偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏番外 羽田山(宮城)塩竃、竹駒宮

2017年05月29日 | 登山

羽田山 塩竃、竹駒宮(しおがま、たけこまぐう)

【データ】羽田山 460メートル(国土地理地図の山名無し。羽田神社南西の454三角点)▼最寄駅 JR気仙沼線・気仙沼駅(気仙沼線は一部バス運行中)▼登山口 宮城県気仙沼市赤岩上羽田の羽田神社▼石仏 羽田神社から太郎坊・治郎坊杉への道、地図の赤丸印▼地図は国土地理ホームページより


【独り言】 お山がけ 羽田山はお山がけ例祭がある旧8月15、16日以外は登らせないと聞いていました。お山がけは、7歳の男子が父以外の男(祖父、伯父など)と一緒に羽田神社の奧にある羽田山に登って成長と息災を祈り、神社の氏子になるこの地方に古くから残る通過儀礼だそうです。もちろん女人禁制です。そんな情報から、羽田山とうのは羽山だったのではないかな、などと思いながら訪ねました。
 東北南部に多い羽山などのいくつかには、祭外は登らないという暗黙の了解があるらしいことは耳にしていました。ですからこれまで登った羽山のなかには、そういう決まりを知らないで登った山もあったかもしれません。なにしろほとんどの羽山の登山口に社殿もなく、そのようなことを知らせる案内もありませんでしたから。しかし羽田山は登山口に立派な羽田神社があり、関係者も住んでいて、訪ねるとやはり「祭以外は登ることはできません」と断られました。もっとも訪ねた日は夕方でカミさんも一緒でしたから、登るつもりはありませんでした。それでも、全国の信仰のある山を登っているのでとすがってみましたら、「目をつぶってもいいんですが…」「祭以外に登って怪我をした人もありますから……」と、やんわり断られました。そんなわけで普段でも女性でも登れる太郎坊・治郎坊の御神木まで登りました。その帰りにみたのが「塩竃宮 竹駒宮供養」の石塔で、「文化四丁卯(1807)」の造立です。
 塩竃宮は宮城県塩釜市にある塩竃神社で、古くは奥州の鎮護、近世には漁業の神として信仰されてきたようです。竹駒宮は竹駒神社で、宮城県岩沼市と岩手県陸前高田の二か所が知られています。どちらも稲荷神社ですが、二つの神社の関係はわかりません。羽田山から近いのは陸前高田の竹駒神社です=下写真=。陸前高田の神社の社殿に奉納された剣=下写真=のいくつかに気仙沼の人たちの銘がみられますから、羽田山の石塔にある竹駒宮は陸前高田の竹駒神社だと思います。



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