~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

■『サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ』■ ※ネタバレ有

2013-01-06 19:48:05 | 映画【アメリカ】


  『サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ』:公式サイト

シネマの未来

長年映画に携わり、映画作りの過程の変遷を見つめてきた俳優キアヌ・リーブスが企画製作し、
自らナビゲーターとして、 マーティン・スコセッシジョージ・ルーカスジェームズ・キャメロンなど
ハリウッドを代表する映画人にインタビュー。
約100年にわたり映画の記録媒体だったフィルムが デジタルの台頭によって消えつつある現状を踏まえて、
技術革新してきた映画撮影の今後について考察していくドキュメンタリー映画。

一人一人の映画人をじっくり映すのではなく、 各人に大体同じ質問をぶつけて、
その質問の各人の回答を次々映しだしていく手法。
監督だけではなく、撮影監督にも重点を置いているのが興味深かった。
他には編集者・特殊効果?の技術者・機材メーカーの方達へのインタビューもありました。
特に、リチャード・リンクレイターウォシャウスキー姉弟など
キアヌと映画で組んだ事がある人は積極的に語っていたような気もする。

1年半かけて取材しているので、 キアヌがロン毛+お髭もじゃだったり、短髪+お髭少々だったり
風貌がコロッと変化しているのが何気に面白かった。^^
だけど、変わらない魅力は時折映るキアヌのキラキラした眼差しなの☆

もちろん、彼はキャリアの長い俳優でもあり、
今年公開予定の『Man of Tai Chi(太極侠)』で監督デビューも果たしているから
自らも映画人としての意識で取材しているんだろうけど、
表情も穏やかで、映画に心ときめかせている純粋な映画少年のようだったね。
特に子供と接している場面が微笑ましかったよ

私がフィルム撮りだろうと予想していた『スラムドッグ$ミリオネア - goo 映画』がデジタル撮りで
デジタル撮りだろうと予想していた『ツリー・オブ・ライフ - goo 映画』がフィルム撮りだったりとか
そういうのも意外性あったな。
昔の名作や近年の大作映画の場面がちょこちょこ映るのも観入りましたよ。

私は”映画=フィルム撮影”という感覚だったからか、
実際には大手メーカーが映画撮影用のフィルムの製造中止をしていて、
今は”映画=デジタル撮影”になりつつある事に驚いた。
最近、老舗の映画館の映写機のデジタル化が追いつかず、やむを得ず閉館・・・。
という記事を目にする事が増えたけど、
この作品を観て、ここ数年でデジタル化が加速している事を実感した。
老舗映画館だけではなく、
ミニシアターの不況もこういった設備投資が追いつかない現状が影響しているのだろうか?


フィルム撮影とデジタル撮影の対比と言うよりも
“デジタル化を受け入れていきましょう”という風潮にも受けとれた。

光の問題などデジタル化のデメリットも語られていたけど、 概ねデジタル化に肯定的な印象だったな。

映画にとって大切なのは作品の世界観を描く事であって
フィルムであれ、デジタルであれ、撮影用カメラはその作品へのアプローチにすぎない。
作品内容や現場環境も影響するだろうけど、
結局は監督または撮影監督の撮り方の好みに時代の流れが合っていくかどうかなのでしょうね。


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