偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏170青麻山(宮城)

2008年11月14日 | 登山

青麻山(あおそやま) 青麻権現(あおそごんげん)

170 【データ】青麻山 799メートル▼25000地図 白石▼最寄駅 JR東北本線・白石駅▼登山口 宮城県蔵王町宮字下別当▼石仏 青麻山山頂

1701 【案内】青麻山山頂の石祠に神名はなく地元の確認もとれなかったので、ここでは山名をとって青麻権現として案内する。青麻権現は仙台市宮城区岩切に鎮座する神で、中風防止、海上安全、養蚕守護としてその信仰は近隣の県から関東にまで広まった。『蔵王町史』によると青麻山山麓にもこの神を信仰する組織があり「青麻山に青麻神社が勧請されたのは江戸時代中期」としている。同書には「青麻山はからむし山とも呼ばれ、山麓の農家では青苧(あおからむし)をこぞって栽培した」とある。これは青麻山神社が勧請されたころの話しで、養蚕守護の青麻権現は青苧の成長も約束した神なのであろう。苧はイラクサ科の多年草。この茎の皮からつくる繊維を織ったものが、当時の庶民の衣類の主流だった。登山口は下別当だが、車なら山頂の南東にある460メートルの電波塔が立つピークまで行ける。この山はかつて大刈田山とも呼ばれ、刈田嶺神社が祀られていた時代もあった。その神社、いま蔵王町宮に鎮座している。

1702 【独り言】白鳥大明神(しらとりだいみょうじん) かつて青麻山に祀られていた蔵王町宮の刈田嶺神社は明治になって改称したもので、旧名は白鳥大明神。この扁額が刈田嶺神社の随身門にかかっていました。日本各地にある白鳥伝説は、日本神話の日本武尊(やまとた1703 けるのみこと)が伊吹山の神との戦いに傷つき、伊勢国の能褒野で亡くなって白鳥になったという話が元になっているようです。刈田嶺神社の伝承は「日本武尊がこの地に留まったとき奉仕した女性が、尊が帰ったあと男子を出産。この赤子の非凡さを恐れた人達が川に捨ててしまう。すると赤子は白鳥になって飛び去った。しかしその後、天災1704 や疫病が続き、神のたたりと悟って白鳥が飛び去った山に神祠を建立した」(蔵王町史より)というものです。その場所が青麻山だそうです。刈田嶺神社の奥には白鳥を供養した石碑がありました。以前、福島県阿武隈山系の口太山の山麓で「白鳥宮」=写真下=という石碑を見ましたが、青麻権現と白鳥大明神が一緒に祀られていれば、それは蔵王町の青麻山から勧請かれた可能性があります。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 蔵王地蔵尊 | トップ | 石仏171鞍掛山(福島) »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。