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偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏126口太山(福島)

2008年02月03日 | 登山

口太名(くちぶとやま) 雨降神社(あふりじんじゃ)

126  【データ】口太山 標高843メートル▼25000地図 川俣▼最寄駅 JR東北本線・福島駅▼登山口 福島県川俣町大綱木の不動坂▼石仏 口太山石尊神社コースの中腹

1261  【案内】関東には石尊山という名の里山が多く、だいたい山中に石尊神社を祀っている。石尊神社は神奈川県丹沢の大山に鎮座する阿夫利(あふり)神社を指す。雨降山とも称された雨乞いの山でもある。この山の神が近世には福徳防災の神としても信仰された石尊大権現で、各地に勧請された結果、多くの石尊山が誕生した。神の像容はなく、ほとんどが石祠である。しかし丹沢の大山もそうだが、石尊山には不動明王の石仏が祀られることが多い。かつて大山の中心であった大山寺の本尊は不動明王、修験の道場であった。この道場に関係する修験者や御師によって信仰が広まった。丹沢の大山の信仰圏は関東である。関東以外でも静岡・福島・山梨・長野などにも広まったことが知られている。口太山がある福島の阿武隈一帯で石尊社は、この山以外にまだ見ていない。口太山の石尊神社は山頂直下の岩の下にあり、「石尊神社」の文字塔は神社がある急峻な尾根の中腹にある。登山口は不動坂という集落である。

1262 【独り言】百目木 口太山から流れ出る口太川は二本松で阿武隈川に注ぎます。その中ほどに百目木(どうめき)という街があります。葉山と天皇山に挟まれた口太川に沿う谷間の細長い街です。ここは母の里で、実家は街中で酒屋を営んでいます。実家の前の路地を抜ける1263_2 と口太川で、子供のころ帰ってはこの川で遊びました。そして、実家に帰るたびに、百目木という地名が不思議でなりませんでした。これが解決したのは登山を始めて地名に興味をもつようになってからでした。柳田国男の『地名の研究』(定本柳田国男集20、筑摩書房)には、「ドウメキ、ザワメキ、ガラメキなどはもと水の音を形容した地名であるが、瀬の早い川の岸に在る又は田畑で百目木、澤目鬼などゝ云ふ例は幾らでもある」と、解説されています。たしかに柳田のいう通りで、その後、阿武隈の山間部で同じ呼び名の地名に何度か出会いました。いずれも流れの速い川の側の集落でした。写真下は口太山からみた阿武隈川方面。

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