NOBUの独り言

暇にまかせて、つまらないことを呟いています。

赤い屋根

2023-01-18 11:50:34 | 日記

福島県の会津地方に行くと、赤い屋根の民家が目立つ。トタン屋根で、茅葺屋根のような懐かしさは無いものの、その赤い屋根はなんとも旅情をそそる。今回アップしている版画も奥会津の風景である。

 

なぜ赤い屋根なのか? 太陽光の熱を吸収しやすい、さび止めの効果がある、安価である等種々の説があるようだが、雪の多い地方では赤い屋根の民家がよくあるようだ。島根県の石州瓦も赤い色だが、焼成温度が1200度以上と高いため凍害に強く、日本海側の豪雪地帯や北海道などの寒冷地方で多く使われているらしい。

 

屋根を見るのは面白いが、日本の屋根は多様である。民家に多い茅葺屋根、樹皮を使った檜皮(ひわだ)葺き、薄い板を使った杮(こけら)葺き、重厚な感じの瓦屋根、珍しいものでは石屋根もある。

 

屋根の形の美しさから言えば、何といっても神社仏閣の屋根であろう。檜皮葺きや瓦屋根が多いが、清水寺本堂(檜皮葺)や東本願寺太子堂(瓦屋根)等その重厚さ、曲線の美しさは見事だ。

 

茅葺屋根は昔の民家の代表的なものであるが、その茅葺屋根にもいろいろな形がある。南部の曲り家、白川郷の合掌造りは有名であるが、ほかにも兜造り、つのや造り、中門造り、切り落としセガイ造り、押し上げ二階造り等その形は多様である。しかし、その茅葺屋根も今はわずかに残るのみ。写真や絵画の中でしか見られなくなってきているのは悲しいことだ。

 

山本俊成の木版画です