人間の平常時の心拍数は毎分60〜70。
それに対してトガリネズミの心拍数は
毎分1000を超えるらしい。
1秒間に16回以上脈打っている計算です。
いっぽう身体の大きなクジラ類の心拍数は
かなりゆっくりで毎分10〜30程度。
トガリネズミの寿命は1〜2年、
クジラは100年を超える個体もいるとか。
ものすごく乱暴な言い方をすれば
生涯に脈打つ心拍数は
案外似通ったものなのかも知れない。
心拍数を時間に置き換えると
みんな同じだけ生きることになる、
そんなふうにも考えられそうです。
どの生き物も
皆それぞれの時間の中で生きている。
他の生物の寿命が長いだの
短いだのというのは、
人間時計で測っただけの
勝手な推測なのかも知れません。
天寿を全うするというのは
天から授かった命を使い切ること。
天から授かれる命の長さって
人それぞれ違うのだろうか。
まだ人生これからという人たちが
あちら側にもこちら側にもいるというのに
たったひとりの独裁者の命令で
心拍を止められてしまった人たちのことを思う。
そしてその悲惨な状況は今も続いている。
私が観たテレビのニュースでは
彼の地は何かの間違いじゃないかって
思うほど青々とした眩しい空が広がっていました。
その下では白煙や黒煙が立ちのぼり
壊される前の街並みが想像できないほど
破壊し尽くされ焼き尽くされ、
その瓦礫の下には普通に暮らしていた
なんの罪もない数多くの人たちが
埋まっていると伝えていました。
そしてその横を狂人と化した人たちが
Vサインをしながら狂人らしい顔をして
通り過ぎて行ったのでした。
きっと独裁者の冷たい鼓動が
彼らを狂人に変えてしまったのでしょう。
こんなこといくら書いたって
状況が変わるはずもないということに
書くことの虚しさを感じます。
※写真は去年の今頃に読んでいた本。
いまもう一度読もうと思っています。