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銀の河 ~ 長浜奈津子のブログ ~

むしろ、心こめずに読む。 〜乾いて粋な、荷風世界と、情味 『雪解』 〜おとがたり朗読とヴァイオリン

こんにちは、長浜奈津子です🌸

わたしは。読み手としてさまざまな作品を読みます。朗読をするときは、それぞれの作品や作家への個人的な思い入れや好き嫌いなどすべて削ぎ落とし、まっすぐ読むことに心を向けています。皆さんが、本棚へ手を伸ばして、一冊の本、新しい作品に出会ったときのように、作品と聞き手の皆さんが出会えるようになってほしい。でもそこには生身がある。朗読とヴァイオリンを扱うのは生身のからだです。個性や持ち味もある。そこにはやはり読書とは違った良さがあるし、落とし穴もある。息のつまった考え方はいやなので、そこにゆるやかに流れる風を含ませて、生き生きとした声と音楽で、良い作品を上演したいといつも思っています。


2023年5月3日(祝・水)、第15回目「市川荷風忌」が近づいて参りました。会場は市川市文学ミュージアムにて。おとがたり、朗読とヴァイオリンでの出演です。

今年は『雪解』を朗読します。よろしくお願い致します。





<おとがたり〜朗読とヴァイオリンと、もう一つの空間について>
今週末はいよいろリハーサルです。喜多直毅さんのヴァイオリンの音色が、風景・場面、心情に、より深みと味わいをもたせてくれます。それは作品への上書きではありません。聞いている人の心の中にふれて動かし、沸き起こし… 感じさせるものです。



彼のヴァイオリンの音、音楽を聴いていますと、それをとおして作品と演者・聞き手・もちろん作家、そこから… もう一つ違った次元の空間を感じさせてくれます。この不思議な空間の存在 (謎なのですが) そこから語りかけられているような… 台本を持ち語るわたしの、心のそこ… 本意を、まっすぐ見られているようなそんな感覚になるのです。…それはわたしに安心感を与えるものです。自然と背筋がのび、耳の奥が澄んでゆきます。

へんなことを言っていると思われる方もいらっしゃるかもしれませんね、すみません、よくわからなくてもかまいません。(わたしだけが感じる空間かもしれません)


<乾いて粋な、荷風世界を読む>
…さて、市川荷風忌にて、皆様に荷風作品の情味や手触りを、皆さんに楽しんで頂きたいと思います。よく心を込めてと言いますね。わたしもときどき言いますが、今回はむしろ…心をこめずに。乾いて粋な、荷風世界を読ませて頂き、そこに尽くします m(_ _)m






「市川荷風忌」とは
「市川荷風忌」は毎年、市川市文学ミュージアムで5月に開催されます。荷風の終焉の地は市川市、本八幡です。大黒屋という料理屋さんで、毎日お銚子一本とカツ丼を食したそうです。私も何度かここで食事をしました。(今は市民学舎となっています)

ここ近年、長浜奈津子は、ヴァイオリニスト喜多直毅さんとの朗読ユニット”おとがたり”で、永井荷風作品の朗読上演させて頂いています。プログラムは、永井荷風についての講演があり、次に、おとがたりでの永井荷風作品の上演があります。

市川本八幡の文学ミュージアムでは「市川荷風忌」という名前でお馴染みですが、浄閑寺(荒川区)で毎年4月30日におこなわれる「荷風忌」もあります。


永井荷風の散歩世界
今年の講演は、坂崎重盛氏(編集者・著述家)による『ナチュラリスト荷風の散歩世界を訪ねて』です。

荷風というと散歩、そして荷風の終焉の地は市川。トレードマークの帽子、カバンを持ち、市川・本八幡界隈で散歩をしている永井荷風の姿が、よく見られたようです。当時にしては背が高く、目立っていいたそうです。

名随筆『葛飾土産』がありますが、これは散歩に心を遊ばせ、風景を味わうなど、独居生活に風雅を感じる作品です。



永井荷風小説 『雪解』

今年の朗読演目は永井荷風の小説『雪解』です。

目に鮮やかに浮かぶ、大正期の人々の暮らし、街々の風景。再会した初老の父と娘の物語を、情緒豊かに描いた荷風短編小説。

お照はそれにしても不人情なこの親爺にどういうわけで酒を飲ませてくれたのであろう。(本文より)

出演:おとがたり 長浜奈津子(朗読)喜多直毅(ヴァイオリン)


お申し込みは終了いたしました。ありがとうございました。


たくさんの方のご応募で、受付は締め切りとのことです。


おとがたり ー 出演者プロフィールー



おとがたり https://www.otogatari.net
女優・長浜奈津子とヴァイオリン奏者・喜多直毅による朗読ユニット。首都圏を中心に意欲的に活動を行なっている。物語の持つファンタジーを声や楽器の音を通して空間にありありと描き出すために、即興的に互いの間・抑揚・言葉に反応しながら進行するパフォーマンスは臨場感にあふれ、聴く人はまるで物語の中に居合わせるかのような印象を抱く。来場者はもとより、文学研究者からも高い評価を得ている。

<オリジナル台本とレパートリー>
近年はオリジナルの台本と音楽による作品上演をする。漂白の詩人:石川啄木『啄木といふ奴 』~A Guy called Takuboku~、極北の詩人:吉田一穂『白鳥古丹 −カムイコタン−』、太宰治『人間失格~道化と狂気のモノロギスト~』、坂口安吾『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』、永井荷風『 濹東綺譚』『にぎり飯』他多数。小川未明『港に着いた黒んぼ』、小泉八雲『耳なし芳一』、岡本かの子『鮨』、オスカー・ワイルド『幸福の王子』『わがままな大男』『ナイチンゲールと紅いバラ』等、レパートリーは多岐に渡る。市川市文学ミュージアム、小樽文学館、室蘭港の文学館、北海道函館市芸術ホール、札幌俊カフェにおける朗読公演など、ユニークな活動が注目を集めている。

長浜奈津子 https://www.nappy-cantactriz.com
桐朋学園演劇科卒業後、劇団俳優座へ。女優・朗読家。2016年から市川市文学ミュージアム「市川荷風忌」へ出演。 “荷風ひとり語り”『ひかげの花』他三味線語り。ヴァイオリニスト喜多直毅氏との朗読ユニット“おとがたり”では『濹東綺譚』他、永井荷風作品を多数上演。於:六本木ストライプハウス「朗読空間 ~ひとり語り~」では、泉鏡花『高野聖』『外科室』他、坂口安吾『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』、小川未明『赤い蝋燭と人魚』、小泉八雲の怪談、宮澤賢治の詩と童話、他多数。 ときに“女優の語り” として物語の登場人物を演じ読み、ときに声のみで言葉や物語を聞き手に読み渡す。


喜多直毅 https://www.naoki-kita.com
国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、そのオリジナリティと精神性において高く評価されている。他に黒田京子、齋藤徹 (故人) との演奏や邦楽・韓国伝統音楽奏者・現代舞踏家との共演も数多い。欧州での演奏も頻繁に行う。我が国に於いて最も先鋭的な活動を行うヴァイオリニストの一人である。




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第15回 市川・荷風忌
どうぞよろしくお願いします🌸



最後までお読み頂きましてありがとうございました。




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