アナと雪の女王見ました。
ふんわり、アニキがもしこれを見たらこう思うんじゃないかな?って妄想したので、書いてみました。
かなり登場人物とか辛辣に酷評してますが・・・・・・嫌いなわけではないですよ?
ただ、おとぎ話感満載すぎて、納得いかない箇所も多々あったんで、アニキに代弁してもらってるところもあります。
あと、ネタバレな箇所も無きにしもらずなので・・・見て無い方はご遠慮下さい。
『なぁ、啓介。高校生との最初のデートは何が相応しいかな?』
そんなDQNな質問をしてきたのは、地に堕ちたカリスマこと俺のアニキ、高橋涼介だ。
夏前のアニキは、多少世間知らずなところはあったけれど、カリスマだった。
地元の連中の間では有名な走り屋、頭脳も容姿もハイスペックな完璧な男。
そのアニキが地に堕ちた理由は一つ。
それは恋だ。
アニキは夏に恋をした。
突然現れた、見た目ぼーっとし男子高校生に恋をした。
そいつに恋をした途端、完璧な男はDQNな男になった。
薔薇の花束で挑戦状とか・・・。
全身白スーツが勝負服とか・・・。
ああ、俺は分かってるよ、アニキ。弟だもの。
花言葉を調べまくって、薔薇が一番アニキの心を表現してたから贈りたかったからだとか。
白スーツはアニキの「あなた色に染まります」アピールだとか。
分かってる。
分かってはいるけど、ぶっちゃけ引いた。
そんなアニキのDQNな努力が実を結び、とうとうアニキは恋した男子高校生と交際できるまでに漕ぎつけた。
そして最初の言葉が出てくるわけだ。
アニキの今までの男女交際歴は、主に夜の活動が一般的だ。
はっきり言ってしまえば、アニキは真っ当な男女交際をしたことが無い。
デートはセックスの付属でしかなく、ドライブなど持ってのほか。
食事して、そのままホテルコースが常だ。
しかも全ての支払いを相手持ちだとか・・・・・・アニキサイテー。
何はともあれ、そんなアニキがいざ真っ当な男々交際をしようとした時に、デートってものが分からなくなってても仕方がない。
俺はため息を吐きながら、アニキに「普通」を教えた。
『やっぱ最初は映画とか見るのがいいんじゃね?恋愛映画みたいの見て、盛り上がったらちゅーとか出来るかもよ』
相手が高校生だし、こんなところかなとアドバイスした。
おまけついでに仲が進展するような事も付け加えた。
毎夜毎夜、欲求不満なアニキの自慰の雄叫びが大きくなっていくのに危惧を覚えていた為だ。
そのうち、爆発したアニキがあいつを押し倒して無理やりしそうで怖い・・・。
少しでも穏便に欲求不満が解消できるよう祈りを込めて、そんな事を伝えたのが昨日。
いよいよ今日が初デートと言う事で、何だか俺までそわそわしてきた。
初デートだから、夜遅くにはならないだろう予測を遥かに超え、アニキは夕方にはもう帰宅してきた。
アニキは難しい顔をしていた。
失敗したのかと思って、おそるおそる聞いたら、ある意味、失敗だったのだ。俺のアドバイスは。
現在、上映している映画を熟知してから答えてやれば良かった・・・・・・。
アニキたちが見たのはアニメーション映画だった。
某、イニシャルにDの付く会社の映画だ。
アカデミー賞も受賞したとかの話題作。
あいつがそれを見たいと言い、アニキが了承した。
アニキはアニメをほぼ見た事が無い。
アニキは自分が二次元的世界に良くいるテンプレなイケメンのくせして、二次元を好まない。
アニキにとって初アニメーションと言って良いだろう。
最近のアニメ、特に某イニシャルにDの映画はCGのクォリティがハンパ無い。
カメラワークも実写を超え、風景などの描写も実写よりリアルだったりする。
そんなアニメ音痴のアニキに、最新アニメ技術は脅威だったらしく・・・。
アニキはアニメを誤解した。
「啓介、あれは人形か何かを動かしているのか?」
難しい顔をしたアニキはそう言った。
一瞬、俺は何を言っているのか理解できなかった。
しかし、すぐに思い至り、首を横に振った。
「違ぇよ、アニキ。あれはみんな絵に描いたもんだ」
俺の言葉に、アニキはさらに難しい顔をした。
「・・・・・・絵、だと?しかし立体的だったぞ?」
「最近のアニメはCGだからな。立体的に見えるんだよ」
俺の説明に、最新CG技術で加工されたハリウッド映画などを思い出したのだろう。ようやくアニキは納得した顔で頷いた。
「・・・なるほど。奥が深い物だな、アニメーションとは」
俺にはアニキのそのDQNな発想の方が奥が深いけどな。
「んで、やけに帰り早かったけど、映画とかつまんなかったのか?」
