摂氏
華氏
80年代の東ドイツの田舎町を舞台に西ドイツへの脱出を画策する
女性医師:バルバラの葛藤を描く。
2012年ベルリン国際映画祭銀熊賞監督賞受賞作。
“東ベルリンから西ベルリンに来た女”ではなくて、
“東ベルリンから東ドイツの田舎町に来た女”だったのね。
東ベルリン - Wikipedia
西ベルリン - Wikipedia
裾があまり広がっていなくて、膝上の丈のスカートで自転車に乗るのって窮屈そう。。。
それにヒールだとペダルも漕ぎにくくて不安定だし・・・。
だけど、それが閉塞的な社会に追いやられた
バルバラの鬱蒼とした心理を表しているようにも感じた。
東ドイツと西ドイツの緊張感を背景に恋愛を描く叙事詩かと予想していたんだけど、
勿論そういった側面もあるけど、
女性医師が患者や医療と向き合っていく姿を軸に描いていました。
”摂氏”と”華氏”はどちらも単位記号だけど、
はき違えると重大な過失を伴う・・・。
”東ベルリン”と”西ベルリン”はどちらも地続きだけど、
国家を隔てる大きな壁が立ちはだかる。
2つに1つの尺度・・・。
もし、ベルリンの壁の崩壊後だったなら、バルバラが選ぶ相手は変わっていたのだろうか?
また、あと1人ボートに乗れたなら、バルバラもボートに乗ったのだろうか?
それとも、状況や年代がどうであれバルバラは同じ相手を選んだのだろうか?
ふと、考えさせられる余韻が残る作品でした。