偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書141 鬼子母神(千葉県いすみ市)

2022年12月02日 | 里山石神端書

千葉県いすみ市須賀谷・妙昌寺の鬼子母神

 石仏が無いといわれた上総七里法華、日蓮が誕生した千葉県は日蓮宗の寺院が多いところ。中世から日蓮宗の布教による寺院があり、なかでも東上総は戦国初期の上総土気城主酒井定隆(1435~1522)の庇護もあって、この領地のほとんどが日蓮宗でその範囲を七里法華と呼んでいます。七里法華に隣接する須賀谷の日蓮宗寺院を訪ねました。


 人家の少ない上須賀谷の谷奥に日蓮宗の妙昌寺と本乗寺が100メートルも離れないで建っています。どちらも入口に「南無妙法蓮華経」に髭題目の題目塔が立っています。


 初めに妙昌寺を訪ねますと、参道をはじめ境内にも石造物はなく、あっても新しい石燈籠ぐらいです。寺の裏側もあり僧侶の墓石も質素です。そんななかで見つけたのが「鬼子母神」銘の石塔。側面に「昭和七年/須谷講社」銘があるこれも新しい石塔でした。
 鬼子母神は人の子を食べる鬼女。釈迦が鬼子母神の子を隠し、子を失った悲しみを知って会心、子供を護る善神となります。特に日蓮宗では十羅殺刹女とともに法華経信者の守護神となります。このように日蓮宗にとっては重要な鬼子母神なので、「須谷講」という女性の集まりを作った石塔を造立したものと想像します。
 本乗寺も質素なたたずまいの寺です。珍しいことに境内入口の「明治四年」銘の観音菩薩が立っていました。



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