またもやアニキの顔が険しくなった。
「面白い・・・面白くないと言うより、納得がいかなかった」
「は?」
ふぅ、とアニキはため息を吐き、あらすじを語った。
俺はそれを聞き、首を傾げた。
「別に変じゃねぇと思うけど・・・」
ぎん、とアニキが俺を睨んだ。
「変だろう。なぜ一般人が主となる世界に、いきなり魔法持ちの少女がいるんだ?魔法を持っている説明も一切無かった。その少女以外に魔法持ちはいないんだぞ?ならその説明責任は作品としてしっかり明言すべきだろう!」
・・・・・・いや、それだいたいファンタジーってそーゆーもんだし・・・。
「さらに、その少女が国全土が凍り付くような寒波をもたらした。それらを生み出すエネルギーはどこから生じたのか?理論的にあり得ない。あの少女は活火山と同じエネルギーを有しているのか?体内にジェットエンジン並みのモーターを百個でも備え付けているのなら別だが、あの少女の体内にそれらしきモーターは見当たらなかった。例えて言うなら、軽自動車にGT-Rが10台積んであるようなものだ。物理的にあり得ん」
3600馬力の軽自動車・・・。そりゃ確かに納得できないかも。
「また、あの凍て付く寒波だ。体力の劣る子供や高齢者は確実に命を落としているだろう。そんな無差別殺戮者であるはずなのに、結果として少女はお咎め無しな上に、国民から慕われている・・・。洗脳でもしているのか?恐ろしい、俺は無知蒙昧な国民を騙し、支配する女王の映画を見たのだな・・・」
いや・・・・・・だって、某イニシャルがD社の映画のモットーは「みんな幸せに暮らしましたとさ」であって、そんな恐ろしい犯罪の記録映画ではないからさ。
どうしてそんなあの緩やかファンタジー世界を曲解出来るんだ?
俺がファンタジー脳なだけなのか?
それともアニキが正しいのか?
混乱した俺は、話題を映画から変えようと、初デートの成果を聞くことにした。
「そ、それよりアニキ、藤原と何か進展できたのか?!」
聞いた瞬間、後悔した。
アニキから凍て付く寒波を感じたからだ。
アニキ曰くの、無差別殺戮者で洗脳し国民を支配する女王が発していたのと同じ寒波だ。
「・・・・・・人の心とは移ろいやすいものだな、啓介」
「は?!」
まさか、アニキ振られた?!!
「映画で、ヒロインの少女が、最初の婚約者からすぐに他の男に乗り換えていた・・・。まるで地下鉄の乗継のように、あっちがダメならすぐに次だ。おまけにその少女の性格は、落ち着きとは程遠く騒がしく、場の空気も読めず、白痴かと思えるほど思考力が欠如していた。俺がこの世で一番苦手な人種だった」
ま、まぁアニキ、ギャルとか嫌いだしな。まんまギャルの生態だもんな、そのヒロイン。
「だが、藤原はその白痴女を『かわいい』と評していた!あの、浮気性で高貴な身分とも思えない、騒がしい女をだぞ?!」
・・・・・・やべぇ。男子高校生。ギャルは嫌いじゃなかったか!!
「あ、アニキ、そんなの所詮二次元だから!かわいいとか、高校生の間じゃ口癖みたいなもんだから!思ってなくても取り敢えずカワイイとか言う年頃だから!!」
焦りすぎて何を言ってんのか分からなくなってきた・・・。
アニキは俺のフォローも空しく、がっくりと落ち込んだ。
「・・・俺は今回のデートで、せめて藤原とちゅーはしたかった・・・」
あ、やっぱちゅーしたかったんだ・・・。
「だが映画では、ちゅーは全て寸止めな上、最後は家族愛で大団円だ!おかげで藤原は『俺、家帰って親父に晩御飯作んないと』と言って帰ってしまった・・・」
うわぁ・・・。アニキ、親父に負けた!!
「恐ろしい・・・何て恐ろしい映画だ、アニメーションめ・・・。俺はアニメーションを克服するため、今からあらゆるアニメーションを研究する!」
・・・アニキが変な方向に進み始めた。
理系って研究好きだよな・・・・・。
俺には、何となくこの後のアニキが見えるような気がした。
予言してもいい。
アニキは・・・アニメに嵌まる。
そして藤原に似たキャラを、二次嫁と言い出すに違いない。
そうなったら俺はアニキにこう言うだろう。
『二次元だろうと、それは浮気だぞ、アニキ』
・・・・・・と。
きっと今夜もアニキの部屋から雄叫びが轟くだろう。
俺は耳栓の準備をし、そっと変な方向に燃え始めたアニキに背を向けた。
なんか色々すみません(^^;)
ふんわり、アニキがもしこれを見たらこう思うんじゃないかな?って妄想したので、書いてみました。
かなり登場人物とか辛辣に酷評してますが・・・・・・嫌いなわけではないですよ?
