MON CAHIER CAPRICIEUX

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「黒衣の女」

2012-11-23 12:23:49 | 英文学と英国旅行
ブクマさせていただいている『英国女流小説館』様にて,
今月の一押しとなっております^^


「黒衣の女 ある亡霊の物語」1983年
スーザン・ヒル著,河野一郎訳/早川書房

『広大な沼地と河口に面し,わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。
 その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。弁護士のキップスは,
 亡くなった老婦人の遺産整理のため,館にひとり泊まりこむことになる。
 だが立ちこめる霧があたりを覆うと,想像もできなかった怪奇が襲いかか
 った……
 孤立した館にしのび寄る恐怖をじっくりと描きあげ,伝統ある英国
 ゴースト・ストーリーの歴史に新たなページをひらいた傑作。
                         (文庫裏表紙より)』


友人Nが前に上川隆也さんの舞台を観たって言ってたので,物語の存在は知っていました。

小説では,中年になった主人公のキップスが幸せをかみしめる現在の場面から始まります。
奥さんと子供たちに囲まれ,団らんのクリスマス・イヴ。
ただし,この奥さんは後妻。前の奥さんは若い頃に亡くしています・・・。

ふとしたことから若い頃の恐怖体験を思い出すキップス。
どうしても忘れられないこの恐ろしい記憶から解き放たれたいと,
こっそりと自分が体験した全てのことを文章に綴ることにします。
キップスが可哀想で最後ちょっと泣けたよ・・・。
感情移入したのかな。


舞台となっているのは,
「嵐が丘」や「ジェイン・エア」などのブロンテ姉妹の小説の風景に近いところ。
霧と冷たい空気と暗い洋館。英国ホラーですねぇwktk!!

怖いことは怖い。雰囲気とか期待通りだし,物語はとてもしっかりしてる。
文章なんでね,ゾクゾクとかビクッとかっていうのはなかったですが
小説家のルース・レンデルが
「「黒衣の女」を読んで以来,ベッド脇の明かりをつけたままでないと眠れない」
と言っているとあとがきに書いてありました。
西洋人にはやっぱりこういうのが怖いのかなぁ。日本人も日本の幽霊想像する方が怖いもんね。
あ,でも,沼でヤバくなる場面はめっちゃドキドキしました。


キップスが町で出会った人の邸宅を訪ねるところで
「どことなくジェイン・オースチンの小説に出てくる人物が住んでいそうな感じ」
って表現があって,思わずページ折り目つけちゃいましたw

12月1日から,ハリーやってたダニエル・ラドクリフ主演で映画が公開されます。
なんかそのエンディングには原作者は満足していないらしい。
原作が改変されている部分も多いみたい。
でも観客には好評な映画だそうです。沼と館は見てみたいかも。
音があると怖い物語ですよ。



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>画像  「黒衣の女」イメージ
     PSE。

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