クラムとジジイの泣き笑い

一人暮らしのジジイが、Mシュナを飼う事にになった。小型犬故、寿命は、20年か?私は90歳まで長生きしなければいけない。

老人性乖離25(荒金均の場合)

2013-04-19 06:12:13 | 日記
暑さに弱いクラムの散歩には、冷水の携行が必須条件になって来ま
した。
クラムは、ウワバミの如く、水を飲みます。
だから、容器を大きくしようかと考えています。

老人性乖離
春菜は納得せず、聖は、父と母の間に生まれた子である。アンタのDNAは一個も入っていないのよ。アンタはトロイから騙されていたの。産み月を計算してミ、合わないでしょう。顔つきだって違う。アンタの眼は線香だけど、聖の眼は大きくて、パッチリしている。父にソックリよ。それが、何よりの証拠です。だから、保険金の唯一の相続人は自分だと言うのだ。「春チャン、人には、決して口外してはならない事が、一つや二つはあるものだ。それを、ワザワザ白日の下に晒しておもしろいか。亡くなった人を冒涜する事になるゼ」均には、最初から判っていた。騙されたふりをしながら、実子として育てる決心をしていたのだ。保子も、そんな均のオオラカさと優しさを謙虚に受け入れ、互いに“聞かない、明かさない”を貫く公然の秘密だった。「君はお母さんの遺言を、無視するのか。」均は説いた。君にも祖父母も、オジ、オバ、イトコもいるのだヨ。一度だってあったことはあるかい。ないだろう。何故だと思う。全部、お母さんが起こした、借金地獄のせいだ。そのせいで、友人と叔母さんが離婚したのだ。そして、ついには、絶縁されるにいたった。保子はズーット気にしていてネ。何年かかっても借金は必ず返す。そして許しを請い、父母に聖の顔を見せたいと願っていたのだヨ。


老人性乖離 25(荒金均の場合)

2013-04-18 08:35:30 | 日記
クラムが砂浜で、お座りした所に枯葉がのぞいていました。まるで
チンコにみえます。立派な、チンコです。
♀から♂に性転換しました。


老人性乖離
間もなく、保険金は下りる。今更、受取人を書き換えるのも、時間の無駄だ。「保険金が、出たら春チャンに、そのまま渡すから、保子の借金を清算してくれるかい。」肉親の死が生み出して出してくれた金を、ミスミス取られてたまるか、と言う春菜の気持ちからくるイチャモンだろうと、均は理解した。しかし春菜は「妻の借金を返済するのは亭主の役目」と切り捨て、一千万は、自分のものだから、何に使おうが、自分の勝手である。私の意見が通らないのであれば、出る処へ出るぞというのである。これには、温厚な均も顔色をかえた。春チャン、それは、理屈が合わないよ。だいいち、保険金で借金を返せと言うのは、保子の遺言だぜ。それに、この保険は、元々、そういうために設定したのだよ。それに、遺産を相続するということは、当然、負の遺産も受け継ぐと言う事なんだ。それが、嫌なら、相続を放棄するしかないね。裁判でも、何でも、起こしてご覧、春チャンには百%勝ち目はないよ。恥をかくのは、春チャン一人だぜ。均は口角泡を飛ばして力説した。

老人性乖離23 (荒金均の場合)

2013-04-17 09:52:59 | 日記
今日は雨です。
6:30頃から降り出しました。
その前に、散歩を終えていましたから、濡れずに済みました。
続いていた乾燥注意報も解消するでしょう。

老人性乖離
納骨を済ませ、「形見分けをしたい、僕の嘱託契約も後一年になった。来年の3月一杯で此処を引き払うので、君がいらなければ、総て処分する。」旨を、春菜に連絡を取った。春菜は「丁度良かった。」と、仏頂面をして渋々やってきた。そして、選別しながら言うのには、「私、結婚するの。」卒業と同時に結婚し、新しい戸籍で、新生活をスタートしたいのだそうだ。驚いて、「誰とだ。」と聞くと、「アンタの知ったことじゃない。」と端から聞く耳を持たない態度だ。式は、どうするのかと聞くと、届だけで済ます。相手が勘当同然なので、それでいいのだそうだ。「大丈夫かい。そんな相手と結婚して生活が成り立つの。」「アンタには関係ないでしょう。」と、闘争モードだ。春菜は一日でも早く、均の呪縛から、逃れたかったのである。それには、除籍が一番だ。結婚して相手の籍に入れば、簡単だ。そうなれば、明日からも、完全に他人なのだから、街で会っても簡単に声をかけないでくれと、ダメ押しされてしまった。次に春菜は保険金はどうしたと聞く。車両保険は、保険料の払い込みが完了していないから、契約は成立していない。保険金の請求等できる筈もないのだ。春菜は、一年分の保険料をも保子に手渡していたので、均がネコババしたのではないかと、思ったらしい。「あゝそれなら保子の財布にソックリあるから持って帰るといい。」「生命保険は無いの。有るでしょう。」と更に聞く。どうやらこれが本命らしかった。聖を受取人にして、保子に一千万の保険をかけていた。これは保子が親戚に借金している額に相当する。もし、保子に万が一の事があれば、聖に受け取った保険金で支払ってもらうための算段だった。聖は死んだ。誰が受け取るのかと問う。契約書には第二受取人として均の名前が記されていた。「ぼくだよ。」答えると、それに対して、疑義があるという。疑義と言はれても、契約は有効だし、保険料も均が払い続けてきた。だが、春菜は、聖と唯一血が繋がっているのは、自分だけだ。だから、保険金の正当な受取人は自分だし、母親の資産は、直属の自分しか相続できない筈だとも主張するのだ。均は争う気もしなかった。

