大平山(おおひらさん) 恵比須(えびす)
【データ】大平山 341メートル▼25000地図 栃木▼最寄駅 JR両毛線、東武日光線・栃木駅▼登山口 栃木県栃木市の栃木駅▼石仏 大平山中腹にある大平神社境内
【案内】恵比寿・戎・夷・蛭子とも書くこの神の誕生にまつわる伝承は、字と同じようにいくつもあるが、海など異郷から漂着した神、迎えられた神という点で共通している。その一つがイザナギ・イザナギの最初の子・水蛭子や戎神社の神話。不具であったため葦 船に乗せて流され水蛭子。たどり着いた先が西宮戎神社だった。したがって恵比須は漁業を生業とする人に信仰され、七福神の一員となって商売の神、招福の神として広く信仰さるようになった。この神の性格上、石仏として単独で山に祀られることは少なく、これまで阿武隈の二ツ箭山でしか見ていない。大平山の恵比須は大黒天=写真下=とともに昭和60年に建立された新しい石仏。
【独り言】大平山の名物は山麓から神社まで続く石段と紫陽花です。花の見ごろは6月中旬からで、訪れた2日はまだ花房が開き始めたところでした。それに変わ って目を楽しませてくれたのが、エゴの花。この花は大平神社から大平山山頂への山道の所々に、雪が降ったように白く輝いていました。木はそうとう大きくなっているらしく、見上げてもそれらしい木が見あたりません。スベスベしたネズミ色の幹を捜して、あのあたりから花が落ちてきたに違いないと見上げて、一人納得しながら 歩きました。子供のころ、福島の田舎ではこの木を「しゃぼん玉の木」と呼んでいました。「花が終わった後に実る青い玉をつぶすとシャボンになる」と聞いていましたが、作ったことはありませんでした。この花が終わり実がつくころ梅雨になる、というのが私の花暦です。