千葉県長南町地引・八坂行堂の行堂、百八社参り札
ここに案内する行堂(ぎょうどう)は、出羽三山をお参りする人たちが集落に建てたお堂です。房総には出羽三山に出かける前のお籠りや、八日講などと呼ぶ行事を続けているところが沢山あり、長南町地引の八坂行堂もその一つです。お籠りは行屋に泊り飲食や行動を慎み、心身を清めること。八日講は出羽三山の登拝する講の呼びかたで、三山講、奥州講などするところもあります。
集落内の狭い路地を登った先に建つ行堂は民家風ですが、室内に祭壇を作り出羽三山を御祀りしています。出羽三山に出かける前にはここに籠って身体を清め、毎月の8日にはここで地域の安全や五穀豊穣を祈願するそうです。
行堂の先には出羽三山の供養塔が3基立っています。いずれも中央に「月山」脇に「羽黒山/湯殿山」銘。「大神」となっているので、明治以降の造立です。中央に湯殿山があるのは江戸時代も造立です。
供養塔に貼られているお札「奉拝札三山大神百八社/護国豊穣/家内安全/所願成就」は百八社参りのもの。これは出羽三山から帰った後、近隣の行堂や出羽三山供養塔を廻って報告するお札です。
(地図は国土地理院ホームページより)