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通勤途中に読んだ本。
勝手に5段階の評点つけてます。

時生

2007-11-11 23:30:36 | 東野圭吾
【評点】2(5段階中)

東野の傑作と評されるが、そうは思えない。
宿命と同じく、初めと終わりの部分だけで充分。
途中の話しはいらないと思う。

途中の話しはやくざとの捕り物競争。
東京にいる主人公の拓実が、トキオと名のる青年と2人で消えた彼女を追って大阪まで行くというもの。

確かに最後の1行は涙をそそるが、泣くまではいかない。

黒笑小説

2007-08-02 22:35:55 | 東野圭吾
【評点】5(5段階中)

最近の東野圭吾の作品は暗いイメージがあるが、この本は面白い。
怪笑小説や毒笑小説と同様に短編集だ。

全13作品のうち、作家が主人公である物語は4つ。
このどれもが面白い。
だが、個人的にはその4作品外の「笑わない人」がいい。

・もうひとつの助走
文学賞の発表を待つ作家、寒川心五郎と編集者たちの駆引き。
皆、内心でいろんなことを思っているようである。
鬱憤電車のようで面白い。

・巨乳妄想症候群
見る女全てが巨乳に見える病気のはなし。

・インポグラ
バイアグラの逆で、飲むとインポになる薬を開発した博士と広告プランナーがこの薬を売るために悪戦苦闘する。

・みえすぎ
誇りなど空気中の細かい分子が見えすぎてしまう人のはなし。

・モテモテ・スプレー
会社の同僚の女に振られた主人公は、モテモテスプレーを使って再度この女に接近する。このスプレーをかけると女に持てるのだが、持続時間が短い。
デートに誘っていい場面になると効果が切れて、スプレーをしてまたいい雰囲気になってとドタバタの物語。

・線香花火
新人賞を受賞した新米の作家がの話し。
主人公の熱海圭介はキャラがいい。

・過去の人
「線香花火」の続編。
新人賞受賞パーティに呼ばれた熱海が面白い。
この作品で表紙に少しだけ写っている「虚無僧探偵ゾフィー」が登場する。

・シンデレラ白夜行
百夜行の雪穂がシンデレラだったら、こんな風になるのか。

・ストーカー入門
華子に突然ふられた主人公。
1週間後華子から電話があり、それを機に華子のストーカーをすることになる。
途中までは面白いがオチはちょっと寂しかった。

・臨界家族
女の子に大人気のキャラクター、スーパープリンセスのキャラクターグッズにまつわるはなし。うまいこと考えてるなーと思うが、これ実際にあるのかも。

・笑わない男
売れないお笑いコンビが何かの手違いで超一流ホテルに泊まることになった。
このホテルのボーイはきちんと教育されているため、鉄仮面のように無表情で笑うことをしない。2人はこのボーイをなんとか笑わせようと努力する。

・奇跡の一枚
主人公の女子大生が、グループの旅行中に撮った写真で1枚だけとんでもなく綺麗に撮れている写真があった。兄や父までもが、本人と疑うようなものだった。
主人公はメル友にこの写真を送ると会いたいと言われ困惑する。
最後は綺麗にまとまった感動的なはなし。

・選考会
寒川先生と虚無僧探偵ゾフィーがまた登場。
途中でオチは見えたが、面白い。

使命と魂のリミット

2007-07-05 21:07:13 | 東野圭吾
【評点】3(5段階中)

最後は感動する。泣けた。
東野作品は最近こんなんが多い。
ミステリー作品ではないのでご注意を。

ストーリーはこうだ。
帝都大学病院に研修医として勤める夕紀という女性が主人公。
ある日、病院に脅迫状が送りつけられる。
「この病院の医療ミスを発表しろ。さもなくば病院を破壊する」
最初は悪戯かと思われたが、再三の脅迫状と発炎筒が仕掛けられる事件で、悪戯ではないと警察も真剣に対応をする。

犯人はこの病院に勤める看護士の恋人である。
彼は入院中のとある男性の命を狙っており、この男性の手術中に事故を起こし命を絶とうと計画を練っている。

作品はテンポよく読める。これも東野圭吾の特徴だ。
難しい表現がないのでとっつきやすく、登場人物の心理もうまく描かれている。
すぐに感情移入できる。

しかし、オチのあとの展開も気になるなぁ。
この後どうなるんだろうって。

多分、何年後かに映画になるだろう。
映画にしやすようだし。

赤い指

2007-03-07 01:34:46 | 東野圭吾
【評点】3(5段階中)

最近の東野作品は暗いものが多い。この作品もそのひとつだ。
設定はレイクサイドのように殺人が行われた結果、それを隠すというもの。
ただ、今回は犯人はわかっている。
主人公の前原の中学生になる息子だ。
家族は母の八重子と痴呆症がすすむ母の政江の4人だ。

息子が殺した幼児を近所の公園へ遺棄し、殺人を隠し通そうとする話しだ。
そして久々に加賀恭一郎が登場する。
今回も歯切れのよい推理を展開するが、この作品はその推理力がテーマではなく親子愛である。
あまり述べるとネタがばれてしまうので割愛するが、ミステリーというより親子愛と老人の死がメインである。

