~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

■『脳男』■ ※ネタバレ有

2013-02-24 20:40:19 | 映画【日本】


  『脳男』:公式サイト



2000年に刊行され、江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の小説を映画化。
並外れた知能や強靭な肉体を持ちながらも、人間らしい感情が表面に出ず、
社会に埋もれてしまっている悪人に制裁を加える為に殺戮を繰り返す“脳男”を軸に描く。

≪後半の素朴な疑問・・・≫
① 一郎〔生田斗真〕が足を引きづっているのに、
  茶屋〔江口洋介〕はどうして追いかけて一郎を捕まえないんだろう?

② 真梨子〔松雪泰子〕は一郎から電話がかかってきていたけど、
  一郎はどうして真梨子の携帯番号を知ったんだろう?

③ 向かい側の橋に一郎がいるのに、
  電話後、どうして真梨子は警察に通報しないんだろう?

④ 真梨子のカウンセリングの効果がなかったから志村〔染谷将太〕は出所後すぐに再犯したのに
  うつ病から激太り?の真梨子の母は
  どうして、真梨子のカウンセリングを受けようと前向きになったんだろう?

“脳男”一郎(大威)役:生田斗真は無色なイメージですね。
個性が強くないからどんな役にも染まっていける。
J事務所であっても歌の活動はしていないから、
スケジュール的にも演技だけに専念出来るので使いやすい俳優なのかもしれないですね。
肉体もムキムキすぎない程度に割れている腹筋で鍛え上げていたし、
一切瞬きしない集中力と真梨子の言葉に微かに動揺した時は一瞬、目の力を変える演技は見事でした。

志村役:染谷将太も瞬きしていなかったですよね?
本性が見えてこないつかみどころのないキャラをそつなくこなしていたと思う。

そして、何と言っても緑川役:二階堂ふみ&水沢役:太田莉菜の怪演でしょ。^^
まっ、太田莉菜は『ダークナイト - goo 映画』のジョーカー風?メイクに助けられている感はあったけどね。
二階堂ふみは眉ナシだけど、黒髪で化粧気なくて、見た目はわりと地味なのに、
内面は心身共に病んでいて狂いまくっている演技で圧巻だったな。

法では完全に裁ききれない悪を成敗する一郎って
ある意味、”現代版ネズミ小僧”みたいな感じなのかしら?

内容的には粗だらけでツッコミ所満載だったし、
善と悪の価値観、法と社会の折り合いは人それぞれ意見が分かれるところだろうし、
精神面は先天的なのか?後天的なのか?
医学的な見地をもってしても判別つきにくいものなのかもしれない・・・。

デリケートな題材だから何とも言えない面もあるけど、
娯楽映画としてのテンポは息つく間もない飽きさせない展開で面白かった作品でした。


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