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フェミニズムの害毒 第一章 理想を見失ったフェミニズム (2)

2010-10-12 02:06:03 | 佐賀県中央児童相談所と婦人相談所の悪意
フェミニズムの害毒
  林道義、草思社、1999.08/30。



第一章 理想を見失ったフェミニズム

 「主婦の復権」という本を書いて、多くの主婦から手紙を
 貰った。その多くが、 「救われた」というもの。

 専業主婦の多くが、女性の味方である筈のフェミニストに
 よって、どれほど圧迫され疎外され苦しめられているかが判る。

 今では、女子大生の方が、専業主婦願望を持っている。
 これは立派な、保守回帰現象である。

 1998.4/8、読売新聞、小倉千加子の意見。

 女子大生の専業主婦指向を評して、
それは、「自分に正直に生きる」事を捨てて、
 親や社会の願望に妥協した生き方 だと批判。

フェミニズム中心の視点でしか物事を見ない姿勢。

 四十代後半の女性は、働けイデオロギーを受けて育った
 世代だ。保育所に預けられて育った学生たちが、どう
 思ったか。多くの者が、「母がいなくて淋しかっ た」
「私は家にいてやりたい」と語っているのだ。

 母親は、「何不自由なく生活するため」
 「自分の能力を活かすため」に外で働 くと言う。

そうやって育てられた娘は、
 「生活が不自由でも、母が家にいてくれ た方が良かった」
 と語る。母親の就職は、生活の為とは限らない。
 夫や、姑との軋轢を避ける為のもので あったかも知れない。

家族の問題を解決せずに、生活の為だとごまかすと、
 子供の母性飢餓は大きくなるばかりだ。

娘たちは、「ランクを落とすのはいや」とは 言わない。
 「貧乏でもいいから」と言っている。

 もうひとつの不満は、男女雇用機会均等法である。
 これは女性が男性と同じ調子で働く事を求めている。

総合職について、身も心もボロボロになって辞めた者が
 数知れない。

均等法は、公務員の女性の感覚で作られているので、
 民間企業 の男性の過酷な労働条件についての認識が
 不足していたのだろう。

 仕事の傍ら、著述や文化サークルを楽しめる環境とは違う。

 性別役割分担の否定が、そもそも間違っている。

 どう考えてもおかしいのは、フェミニストが

 「介護保険制度」に関して「家族介護者への現金給付」

に反対している事である。

 反対論者の意見は「嫁の立場にある女性をはじめ、
 女性が介護に縛られる状態が改善されるどころか、
 ますます強められる」というものである。

 確かに嫁だけに介護を押し付けるは不合理だが、
 それに反対するのに家族介護そのものを無くして
 しまえとするのは乱暴に過ぎる。

それでは、嫁でなく、娘が介護するケースさえ否定して
 しまう。最近では、男性も、自分の妻や母を介護したい
 という人が増えている。
 そんな人の気持ちまで踏みにじってしまう。

要するに、自分達だけ、幼児や老人を捨てて外に
 働きに出るタイプの女性だけ救われたら良いという心理。

 嫁に介護を押し付けて はならないからと言って、
 家族介護まで否定するのは、
「産湯とともに赤子を流 す」ような行為である。

 介護保険制度の先輩であるドイツでは、
 家族介護者にも現金給付がある。

 半額 になるが、六割の人が希望する。
 私は、全額払うべきだと思う。

 フェミニストが公的介護制度を作り、
 そこから家族介護を締め出そうとするのは、
 フェミニストの多くが、独身だったり、家族を捨てたり、
 子供と疎遠になっている事と無関係ではない。

家族を捨てた彼女らは公的介護に頼らざるを得ない。
だから、専業主婦が憎いのである。
 しかし予算も不足すると家族以外に頼れるものはなくなる。

フェミニストは、経済的自立基盤のない専業主婦は
 ゆくゆく困ると言うが、ゆくゆく困るのは家族を捨てた
 彼女達の方ではないか。

 フェミニストの志の低さを露呈している例が、
 「主婦いじめ」である。

「ふざけるな専業主婦」「くたばれ専業主婦」
 なる本まで出版された。

多くのフェミ本では、主婦は家畜、奴隷と蔑視されている。
そういうフェミニストの方が、売女、 女衒、売春婦、
コールガール、魔女、鬼婆である。

 制度的な主婦いじめさえ行われている。
 「主婦に年金の保険料を支払わせよ」

「税金の配偶者控除をなくせ」というものである。これは、
 個人を単位として、夫婦を単位としない思想の産物である。
 年金も、税金も、世帯当たりで計算すれ ば公平になっている。

 専業主婦は少しも優遇されず、働く女性ばかりが優遇されて
 いる。保育所に預けられている子供については、自治体から
 高額の補助金が出ている。
 しかし、誰もこれを不公平だとは言わない。

 ゆとりを持って生きる者がおとなしいのをよそに、
 あくせく生きる者ばかりが補助や給付を受けるのは間違っている。

 フェミニズム運動は、女性全般ではなく、「外で働く女性」
 という一グループ の利益代表団体に後退している。

「保育所を増やせ」「主婦に税金を払わせろ」
「主婦に年金保険料を払わせろ」というのが顕著に
 それを物語っている。