。
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