ただ、おとぎ話感満載すぎて、納得いかない箇所も多々あったんで、アニキに代弁してもらってるところもあります。
あと、ネタバレな箇所も無きにしもらずなので・・・見て無い方はご遠慮下さい。
『なぁ、啓介。高校生との最初のデートは何が相応しいかな?』
そんなDQNな質問をしてきたのは、地に堕ちたカリスマこと俺のアニキ、高橋涼介だ。
夏前のアニキは、多少世間知らずなところはあったけれど、カリスマだった。
地元の連中の間では有名な走り屋、頭脳も容姿もハイスペックな完璧な男。
そのアニキが地に堕ちた理由は一つ。
それは恋だ。
アニキは夏に恋をした。
突然現れた、見た目ぼーっとし男子高校生に恋をした。
そいつに恋をした途端、完璧な男はDQNな男になった。
薔薇の花束で挑戦状とか・・・。
全身白スーツが勝負服とか・・・。
ああ、俺は分かってるよ、アニキ。弟だもの。
花言葉を調べまくって、薔薇が一番アニキの心を表現してたから贈りたかったからだとか。
白スーツはアニキの「あなた色に染まります」アピールだとか。
分かってる。
分かってはいるけど、ぶっちゃけ引いた。
そんなアニキのDQNな努力が実を結び、とうとうアニキは恋した男子高校生と交際できるまでに漕ぎつけた。
そして最初の言葉が出てくるわけだ。
アニキの今までの男女交際歴は、主に夜の活動が一般的だ。
はっきり言ってしまえば、アニキは真っ当な男女交際をしたことが無い。
デートはセックスの付属でしかなく、ドライブなど持ってのほか。
食事して、そのままホテルコースが常だ。
しかも全ての支払いを相手持ちだとか・・・・・・アニキサイテー。
何はともあれ、そんなアニキがいざ真っ当な男々交際をしようとした時に、デートってものが分からなくなってても仕方がない。
俺はため息を吐きながら、アニキに「普通」を教えた。
『やっぱ最初は映画とか見るのがいいんじゃね?恋愛映画みたいの見て、盛り上がったらちゅーとか出来るかもよ』
相手が高校生だし、こんなところかなとアドバイスした。
おまけついでに仲が進展するような事も付け加えた。
毎夜毎夜、欲求不満なアニキの自慰の雄叫びが大きくなっていくのに危惧を覚えていた為だ。
そのうち、爆発したアニキがあいつを押し倒して無理やりしそうで怖い・・・。
少しでも穏便に欲求不満が解消できるよう祈りを込めて、そんな事を伝えたのが昨日。
いよいよ今日が初デートと言う事で、何だか俺までそわそわしてきた。
初デートだから、夜遅くにはならないだろう予測を遥かに超え、アニキは夕方にはもう帰宅してきた。
アニキは難しい顔をしていた。
失敗したのかと思って、おそるおそる聞いたら、ある意味、失敗だったのだ。俺のアドバイスは。
現在、上映している映画を熟知してから答えてやれば良かった・・・・・・。
アニキたちが見たのはアニメーション映画だった。
某、イニシャルにDの付く会社の映画だ。
アカデミー賞も受賞したとかの話題作。
あいつがそれを見たいと言い、アニキが了承した。
アニキはアニメをほぼ見た事が無い。
アニキは自分が二次元的世界に良くいるテンプレなイケメンのくせして、二次元を好まない。
アニキにとって初アニメーションと言って良いだろう。
最近のアニメ、特に某イニシャルにDの映画はCGのクォリティがハンパ無い。
カメラワークも実写を超え、風景などの描写も実写よりリアルだったりする。
そんなアニメ音痴のアニキに、最新アニメ技術は脅威だったらしく・・・。
アニキはアニメを誤解した。
「啓介、あれは人形か何かを動かしているのか?」
難しい顔をしたアニキはそう言った。
一瞬、俺は何を言っているのか理解できなかった。
しかし、すぐに思い至り、首を横に振った。
「違ぇよ、アニキ。あれはみんな絵に描いたもんだ」
俺の言葉に、アニキはさらに難しい顔をした。
「・・・・・・絵、だと?しかし立体的だったぞ?」
「最近のアニメはCGだからな。立体的に見えるんだよ」
俺の説明に、最新CG技術で加工されたハリウッド映画などを思い出したのだろう。ようやくアニキは納得した顔で頷いた。
「・・・なるほど。奥が深い物だな、アニメーションとは」
俺にはアニキのそのDQNな発想の方が奥が深いけどな。
「んで、やけに帰り早かったけど、映画とかつまんなかったのか?」
