本人のブログにもあるように、今回の作品をもって所属の甘城美典が、いったん劇団を休団することになりました。
今回の脚本を書く前から、甘城の休団は決まっていました。
今から7年前、出版された初期の代表作「ノスタルジック・カフェ」で彼女はブルタクの舞台にはじめて立ちました。
そのときは、御舘田と親子役でした。
御舘田演じる主人公がタイムスリップする設定なので、親子と言っても同い年の22歳を演じました。
それ以来、甘城と御舘田は、今年新しい女優が入団するまでずっと女2人で頑張ってくれました。
今回、彼女が劇団を離れることが決まった時「甘城と御舘田をダブル主演にする」というのは心に誓っていました。
そして考えに考えたあげく生まれたのが
「同一人物を演じさせる」ということでした。
もう当分、青田と御舘田の顔なんか見たくないと思わせるくらい、徹底的にいじめてやろうと思いました。
それが僕なりの彼女の送り出し方でした。
最後だからって優しくだけはしたくなかった。
甘城が抜けるのはものすごく痛い。
僕は彼女を育ててきたという自負もある。
でも彼女は芝居から去る決意をした。
だったら、と僕は鬼になった。
彼女への最高のはなむけは、徹底的にキツい役を与えてしごくことだった。
僕はとうとう千秋楽まで主役の2人を一度も褒めなかった。
脇役がセリフを間違えても「主役の集中力が足りないからまわりが間違えるんだ」と叱った。
御舘田は、僕の気持ちを知ってるから耐えてくれた。
甘城は、最初は「なんでここまで」みたいな気持ちがあったかもしれない。
でももともと根性だけはある女なので、最終的には素晴らしい和歌子を創り出してくれた。
クライマックス。
2人が本気で往復ビンタを食らわせるシーン。
本番で本気で殴るかどうかを最終的に決めたのは2人だった。
そして僕は演出家として決断した。
彼女への最後の演出は「本気で殴れ」だったのだ。
なんてひどい演出家(笑)。
千秋楽をご覧になった方、カーテンコールの彼女の涙はそういうわけだったのです。
打ち上げで、御舘田が手作りの切り絵と、みんなで書いた寄せ書きを渡した時、甘城はまるで小学生のように泣きました。
そして僕は、最後の最後で彼女を褒めてあげました。
ほんとはもっと早く褒めてあげたかったんだよ、ミノリ。
彼女が戻ってくるかどうかはわかりません。
でも戻ってきたら「ダブルキャスト」の再演やりたいですね。
もう一度、親友の御舘田と。
彼女はブルタク初期の代表作「ノスタルジック・カフェ」で劇団デビューし、
そして「歴代No.1」という声の上がった「ダブルキャスト」で去っていきます。
僕は今、彼女を心から誇りに思います。
そしてこの場を借りて、彼女を応援してくださった皆様に心からお礼を申し上げます。
彼女の新しい人生に幸あれ。
今回の脚本を書く前から、甘城の休団は決まっていました。
今から7年前、出版された初期の代表作「ノスタルジック・カフェ」で彼女はブルタクの舞台にはじめて立ちました。
そのときは、御舘田と親子役でした。
御舘田演じる主人公がタイムスリップする設定なので、親子と言っても同い年の22歳を演じました。
それ以来、甘城と御舘田は、今年新しい女優が入団するまでずっと女2人で頑張ってくれました。
今回、彼女が劇団を離れることが決まった時「甘城と御舘田をダブル主演にする」というのは心に誓っていました。
そして考えに考えたあげく生まれたのが
「同一人物を演じさせる」ということでした。
もう当分、青田と御舘田の顔なんか見たくないと思わせるくらい、徹底的にいじめてやろうと思いました。
それが僕なりの彼女の送り出し方でした。
最後だからって優しくだけはしたくなかった。
甘城が抜けるのはものすごく痛い。
僕は彼女を育ててきたという自負もある。
でも彼女は芝居から去る決意をした。
だったら、と僕は鬼になった。
彼女への最高のはなむけは、徹底的にキツい役を与えてしごくことだった。
僕はとうとう千秋楽まで主役の2人を一度も褒めなかった。
脇役がセリフを間違えても「主役の集中力が足りないからまわりが間違えるんだ」と叱った。
御舘田は、僕の気持ちを知ってるから耐えてくれた。
甘城は、最初は「なんでここまで」みたいな気持ちがあったかもしれない。
でももともと根性だけはある女なので、最終的には素晴らしい和歌子を創り出してくれた。
クライマックス。
2人が本気で往復ビンタを食らわせるシーン。
本番で本気で殴るかどうかを最終的に決めたのは2人だった。
そして僕は演出家として決断した。
彼女への最後の演出は「本気で殴れ」だったのだ。
なんてひどい演出家(笑)。
千秋楽をご覧になった方、カーテンコールの彼女の涙はそういうわけだったのです。
打ち上げで、御舘田が手作りの切り絵と、みんなで書いた寄せ書きを渡した時、甘城はまるで小学生のように泣きました。
そして僕は、最後の最後で彼女を褒めてあげました。
ほんとはもっと早く褒めてあげたかったんだよ、ミノリ。
彼女が戻ってくるかどうかはわかりません。
でも戻ってきたら「ダブルキャスト」の再演やりたいですね。
もう一度、親友の御舘田と。
彼女はブルタク初期の代表作「ノスタルジック・カフェ」で劇団デビューし、
そして「歴代No.1」という声の上がった「ダブルキャスト」で去っていきます。
僕は今、彼女を心から誇りに思います。
そしてこの場を借りて、彼女を応援してくださった皆様に心からお礼を申し上げます。
彼女の新しい人生に幸あれ。