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偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏番外 御大師山(北海道)四国八十八ケ所本尊、大通智勝仏

2019年09月30日 | 登山

御大師山(おだいしやま) 四国八十八ケ所本尊(しこくはちじゅうはちかしょほんぞん)、大通智勝仏(だいつうちしょうぶつ)


【データ】 御大師山藻岩山 114メートル(国土地理院地図に山名なし。栗山公園北の114.8三角点)最寄駅 JR室蘭本線・栗山駅登山口 北海道栗山町桜丘の栗山公園石仏 御大師山の山麓から山頂にかけての広範囲、地図の赤丸印地図は国土地理院ホームページより

【独り言1】 四国八十八ケ所本尊 9月中旬、やぶ蚊に刺されながら歩いた北海道里山の石仏案内です。栗山の街の北にある御大師山の花山法皇と仏眼上人の石仏は、このブログの石仏874御大師山で案内しました。今回はその先にある四国八十八ケ所の各お寺の本尊石仏です。それは御大師山全体に置かれています。弘法大師とセットになったものあり、入口の案内では、明治44年に信者の篤志により、石仏の間隔を11里とした、四国本山の距離を2160分の1に縮尺して立てたものだそうです。


 八十八ケ所では複数を本尊とする寺があるので正確ではありませんが、一番多いのが薬師如来の23か寺。次いで千手観音12、十一面観音11、阿弥陀9、大日7、釈迦5、地蔵5、聖観音4、不動4、虚空蔵3、そして弥勒・文殊・大通智勝仏・馬頭・毘沙門が各1となっています。御大師山の石仏では薬師如来が27、聖観音と十一面観音あわせて14、千手観音13、釈迦と阿弥陀の11、大日6、地蔵6、不動3、虚空蔵2、文殊・大通智勝仏・毘沙門・馬頭・仏眼が各1、不明1です。聖観音と十一面観音は、頭の十一面がはっきりしないため、釈迦と阿弥陀は印の区別がつかないため一緒にした数です。
 入口の案内には「設立するにあたって四国八十八ケ所本山寺の土を受け、各石仏の下に埋め祀っている」ともあります。これは〝お砂踏み〟の慣習です。

【独り言2】 大通智勝仏 ところで、御大師山の八十八ケ所の本尊を造った石工は何を手本にしたのでしょうか。その答えは〝お砂踏み〟に使用した本尊の絵図だと思います。お砂踏み本尊を『空海と遍路文化展』(注)から案内します。「お砂踏本尊とは、四国霊場へ来ることの出来ない人のために、札所寺院境内の土(お砂)を本尊図といっしょに持ちはこび、その地方に出張しておがんでもらう礼拝対象をいう」。この本尊図は江戸時代中期にはまとめられ、各地に移し八十八大師が造られた契機になったようです。

 同書には「お砂踏み本尊図」として八十八ケ所本尊の絵図も掲載されています。この図と御大師山の石仏を比べますと、同じ像様のものがほとんどです。その一つ、大通智勝仏をみてみましょう。この仏は法華経第三巻化城喩品第7に説かれています。しかしこれを本尊とする寺は少なく、石仏では珍しい仏となります。八十八本尊図では大日如来と同じ智拳印ですが、宝冠ではなく如来の特徴の一つの螺髪(らほつ)です。御大師山の55番南光坊はこれとまったく同じでした。


 9番法林寺の涅槃釈迦如来も本尊図と同じ光景でした。20番の頭上に鶴が舞う鶴林寺の地蔵も、本尊図そのものでした。
(注)『四国霊場八十八ケ所所 空海と遍路文化展』平成14年、毎日新聞創刊130周年記念企画展


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