老人性乖離22(荒金均の場合)

2013-04-16 06:13:12 | 日記
クラムは友好的な犬です。誰でも友達と思っているものだから、危険な犬にも、近づいて行き噛まれたことが何度かあります。ミニ
シュナの特徴かもしれません。公園で会う、同種の犬は15~16匹い
ますが、どの犬も喧嘩はしません。ところが、昨日街角で見たミニシュナは違っていました。猛々しく喧嘩早いやつでした。どこにでも、出来損ないはいるものです。

老人性乖離
人の命は果かないものと言うが、あっけない別れであった。均はまた一人暮らしに戻った。勤務を終えて帰宅しても暗く寒々とした部屋が待っているだけである。明かりをつけると、いつも、保子が座っていた鏡台が、疲れ果てた老人を写し出してていた。鏡とは判らず、誰か一緒に入ってきたのかと思い振り返って見ても、誰もいない。目を凝らして老人を見て見詰めると、それは、鏡の中の均自身だったのです。「これはいけない。まるで希望を失った老人ではないか。」この団地でも、老人の孤独死が6件相次いでいた。総てが60代の男性である。これに、つい最近50代の男性も仲間入りした。男は、脆く弱い者だ。団地の入居条件は、ひと頃の様に敷居が、高くなかった。空き部屋だらけで、一家で2部屋、3部屋と借り受ける人も増えていた。それでも、空き部屋は埋まっていない。ために、入居条件が緩和されたのだろう外国人でさえ入居している有り様だ。相次いで孤独死した7人もここ4~5年の間に東北各地から流入してきた人たちだった。離婚の果てや、家業の行きづまりで故郷を捨て、一人住まいの道を選んだ。そして生活費の枯渇からの餓死が4人、病死が3人だった。均の行く末を連想させる事件だ。隔絶された箱の中で朽ち果てて行くのは、あまりにも寂しい。どうせなら、友人たちに看取られて旅立ちたい。故郷には、無人になった我が家が待っている。帰ろうと決心した。。

老人性乖離 21(荒金均の場合)

2013-04-15 08:00:22 | 日記
今朝、ウヲーキングの途中で、翡翠を見た。コンクリートの土手
で、休んでいた。橋の上から、5mの近距離だった。目の覚めるよ
ような、鮮やかなブルーは、まさに、空飛ぶ宝石だ。それにしても
こんな海岸で、餌は海の魚なのか。吃水域に川魚でもいたのだろうか。以前、勤務地の廃棄された処理池のカエルやイモリを捕りに来るのを何度も見たが、海岸では初めてだ。それにしても、朝から縁起がいいワイ。

老人性乖離
2004年2月4日、均に内緒の中古車が、保子の元に納車された。サッカークラブへ通い出した聖の送迎用と、自らの買い物用に車が欲しいと、均にねだったのだが、まだ、保子が借りた、借金が、完済されていなかった。詐欺まがいの行為が疎遠の基になっていて、友人、知己への借金は、ほぼ終了していたのだが、後回しになった、親戚縁者のぶんは、その途上にあった。俺ッチのような貧乏所帯に車2台は贅沢だと言はれれば、引き下がるを得ない保子だった。そんな話を聞きつけた、春菜は、そんなら私が、買ってあげると、乗り出してきた。保子は、頑なに断ったが「お母さんのためじゃない、聖に買ってあげるの」と言はれると受け入れざるをえなかった。それでも、どうにか、新車だけは回避できた。そして、運命の2月6日をむかえた。その日、聖が出発準備に手間取り集合時間に間に合いそうになくなった。保険の支払いを、終えるまで運転するつもりは、なかったが聖にせがまれて、渋々、車を運転する羽目となり、それが二人の死に繋がると思いもしなかった。検証の結果は、脇から飛び出してきたバイクを避けようとして、ブレーキとアクセルをまちがえたらしい。高さ8㎝の縁石を、乗り越え、緩やかな法面を暴走して居住棟の壁に激突したのだ。大破した車の中で、二人は即死していた。目撃者の話によると、バイクは、通行人専用の幅60㎝の通路から、猛スピードで、飛び出し、走り去ったと言う。保子は、初めて乗る車に慣れていず、咄嗟のの操作を誤り、無残な死を遂げるに至った。冬の兆しが、まだまだ厳しい冬の朝であった。













































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