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『だれも知らない建築のはなし Inside Architecture -A Challenge to Japanese Society-』:公式サイト
正しい時間に正しい光
2014年に開催された【第14回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展】で上映された映像作品
『インサイド・アーキテクチャー 日本社会への挑戦(Inside Architecture - A Challenge to Japanese Society)』
に追加撮影を施し、製作されたドキュメンタリー。
磯崎新、伊東豊雄、安藤忠雄、レム・コールハースなど
世界的な建築家達のインタビューから歴史をひも解き、
未来の建築のありかたを見つめる。
建物は一度建つと数十年もつので、ここ50年の建築は大きな変化はないのでは?
と邪推したりもしていたのですが、
1970年代のオイルショックに伴う経済の低迷によって、
当時の若手建築家達は大きな規模の公共建築の設計に関わるチャンスを得られず、
住宅建築に活路を見出していた為、
1982年のP3会議(アメリカで開催された建築家の国際会議)で日本の若手建築家が個人住宅をプレゼンしたら
海外の建築家に無言の拍手をされてしまったりした事もあったんですね・・・。
時代と距離を置いているように見えて、
時代と密接に関わっているのが建築設計なのかも?
“正しい時間に正しい光が差し込む美しさ”
意匠よりも機能性が求められる現代。
極論を言えば、高学歴を誇り世界にも認知される建築家不在になって、
高学歴ではなくても確かな技術が身についている設計者がいれば成り立つかもしれない。
だけど、この作品に登場する6人の建築家達の主張を拝見していると
個々にエッジの効いた本音で味がある。
日本の建築家は国内の体制や社会に関する発言だけど、
海外の建築家は日本社会や日本人に対する発言。
(↑日本人監督の映画だからかもしれないけどね。)
日本の建築家と海外の建築家の見解の違いも面白かった。
やっぱり、そういったいわゆる“スター建築家”も育ってほしいなという気もした。
映画の内容的には“だれも知らない”というほど、斬新な切り口でもなかったような・・・。
業界の裏話にも言及していたけど、概ね想定内に感じたし。
それに、建築映画って、男性の建築家にスポットを当てたものばかりでしょ。
女性建築家にスポットを当てた映画ももっと有っても良いのにと思ったりもしました。