ここでひとつ「奴隷」に関するおもしろい話
「ローマ人の物語2より抜粋」
古代ギリシアの哲学者でかなり有名な
アリストテレスという人物がいた。
名前は知ってるという人は多いと思われる。
彼は、すべての学問の師「万学の祖」とも呼ばれる知識人であった。
きっと今の我々よりも多くの事柄について学び、研究したのは
間違いではないだろう。
そんな類まれなる哲学者が「奴隷」と家畜を比較しこう語った。
「有用さにおいては両者の差はすくない。
奴隷も家畜も、彼らの肉体によって我々人間に
有用であることは同じなのだから。」
アリストテレスよりも二百年以上前の
ローマ六代目の王セルヴィウス・トゥリウスは次のように言っている。
「奴隷と自由民の違いは、先天的なものによるものではなく
生を受けて後に出会った運命の違いであるに過ぎない。」
驚くべきことに、あの哲学者アリストテレスでですら
奴隷を奴隷として使うことになんの躊躇いや疑問を抱かなかったのに
対して、ローマではすでにアリストテレス出生の200年以上前から
奴隷解放が叫ばれていた。
これは驚くべきことである。
この時代が、紀元前600年の話です。
アメリカの南北戦争が奴隷解放の戦争だったのは歴史の教科書に書かれている。
2400年後も未だに人類は奴隷制を用いて戦争まで起こしていたのに
ローマではすでに奴隷問題はほぼ解決していたのです。
「ほぼ」という点ですが、ローマにも奴隷はいました。
ただし、一生奴隷身分というわけではなかったのです。
ちゃんと金を返せばもとの自由が戻ってくるし、(まぁ何年かかるかは分かりませんが)
子の代にまでなれば、ローマの市民権も獲得でき
他のローマ市民と何も変わらずに生活を送ることが出来たのです。
これはすごいことです。他の国では考えられないシステムでした。
市民権ということにかなり寛容なローマだからこその解放奴隷制度でした。
他国では、奴隷はあたりまえにその子も奴隷でした。
生まれで一生が決まってしまいます。
ギリシアの都市国家で文化も経済も進んでいたアテネや
軍事力では抜きん出ていたスパルタでも奴隷は一生奴隷、
それ以上でもそれ以下でもない「物」でした。
その考えがあったからこそ、アリストテレスも何の疑いもなく
奴隷と家畜を比較していたのでしょう。
もともと奴隷が人間ではないという考えだったのかもしれません。
いや~やっぱりローマってすごい。
いや、著者の塩野先生がすごい。
どんだけ調べたんだ、これ!
参考図書をみるだけで、俺の人生が終わりそうだw
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ローマのすごさ理解してもらえましたか?
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