新型コロナ感染症患者が急増しており、本日都内の新規感染者は2万人を
超えたそうです。
臨床診断(濃厚接触+臨床症状で診断)だけのケースもあるため一概には
言えませんが、憂慮すべき事態です。
私も重症例を中心に診療に当たっていますが、昨年夏のデルタ株による
第5波との大きな違いは患者数に対する重症例の割合が少ないこと、また
気管挿管を要する症例が少なく治療で速やかに症状が改善する点です。
第5波のときは人工呼吸器管理が長期に及びスタッフ・患者(家族)ともに
疲弊しきりましたが、今回は別の問題で悩まされています。
それは、市中感染者が多いために濃厚接触者となってしまい欠勤となる
職員が増え現場が人手不足になっていることです。
新型コロナ病床の確保依頼と人手不足のため、例年この時期大賑わいの
心筋梗塞やくも膜下出血、大動脈解離といった重症疾患の受け入れ可能数は
減っています。
こうした患者はどこへ行ってしまったのでしょうか?危惧されます。
大胆さと慎重さ、全く逆のスタンスではありますが、医療も行政もいかに
両者を上手く使い分けられるかが今回のコロナとの共存あるいは
パンデミックを乗り越えるためのカギとなりそうです。
パンデミックの長期化に伴いともすれば自暴自棄になってしまいがち
ですが、無心を心がけて粛々と目の前の仕事をこなしている毎日です。
昨晩の当直は、病棟急変でICU入室し緊急手術、ICUでの状態悪化から緊急手術、
ICU入室中患者の再挿管、VA-ECMOとImpella管理、激烈な消化管出血の管理、
と華々しい夜でほとんど眠れませんでした。
それでも、新型コロナ以外の症例を診療している間はテンションがあがり、
自分は集中治療が好きなのだということを再認識できた当直でした。