西&仏の旅 その5
朝になった。
とりあえず、駅に行って状況を確かめねば始まらない。
目的地は、ラスコー。
そう、古代の壁画で有名なラスコー。
フランスだったんですねぇ。
フランスの世界遺産調べるまで、知らんかった。
しかしながら、ここへの道のりは遠い。
ただでさえ辺鄙な場所にある。
あまり乗り継ぎの良くないのが最寄り駅なのに、スト。
果たして、行けるのか!?
Briveというトゥールーズーパリ間の途中という幹線経路の駅まで行ければ、
最悪そっからタクシーでラスコーのある街モンティニャックまで行けると踏み、
前夜、モンティニャックの最寄り駅である
Condat le lardan(コンダ ル ラルダン)まで行きたいと言ったら、
ラルダンをどうしてもジャルダン(「庭」という意味)としか
聞き入れてもらえず、
《そんな駅知らないわ》ってな具合で感じ悪い対応を
受けたので、まずはまだメジャーであるBriveまでを聞いた。
そしたら、あと2時間くらい後の電車があるという。
夕方前に着ければ、なんとかなるかもしれない。
片道30ユーロ弱の切符を買って、早々にトゥールーズを後にした。
夕方前にBriveに着いて、そこからCondatまでの電車を聞いた。
すると、やった!
本日唯一の経路、17:00発のバスが出ていた。
良かった、これでホテルのキャンセルしなくて済む。
ここで待ち時間がかなりできたので、Brive散策。
駅からまっすぐに延びている道をいくと街に行けそうだ。
街全体が小さくてかわいらしく、時折センスの良いお店もある。
“地球”には一切記載のない街だったけれど、
チョコレート屋さん、カフェ、レストラン、良さげ。
軽くお茶してたらアジア人が珍しいのか色々話しかけられてきたので、
面倒くさくなったので駅に戻る。
駅前からバスに乗り込み、すっかり暗くなった道をぐんぐん西へ。
最初、運転手さんに何個目で止まるかと聞いたら、1つ目と言ったのに、
2つ目の停留所が、Condat だった。
さて、ここからホテルまでも約2km。
ここからはタクシーに乗らねばならない。
しかし。
真っ暗な駅舎。駅員もストで居ない。
居ろよ、ひとりくらいさ。
駅前広場 ーといっても駐車場のように砂利が敷いてあるだけの、
本当にただの広場ー には、送り迎えをする地元の車が数台。
その他、駅前にはなんもなかった。
バスの発着と共に彼らも消えていった。。。
ポッツーン。。。
でた。
またしても電話呼び出しせねば。
ホテルに電話して、タクシーを呼んでもらった。
“要求”の言葉だけは、日々覚えていくオイラ。
死活問題だからな。
誰もいないの中真っ暗な駅前で待つ事十数分。
その間に、駅に貼付けてある明日用のイレギュラー時刻表をチェック。
すると、、、どう頑張っても次の目的地にダイレクトに
行けそうも無い。
もう!何日ストやってんだよぉ。。。
しょうがない。
明日は、予定外だか途中の街で滞在するしかないようだ。
すると、笑顔のタクシーのおっちゃん登場。
ホテルまでの暗い道中、
ラスコーに行くのか?とか、行くならこの道が近道だ、とか、
親切に色々教えてくれた。
宿では、オーナーシェフである若いムッシューがお出迎えしてくれた。
そのオーナーの顔なじみであるタクシーのおっちゃん曰く、
ここのレストランは旨いよ~というので、
街まではちょっと歩く距離でもあったので、夕食はここで取る事にした。
フォアグラと、牛肉のステーキをチョイス。赤ワインと共に。
量も多いのだが、味が、、、、オイラの口にはあわず。
何だろう、ハーブ類がちょいと違うのか。。。残念。
朝になった。観光案内所で販売されているというチケットを
10:00のオープンに合わせて買いに行った。
10:00少し前についたので、案内所の前に立ってちらっと中を
覗こうとした時、ドアに何やら張り紙。
「ラスコー2のチケットは、ラスコー2にて販売。
ここでは売ってません」
仏語でも、英語でも、どう読んでもそう書いてある。
え~!
んじゃ直接行けば良かったんじゃん。
“地球”め~。
と、ホテルにおいてあった地図は持参していたけれど、もしかしたら
より詳しいのがあるかもと思いオープンを待って地図をもらったら、
全く同じものだった。
しかもこれ、道が途中で切れてるだよな。
ま、いっか。
歩けばわかるさ。
ホテルでチェックアウトを済ませ、荷物を預かってもらって、いざ、出発。
ここから2kmの軽い山道を歩かねばならない。
観光客はほぼ0。地元の人も殆どいない。
居ても、車だ。
出会ったのは、農作業をしているおっさん唯一人。
そんな畑の真ん中の道をテクテク、山道をクネクネ。
雨も降ってくるし、寂しーなーここ。
切れている地図の部分は、標識を頼るしかない。
息が切れて来た頃、やっと到着。
チケットは、ミュージアムショップになっているところで販売されていた。
(人数制限制&解説付きの為)次の回は11:40からとのこと。
ここは写真撮影不可のため、絵はがきを大量購入。
すると、さっき道で抜かされた車の人達が居た。
同じ回を見学するようだ。
時間になって入り口にいくと、この回はたった5人。
ま、ラスコーといっても見学できるのはラスコー2といって、
当時の製法そのままに緻密に複製された洞窟を見学するものであって、
本物じゃないからってのもあるけど、
少ないだろー。5人て。
仏人のおばちゃん2人と、英語圏のカップル。そしてオイラ。
解説は、もちろん仏語。
カップルの為に英語での解説もしてくれた。
歴史用語も、数字(万年単位だったりするから)も、オイラにはさっぱり
チンプンカンプンだったけど、取りあえず要所要所で頷いといた。
複製なのに写真禁止ってと思ったけど、同じ手法と素材ということもあって、
なかなか楽しめた。地下だけあって寒いさがしみて来た頃、1時間ほどで終了。
その後モンティニャックの街に戻り、昨日と同じ時間にしか来ないバスまで
の間、街を散策。
この街も、ホテル、レストラン、カフェなど、多くはないが揃っている、
かわいい街。
ヴェゼール渓谷の装飾洞窟は他にも数カ所あって、
Les eyzies(レゼジー)という街を起点に色々まわるのも良さそうだ。
行くなら、夏だな。
この地方、夏だな。
そしてまたタクシーで駅に行き、ポツンと一人バスを待つ。
ギリギリもどうかと思うが、今回は時間を持て余し過ぎて
(街にも退屈してしまったので)、バス着1時間も前に駅に到着。
その間、車で時刻表を見に来る人数名。
まだストかよっってな態度だったので、皆困ってんだなーと、
親近感を抱く。
その中の一人が、Briveに行くの?と声をかけてくれた。
しかし残念、それは来た方向であり、逆方向。
ちょっと遅れてバスが来たので乗ると、チケット持ってなかったのに
払わずに乗せてくれた。
駅に人が居たらチケット買ってたけど、居ないから買えなかったのだ。
そしてバスの運転手さんも要求しなかった。
たかだか数ユーロ程度だけど、ストで余計な滞在費が出た分、これは
有り難く頂戴しよう。
因に、今回のスト分の迷惑料が来月の月額定期分で戻ってくるそうだ。
てか、オイラはもういないわけだが。。。