~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

■『鷲と鷹』□ ※ネタバレ有

2014-06-03 23:03:41 | 映画【日本】


  『鷲と鷹』:公式サイト

パラダイス

元・光GENJIの諸星和己と大沢樹生が共演を果たし、
大沢樹生が大澤樹生名義で初監督も務めた話題作。
少年時代から親友としての絆を築きながらも、警察官になった鷹村〔諸星和己〕と、ヤクザになった鷲尾〔大沢樹生〕が
20年の時を経て麻薬絡みの大抗争に巻き込まれていく様子を描く。

中学時代の回想シーンの3人が
諸星和己・大沢樹生・田中律子にあまりにも似ていなかったな~。
大沢樹生と田中律子は20歳の回想シーンは本人が演じているからなんか違和感。。。

光GENJI世代の観客ならば、
かあくん(諸星和己)&ミッキー(大沢樹生)の共演は夢の共演といえるだろう。
光GENJI時代でさえ、かあくんは“GENJI”ミッキーは“光”のメンバーだったので
全盛期の映画は“光2人主演”“GENJI5人主演”で別々に作られ、
かあくん&ミッキーの二枚看板の主演映画はなかったからね。
(今で例えるならば“絶対的センター”=かあくん、“メンバー1のイケメン”=ミッキーかな?)

私が少女の頃に大人気だったスーパーアイドルグループ光GENJI。
当時、華奢な少年達がローラースケートでアクロバティックに歌い踊る姿がカッコ良く映ったんだよね。
私は他のグループのファンだったので、光GENJIにはさほど興味はなかったけど、
なんとなく昔のアイドル2人が主演している映画を観て
懐かしもうかという気分になり1100円の日に観てきた。
たいして期待もしていなかったからか意外と面白かった。

ローラースケートのくだり以外は無駄のない演出で、
ダラッとしそうになったらスパッとカットを割って、たたみかける展開にするのは巧いなと感心。
まったりしてきたなと思ったらドーンと突きつけるそのバランス感覚が冴えていた。
説明的になりすぎない程度にわかりやすく描いているのも絶妙。
芸人やミュージシャン、元スポーツ選手を脇役で起用していたのは
映画畑ではない?諸星和己を主演に据えても浮かないように配慮したのかしらね?

クスリ撲滅がテーマの一つみたいだけど、ラリって堕ちていく様子ではなく、
組織内の裏ビジネスの観点でしか描いていなかったのは
元光GENJIのメンバーで前科者がいるからそこまで踏み込めなかったのかしら?
なので、兵藤〔菅田俊〕が関東蒼和会の掟を破って、
高杉一派をスナイパー〔IZAM〕達に殺させてでも
クスリにこだわり続けた意味はわからず・・・。
蒼和会系列の他の組がしきたりを貫き、クスリを断ち続けたのを
普遍的な“仁義”だけで定義してしまうのも映画としては説得力なかった気もする。
(葉巻?吹かしている組長、ヘビースモーカーな組長などがいるならば、
あっさりクスリの誘惑に負けそうな気がしまいでもないし。。。)
以前にヤクで亡くなった組員がいるとかなら、徹底してクスリ断ちするだろうけど、
縦社会のヤクザとしてというよりも人間としての唯一の良心なのかしらね?

とにかく、大沢樹生カッコ良すぎたな。
クネッとしつつも哀愁のあるアウトローな立ち姿、
何気にタバコをくゆらし、店で二丁拳銃ぶっ放し。

クライマックスは車窓から身を乗り出してのドンパチまで。^^
まっ、組長にしては細身すぎて貫禄には欠けるんだけど、
鷹村の為に力になっていく、まるで父親のような優しい眼差しと
人生のくたびれ感をも感じさせる目の下のシワは
ニヒルな大人の男の色香が漂っていた。

昔から大人びていた外見に実年齢が追いついて
俳優としては今が一番脂のっている良い時期だと思う。
近年は私生活で注目されてしまっているけど、
監督や俳優として邁進して結果を出してもらいたいな。

諸星和己も無理に笑顔を作って愛敬を振りまいていたアイドル時代よりかは
飾らない今の方が男らしい印象。

ラストシーンは二人が交わす粋な台詞も良かったけど、
ウルッときている二人の瞳を観てじーんときたよ。
それは演技を越えてリアルな印象を受けたから。
同じグループで青春を過ごし、それぞれの人生を歩んで20年以上経ってから再会し、
一つの映画を作り上げた盟友だからこそ
言葉にならない感慨がその瞳に表れているように映り、印象深かったです。


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