作品としては読みやすく、わかりやすいものになっていると思う。
オチは想像できたが、感動はある。

むかし僕が死んだ家

2006-12-31 20:06:03 | 東野圭吾
【評点】3(5段階中)

結構面白い。読んでてスリリングというか早く謎の意味をが知りたいっと思う本。
登場人物は2人で私と沙耶香だけだ。
語りは1人称である。

古い東野作品で1人称と言えば、デビュー作の「放課後」ぐらいしか思い浮かばないが、1人称の語りは何か理由があるはずだと思っていたらそうだった。
それは後半で大きな意味を持つ。

私と沙耶香は山奥の白い家へ行く。そこには幼いころの記憶を失った沙耶香の秘密があるかもしれないという。
その家は誰も住んでおらず、数年間放置されたままのようだ。
ここで、祐介という少年の日記を見つけ、この家の謎解きがここから始まる。

この日記と手紙などから、この家の家族構成を推理し、沙耶香の過去を取り戻そうとする。いや、沙耶香の記憶は戻った。
ショッキングな結末ではあるが、納得し難い内容でもあるため、評点をあえて3にした。

手紙

2006-11-12 22:50:44 | 東野圭吾
【評点】3(5段階中)

暗い話し。
強盗殺人で服役中の兄を持った男の高校時代から進学・就職・結婚までの半生を語る。

主人公は人生の中で兄の問題にぶつかり、かならず挫折する。
この問題について述べた重い話だ。

殺人の門

2006-05-27 15:34:39 | 東野圭吾
【評点】2(5段階中)

暗い話し。
何人かの人物が登場するが、メインとなるのは主人公とその友人だけ。
主人公の小学生時代から社会人(多分、30歳ぐらい)までのことが描かれる。

主人公は、とある友人「倉田」にいいようにもて利用される。
読んでいて先の展開がわかってしまうところが、面白さが半減する理由だ。

本は分厚いので内容は長いが、よく考えるとたいした話しでもない。
ようは、主人公がいかに馬鹿かということだ。

さいえんす?

2006-04-11 23:50:19 | 東野圭吾
【評点】1(5段階中)

科学ネタを中心としたエッセイ集。
小説ではないので面白いことは無い。
だからこの評点をつけた。

すぐに読めるので気楽でいい。
朝、お茶をしながら3つぐらいは読める。

レイクサイド

2006-02-17 23:42:48 | 東野圭吾
【評点】4(5段階中)

すぐ読める。最初はちょっとだるいが、途中から面白くなってくる。

中学受験を控えた子供を持つ夫婦とその子供の4組が合宿を行う。
その合宿先に主人公の俊介の部下であり愛人の恵理子がやってくる。
恵理子は俊介に頼まれごとをされていたようで、その報告を夜の11時に宿泊先のホテルで行うと告げる。

俊介は、仕事の急用が出来たと偽って恵理子に会いに行くが結局会えない。
仕方なしに合宿先に戻ってくると恵理子が殺されており、しかも殺したのは妻の美奈子だとわかる。

俊介・美奈子を含む3組の夫婦(後に残りの1組も加わるが)で殺人を隠蔽することをたくらむ。
恵理子の指紋を焼き、顔を潰し湖に沈める。

しかし何かおかしい。いくら仲がいいといっても他人の犯した殺人を皆でかばうというのはどういうことか。
また、美奈子はこの仲間の誰かと不倫関係にあるように思えるが、その相手は誰か。

こんなストーリーだ。
殺人を隠した8人と警察がやりあうのかと思ったが、そうではなかった。
メインの謎は、皆で殺人を隠蔽する理由であった。

随所に伏線がはってあり、面白い。
また、合宿に参加しているある男が「美奈子さんもあれに誘おうか」というところで、皆で隠し持っている謎はひょっとしてスワッピングかなと思ったが、そうではなかった。
読みが甘かったか。

容疑者Xの献身

2006-01-27 22:40:52 | 東野圭吾
【評点】4(5段階中)

読みやすく、ぐいぐいと引っ張られるような感じで一気に読破できると思う。
この作品は「このミステリがすごい」や直木賞を受賞しているが、それに値するのかどうかは疑問である。

登場人物は「探偵ガリレオ」の湯川や草薙刑事だ。
だからといって「探偵ガリレオ」のような物理的な難しいトリックが仕込まれているわけではない。叙述トリックであるように思える。

湯川と帝都大学時代に同級であった石神という人物が登場する。
彼は数学家の道をあきらめ、高校で数学の教師をしているのだが、自宅マンションの隣に住む女に好意を抱いている。

ある日この女が、元夫をふとしたはずみで自室で殺してしまう。
それに気づいた石神が殺人を隠蔽するため色々な工作を仕掛ける。

しかし、この女はどうなんだと思わせるところが多々ある。
実際の年齢は明かされていないが(20代後半ぐらいではないかと他人の目から書かれている部分はあるが)、どうもおばちゃんくさい印象を受ける。
中学生の娘がいることと弁当屋の受付のパートをしてるところがそう思わせるのだろう。
だからどうもこの女に感情移入できなかった。

また石神がこの女に好意を持つきっかけがラストのほうで明かされるが、仮にも天才数学者と湯川が称する男が、そんなきっかけで惚れることあるのかと思わせる。

ラストは大どんでんがえしとか評判があるがそうは思わない。
でもラストは泣ける。
読んで損はしない。