~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『サイボーグでも大丈夫』。。。

2007-10-30 00:21:41 | 映画【韓国】

観終わった後の正直な感想は
「この監督って、作品の質が落ちたな。」
でした。(^-^;

『JSA』は誰が誰を射撃したのか?
うやむやなクライマックスが納得いかなかったけど、
シビアな南北問題をヒューマンドラマとして昇華したと思う。
『オールドボーイ』も暴力描写はえげつなくてダメだったけど、
父娘愛⇒人類愛を想起させる結末に関しては感銘に値する。
『親切なクムジャさん』は復讐を果たしても満たしきれない心境そして、母娘愛・・・。

今までの作品は複雑に絡み合う深層心理から
“人間愛”という主題へ導きだしていく手腕が光っていたが、
この『サイボーグでも大丈夫』が言いたかった事って
「ごはん食べよう。」
って事だけだったの?
(それにしても、韓国ドラマでも「ごはん食べたか?」と言う台詞が多いよね。
韓国人は“ごはん=生命の源”という意味合いで捉えているのかしら?)
監督独自の哲学を念頭に置いて描いてはいるんんだろうけど、
私の心には届かなかったんだよね。。。

今までの作品同様に音楽へのこだわりも感じたけど、
穿った見方をすれば・・・
ブラックユーモアな作品で高尚なメロディを多用するのは
音楽をバカにしているようにも感じてしまうのよ。。。

淡いテクニカラーの色調、定位置からじわりじわり焦点に近づいたり、遠ざかったり、
徐々に上昇したりするカメラの動きはまるでクリストファー・ドイルのようで、
異彩を放っていたし、
少女の指から弾丸を放つ場面はあったが暴力描写がなかった分、
観やすかったのは良かった。(*^-^*

一番心配だったピの演技(ファンの方、スイマセンm(_ _)m)も声が通っていて良かった。
ドラマ『フルハウス』〔2004年〕では演技がぎこちなかったので、
その頃よりは演技が上達していたと思う。
ピは努力家なのでしょうね。(^-^)
パク・チャヌク監督は個性の強い性格俳優を起用する傾向?だったので、
ピのような素朴な持ち味の若手俳優は新鮮な印象でした。

イム・スジョンの眉つぶしメイクは違和感あったな。。。

眉を全部剃った方が良かったのでは?
彼女は『サイボーグでも大丈夫』の撮影終了後、
次回作『幸福』〔2007年:ホ・ジノ監督〕の撮影に入ったので、
次回作へのつながり上、眉を剃る事は出来なかったのかもしれないけど・・・。
(ホ・ジノ監督作の正統派恋愛映画で剃って書いた現代的な眉は合わないだろうし・・・)


P.S.
イム・スジョンは『幸福』が韓国で公開されて、しばらく休養に入るそうです。

  イム・スジョン「演技活動をしばらく中断」〔innolifeニュースエンタメ2007.09.24〕

イム・スジョンは27歳、これからは年齢に合った役を演じていきたいそうです。

6 コメント

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・・・そっか (Prism)
2007-10-31 01:22:51
チョット期待していたんですが、あまり良くないっぽいですねぇ・・・。
レンタルにします(^^;)
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レンタルで大丈夫。 (BC)
2007-10-31 01:41:20
Prismさん、こんばんは☆
コメントありがとうです。(*^-^*

うん、レンタルにしておいた方が無難だと思いますよ。
映画館で観るほどの内容ではないかも?

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パク・チャヌク監督 (chikat)
2007-11-05 19:51:33
TBありがとうございました。

この作品、韓国ではどんな評価をされていたのかはわかりませんが、多分言語を理解できているともっと内容も理解できるかと。
一般にこの監督の作品はわかろうとしてもわからないところが多いですよね。
「オールドボーイ」も「クムジャさん」も精神的な恐怖が大きかったです。
DVDで観るのが正解かもしれませんが、もっとわからなくなる気がします。
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新鮮な印象。 (BC)
2007-11-06 15:33:32
chikatさん、こんにちは♪
トラックバック&コメントありがとうです。(*^-^*

『サイボーグでも大丈夫』は『オールドボーイ』や『親切なクムジャさん』のように
映像的に際立ったインパクトがあるわけでもなく、
深いテーマ性も伝わってこない。
でも、シュールかつポップなセンスが光る場面があるので、
家でDVDを見ながら好きな場面を巻き戻したりスローにしたり、
くつろぎながらのんびり見るタイプの作品かな?という気がしたんですよ。
今までのこの監督作は「構えて観なきゃ!」
という感じだったので、
わりと気軽に見れるタイプの『サイボーグでも大丈夫』は新鮮な印象ではありましたよ。

この監督の作風はわかりにくいけど、
監督なりの哲学(自論)を構築して描いている感じはしますね。


P.S.
chikatさんは韓国語を勉強されているんですよね。
私も韓国語や韓国文化がわかればもっと韓国映画や韓国ドラマを
奥深く理解できるだろうなと思う事が多々あります。

私が韓国映画や韓国ドラマを見ていて思うのは、
韓国語のシンプルな単語であっても心(大きな愛情)を感じるところかな。
例えば、韓国は儒教精神が根強いので家族や年長者を大切にしますよね。
他人であっても年上の知人には
「オッパ(お兄さん:女性が年上の男性を呼ぶ時の言葉)」
「ヒョン(お兄さん:男性が年上の男性を呼ぶ時の言葉)」
「ヌナ(お姉さん:男性が年上の女性を呼ぶ時の言葉)」
「オンニ(お姉さん:女性が年上の女性を呼ぶ時の言葉)」
と「お兄さん」「お姉さん」と親しみこめて呼べる雰囲気は
日本では大阪の下町の人達やお笑い芸人さんには残っているけど、
他の地域にはあまりないので良いなって思います。(^-^)
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コメントありがとうございました (YOSHIYU機)
2008-10-16 23:18:24
話の流れのリズムが悪い映画だなと思いました。
イム・スジョンは童顔ですね。
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イム・スジョン。 (BC)
2008-10-16 23:35:18
YOSHIYU機さん、こんばんは。
コメントありがとうです。(*^-^*

話のテンポは良くなかったですよね。。。

イム・スジョンは童顔で実年齢よりも幼い役を演じる事が多いですよね。
だけど、この作品の次に撮ったホ・ジノ監督の新作『ハピネス(原題:幸福)』では
しとやかな大人の女性を演じていました。
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