『秘密のオブジェクト』:公式サイト
登れない木
夫との関係が冷えている40歳の女性大学教授ヘジョン〔チャン・ソヒ〕と
ヘジョンの助手である21歳の男子学生ウサン〔チョン・ソグォン〕が恋に落ちていく様子を
傍にあるコピー機やデジタルカメラの視点で語らせる画期的な手法で描く。
研究の為に取材した主婦のエピソードの回想場面の中で
その主婦が自ら刃渡りの凄い包丁で腕を上から下へ傷つける場面があるんだけど、
手首だけでも致命的なのに上から下まで切って助かったのが不思議。。。
中年女性と青年の年の差ラブロマンスと言えば、
『僕の美しい人だから - goo 映画』みたいな感じを予想していたんだけど、
『秘密のオブジェクト』は淡々としたエロス?だからか、ハーレクイーンぽかったな。。。
韓国の俳優や女優は喜怒哀楽をハッキリ出して熱演する人が多いけど、
ヘジョン役のチャン・ソヒは感情表現は控えめな感じで
韓国では珍しく自然な演技をする女優さんですね。
チャン・ソヒは童顔なのでウサンと初めて会う場面で
学生に間違えられるシチュエーションも違和感なかったです。
年齢相応の面差しの女優さんだと「いい歳して・・・。」という気もして、
なんかノリきれなかったりするんだけど、
童顔だと年齢差をリアルに感じないので嫌味はなかったです。
ウサン役のチョン・ソグォンは飛びぬけたイケメンでもないし、
ハッキリ言って、華がないなと思っていたんだけど、
ホストの場面でメイクしてステージに立っている姿はダンディでカッコ良かった。
黒ネイルでの仕草も妙に色っぽい。
昼間の純朴な学生と夜のナンバーワンなホストでは目つきが変わっていて、
魔性的かつ雄々しい独特の雰囲気を醸し出していたね。
研究で取材した主婦は大胆に脱いで獣のようなベッドシーンをやっているのに
ヒロインは裸体を見せないのはどうよ?という気もしたんだけど、
開けっ広げな狂おしい愛と、もどかしいプラトニックな愛の対比を示したかったのかな?
主人公二人の配役を地味め?にする事で 2人の恋愛本能は濃ゆい艶かしさを排除して
サラッとした愛として描く狙いもあったのかしら?
年上女にとっての“登れない木”は彼との年齢差による引け目だけど、
年下男にとっての“登れない木”は彼女は高嶺の花という憧れ意識。
それは女性が望む理想のロマンス像という気もしちゃうから
アラフォー女性にとっては夢のような寓話だろうね。
とは言え、女は年齢に過敏になっていても、
男は年齢よりも彼女の個性を見つめているものなのかもしれない。
そんな事をふと思ったりした作品でした。