あるいは裏切りという名の犬 - goo 映画
フィルムノワールの作風は私好み。
組織の人間関係を緻密に描写した凝った脚本。
オチもヒネリが効いている。
完成度の高い作品だとは思うんだけど、何故か物足りなかった。
やはり“感情”が足りなかったのかな?
レオ〔ダニエル・オートゥイユ〕とドニ〔ジェラール・ドパルデュー〕はかつて親友同士だった・・・
二人はカミーユ〔ヴァレリア・ゴリノ〕を愛していて、
カミーユはやがてレオの妻となった・・・
というのはあらすじを読んでわかったけど、スクリーンからは伝わってこなかった。
レオが妻や娘を愛しく思う気持ちだけが唯一伝わってきたけど、
出所した父親を娘はすんなり受け入れすぎなんじゃないかな?
7年後と言ってもまだ高校生ぐらいなんだし、多感な時期。
複雑な心境をぶつける場面があっても良かったのでは?
一番納得いかなかったのは主人公2人の俳優の体形も個性も似すぎ・・・。
2人の役を入れ替えたとしても大して代わり映えしないような・・・。
例えば、香港映画『インファナル・アフェア』のように
ワイルドなトニー・レオンとクールなアンディ・ラウという
対照的な個性の俳優をキャスティングした方がメリハリ効いたような気がします。
主演の二人のダンディな渋さとフィルム・ノワールな雰囲気(空気)は合ってましたね。
あまり説明しすぎないところがヨーロッパ映画な感じですよね。
ハリウッド映画に見慣れていると新鮮な感じがします。
作品全体のノワールな感じと主演の渋い二人の感じと雰囲気があっていましたね。