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アリ@チャピ堂 お気楽本のブログ

日々の読書記録を勝手きままに書き記す

義手と義眼と変形したあごをあなたは持っているか

2010-09-30 23:28:40 | フィリップ・K・ディック
「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」か? 


「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」“The Three Stigmata of Palmer Eldrich”1964年作品
浅倉久志訳 早川書房 海外SFノヴェルズ 1978年

ディックの主要な邦訳作品で唯一ハードカバーで出版された作品である

主題は神の顕現・・なのか・・不在なのか
読み直してみるとそれを受け止める年齢、経験の違い
あるいは疲労度の差が印象を大きく左右するのが分かる

時間が無いので、語りきれない部分を明日に譲るとして
読み直してみた最大の発見は

チューZの現実世界の時間に対して永遠の長さも持ちうる世界のイメージは
村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の夢見の世界に似ていないか
人は有限の死の世界にとらわれているのに
幻覚の世界では永遠の時間の長さを生きることになる

何の御技のためか、すべての人類がパーマー・エルドリッチの
「生命のない義手と、ジェンセン式義手と、ひどく変形したあご」を持つことになる世界
人類に刻み込まれた聖痕は何であるのだろうか


浅倉久志訳 :ハヤカワ文庫SF 1984年初版


1996年第8刷のカバー


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