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”気ままな…ホルン道楽”

ゲシュトップキーとは。

ベルの中に右手を突っ込んで、ちょっと鼻づまりみたいなって言うか、ヴイ〜と金属音みたいな音色を出す奏法をゲシュトップ奏法と言います。ただ突っ込むわけではなく手のひらで塞ぐってイメージです。普通、右手をベルに少し入れると音程は下がるのですが、塞いでしまうと管(くだ)の長さを短くしたのと同じような効果で音程は高くなります。どのくらい高くなるかと言うと、一般的なF管のホルンなら半音上がります。なので、指使い(指運)は半音下げて演奏します。例えば、ソの音を出そうと思ったら、ファ#の指運にします。慣れないと厄介です。もっと厄介なことがあります。
近年では高音域がより確実に(音が外れにくい)出るようにと、(F管より少し短め)のB♭管が普及しています。F管/B♭管のダブルホルンならゲシュトップ奏法の時はF管に切り替えてやれば問題なのですが、B♭管では困難です。なぜなら、ベルを塞ぐと半音よりも音程が上がってしまいます。半音を1/2=6/12とすると、B♭管でのゲシュトップは2/3〜3/4、すなわち(8〜9)/12も高くなるのです。F管ゲシュトップとの差は(2〜3)/12です。おおまかに言えば、半音よりさらに1/6音ほど高くなるわけです。つまり理屈上からは半音よりもさらに1/6低い指使いが求められるわけです。そこで登場したのが、表題あるゲシュトップキーです。これを使うと、理屈通りの分だけ長い管になるので、特に頭で読みかえずとも、右手でふさげばOKというわけです。


ここからは余談です。ちなみに私が最近木管アンサンブルで愛用しているのはアレキサンダー107V(B♭管/ハイF管デスカント)です。ゲシュトップ管は連結構造になっていて、下駄の部分を外して短くするとちょうど半音下げることもできます。B♭管がA管ホルンのように扱うことができます。なかなか便利です。

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