~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

★『シュガーマン 奇跡に愛された男』☆ ※ネタバレ有

2013-03-23 15:01:36 | 映画【ヨーロッパ】


  『シュガーマン 奇跡に愛された男』:公式サイト

シュガーマン

1970年代初頭にデビューするも商業的に失敗しアメリカ音楽界から消え去った数年後、
1970年代末に突如、南アフリカ共和国で反アパルトヘイト闘争のシンボルソングとしてヒットした
アメリカの歌手で“シュガーマン”と呼ばれるロドリゲスに迫るドキュメンタリー。
今年のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞など数多くの映画賞を受賞した作品。

グラサン姿のわりには甘い歌声。
日本の歌手で例えるならば、浜田省吾みたいな感じかしら?

歌手に限らず俳優でも本国ではパッとしなくて、外国で大ブレイクする人っているよね。
そういう人は外国での波に乗って一儲けしようとするけど、
ロドリゲスは欲のない人だったのですね。

南アフリカで売れたCDは海賊版で一部の業者は儲けたみたいだけど、
ロドリゲスの手元にはCDの利益は入ってこなかった。
南アフリカ公演の収益は友人や家族にあげた。
彼自身は地味に働いて暮らしている。
アメリカでデビュー時も彼の才能をお金につなげようと周囲は売り出したみたいだけど
彼は地位や名声を得るよりも伝えたいメッセージを歌に込めた。
アメリカンドリームが美徳で開放的な本国ではなく、
自由を求め叫んでいた南アフリカで受け入れられたのは当然の運命というか
その地その時代に選ばれしミュージシャンだったのでしょうね。

今も存命の彼だけど、彼の娘達や周囲の人達のインタビューを中心に
ロドリゲスの音楽性やロドリゲスとのエピソードが語られていて、
ロドリゲスのカリスマ性を際立たせている。
この映画もある意味、ミュージックビデオでもあり、プロモーションビデオでもあるのだろう。
だけど、決して神格化せず、かと言って庶民的な面を強調はしない。
美化せず、無駄のない作りにドキュメンタリーとしての醍醐味があった。

評価が高いのは納得の作品でした。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。