またもやアニキの顔が険しくなった。
「面白い・・・面白くないと言うより、納得がいかなかった」
「は?」
ふぅ、とアニキはため息を吐き、あらすじを語った。
俺はそれを聞き、首を傾げた。
「別に変じゃねぇと思うけど・・・」
ぎん、とアニキが俺を睨んだ。
「変だろう。なぜ一般人が主となる世界に、いきなり魔法持ちの少女がいるんだ?魔法を持っている説明も一切無かった。その少女以外に魔法持ちはいないんだぞ?ならその説明責任は作品としてしっかり明言すべきだろう!」
・・・・・・いや、それだいたいファンタジーってそーゆーもんだし・・・。
「さらに、その少女が国全土が凍り付くような寒波をもたらした。それらを生み出すエネルギーはどこから生じたのか?理論的にあり得ない。あの少女は活火山と同じエネルギーを有しているのか?体内にジェットエンジン並みのモーターを百個でも備え付けているのなら別だが、あの少女の体内にそれらしきモーターは見当たらなかった。例えて言うなら、軽自動車にGT-Rが10台積んであるようなものだ。物理的にあり得ん」
3600馬力の軽自動車・・・。そりゃ確かに納得できないかも。
「また、あの凍て付く寒波だ。体力の劣る子供や高齢者は確実に命を落としているだろう。そんな無差別殺戮者であるはずなのに、結果として少女はお咎め無しな上に、国民から慕われている・・・。洗脳でもしているのか?恐ろしい、俺は無知蒙昧な国民を騙し、支配する女王の映画を見たのだな・・・」
いや・・・・・・だって、某イニシャルがD社の映画のモットーは「みんな幸せに暮らしましたとさ」であって、そんな恐ろしい犯罪の記録映画ではないからさ。
どうしてそんなあの緩やかファンタジー世界を曲解出来るんだ?
俺がファンタジー脳なだけなのか?
それともアニキが正しいのか?
混乱した俺は、話題を映画から変えようと、初デートの成果を聞くことにした。
「そ、それよりアニキ、藤原と何か進展できたのか?!」
聞いた瞬間、後悔した。
アニキから凍て付く寒波を感じたからだ。
アニキ曰くの、無差別殺戮者で洗脳し国民を支配する女王が発していたのと同じ寒波だ。
「・・・・・・人の心とは移ろいやすいものだな、啓介」
「は?!」
まさか、アニキ振られた?!!
「映画で、ヒロインの少女が、最初の婚約者からすぐに他の男に乗り換えていた・・・。まるで地下鉄の乗継のように、あっちがダメならすぐに次だ。おまけにその少女の性格は、落ち着きとは程遠く騒がしく、場の空気も読めず、白痴かと思えるほど思考力が欠如していた。俺がこの世で一番苦手な人種だった」
ま、まぁアニキ、ギャルとか嫌いだしな。まんまギャルの生態だもんな、そのヒロイン。
「だが、藤原はその白痴女を『かわいい』と評していた!あの、浮気性で高貴な身分とも思えない、騒がしい女をだぞ?!」
・・・・・・やべぇ。男子高校生。ギャルは嫌いじゃなかったか!!
「あ、アニキ、そんなの所詮二次元だから!かわいいとか、高校生の間じゃ口癖みたいなもんだから!思ってなくても取り敢えずカワイイとか言う年頃だから!!」
焦りすぎて何を言ってんのか分からなくなってきた・・・。
アニキは俺のフォローも空しく、がっくりと落ち込んだ。
「・・・俺は今回のデートで、せめて藤原とちゅーはしたかった・・・」
あ、やっぱちゅーしたかったんだ・・・。
「だが映画では、ちゅーは全て寸止めな上、最後は家族愛で大団円だ!おかげで藤原は『俺、家帰って親父に晩御飯作んないと』と言って帰ってしまった・・・」
うわぁ・・・。アニキ、親父に負けた!!
「恐ろしい・・・何て恐ろしい映画だ、アニメーションめ・・・。俺はアニメーションを克服するため、今からあらゆるアニメーションを研究する!」
・・・アニキが変な方向に進み始めた。
理系って研究好きだよな・・・・・。
俺には、何となくこの後のアニキが見えるような気がした。
予言してもいい。
アニキは・・・アニメに嵌まる。
そして藤原に似たキャラを、二次嫁と言い出すに違いない。
そうなったら俺はアニキにこう言うだろう。
『二次元だろうと、それは浮気だぞ、アニキ』
・・・・・・と。
きっと今夜もアニキの部屋から雄叫びが轟くだろう。
俺は耳栓の準備をし、そっと変な方向に燃え始めたアニキに背を向けた。
なんか色々すみません(^^;)