~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

●『ゼウスの法廷』○ ※ネタバレ有

2014-05-31 22:35:14 | 映画【日本】


  『ゼウスの法廷』:公式サイト

指輪のサイズ

現在の刑事訴訟法の抜け穴を突く異色作。
婚約者の恵〔小島聖〕が起こした事件の裁判を担当する事になった
判事加納〔塩谷瞬、椙本滋(声)〕の苦悩を描く。

小島聖は声がキレイだし、良い女優さんですね。
子役の時は清純なイメージだったけど、スキャンダルをバネに演技の幅を広げて
主役も脇役も善人も悪人もこなせる大人の女優に成長しましたね。

法廷モノと言えば、弁護士か検事にスポットが当たる事が多く、
判事は主文の時にチラッと映る添え物のような扱いが多いが、
この作品は判事という職の内情に掘り下げた異質の作品。
判事一人が抱える膨大な量の案件、判例にそった判決しか決められない慣習・・・。
家でも仕事に打ち込みすぎるあまり、
婚約者に窮屈な思いをさせてしまったコトが起因になった事件・・・。

過去の事例をもとに仕事を進めるって判事に限ったコトではなく
他の仕事でもよくあることだと思う。
それに沿って業務をやったほうが無難だからね。
日本人って責任意識に雁字搦めになってしまいがちだから、自己の意見を出しづらい・・・。
婚約中に限らず、女性は恋愛している時は気持ちが不安定になりがち。
セックスでさえ時間限定の型にハマったものでしかなく、満たされていない時に
ダメ男であっても元カレに再会したらフラッと気持ちが傾くのもわからなくはない。
だけど、このヒロインは男を見る目がなかったんだろうな。
昔、散々な目にあわされていたら学習すべきだわ。。。
男の本性なんて容易く変わりはしないんだから。
それと判断力や潔さもないよね・・・。
元カレの女を目撃したらさっさとその場を去るべき、それか別の場所で話しあうべき。
ウジウジしているからああなってしまうんでしょ。

こじれて言い争っている相手の体に触れてしまった時点で無罪なんてありえないので
あの判決は茶番にしか思えなかった・・・。
判事が少年時代の過去と折り合う寓話、
判事と被告となったヒロインが法廷の場を介して向き合うラブストーリー
としてならばアリだろうけどね。

法曹界のシビアな側面を突きつける新しい切り口と優柔不断な恋愛の普遍的な感情。
すなわち、鋭さと甘さをミックスさせていて映画としてはなかなか面白かったです。


≪『ゼウスの法廷』関連記事≫

 セリフへのこだわりから声は吹き替えに 小島聖と塩谷瞬が婚約中のカップルとして出演する 社会派ラブストーリー『ゼウスの法廷』高橋玄監督インタビュー 〔ぴあ関西版WEB:14.04.12〕


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